自分はHSPかも? 繊細すぎる人の悩みあるあると処方箋

2023/02/20
佐伯美佳
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最近、「HSP」という言葉を目や耳にしたことはありませんか? HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソ ン)の略で、人一倍繊細な気質をもって生まれた人という意味です。
「もしかしたら、自分もHSPかも?」と感じる人もいるかもしれません。そんな人のために、今回は、自己肯定感の第一人者である中島輝さん最新の著書「繊細過ぎる自分の取扱説明書」から、HSPの人の悩みの「あるある」をご紹介します。さらに、HSPの人がイキイキと生活できるようになるための処方箋の一部も中島さんにうかがいました。

■HSPとは?

まずはHSPとはどんな人なのか確認しておきましょう。

HSPの人は、先述の通り、人一倍繊細な気質をもっています。感受性が非常に強く、周囲の環境からの影響を受けやすい敏感な性質を持った人のことをいいます。

HSPと言う言葉を世に送り出したのは、アメリカの心理学者である、エイレン・N・アーロン博士です。繊細さがまったくない人はいないですが、繊細さの程度が高いか低いか中程度なのかという考え方に沿って高い人のことをHSPと呼んでいるそうです。

アーロン博士の研究によると、HSPは先天的で、生まれ持った性質であることが分かっているそうです。

繊細すぎる人は、五感が鋭く、他者の言動や感情を敏感に感じ取って、相手に対して過剰に感情移入してしまう傾向があるそうです。また、周囲の音や、匂い、光などに強く反応することから、居心地の悪さや不安感を覚え、疲れてしまうといいます。

■HSPの人のよくある悩みあるある

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そんなHSPの人のよくある悩みを、中島さんはジャンル別に挙げています。これをもとに、自分がHSPかどうか、ある程度めどがつくのではないでしょうか。

●人づき合いが苦手
・相手の顔色をうかがってしまい、言いたいことが言えない
・ちょっとしたことですぐに落ち込んでしまう
・誰かが怒られていると、自分が怒られているかのように感じる

●めんどくさい体質
・すぐにびっくりしてしまう
・日常生活ですぐに疲れてしまう
・ベッドに入ると、考えごとが始まり、なかなか寝付けない

●仕事がはかどらない
・クヨクヨしすぎて、立ち直りが異常に遅い
・隣の人のキーボードの音、足音、誰かの話し声が気になって仕方ない
・人前に出ると思うだけでもあがってしまう、緊張してしまう

●考えすぎてつらい
・いつも不安で心配ばかりしている
・新しいことには、怖くて挑戦できない
・おっくうでなかなか行動に移せない

●トラウマを引きずる
・においや大きな音などが影響して、近づけない人、場所がある。
・ふとしたとき、昔の嫌な出来事を思い出して、つらくなる。
・何かを決めるとき、ついつい人の意見に頼ってしまう

■HSPの人への処方箋「書くワーク」

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もし、上記の項目にあてはまることが多ければ、HSPなのかもしれません。

中島さんは、次のように解説します。

「HSPの人は、その繊細さ、敏感さ、傷つきやすさから自己肯定感が低くなっています。HSPと自己肯定感は切っても切れない関係です」

そこで、自己肯定感を上げることによる対処法の一部を中島さんにうかがいました。

●繊細さを強みに変える「書くワーク」
「私はHSPの人、つまり繊細すぎる人に、その繊細さを強みに変える『書くワーク』をおすすめしています。なぜなら、書くべき理由があるからです。繊細すぎる人は、よくも悪くも自分内会議が大好きです。自分内会議とは、例えば、自分の目の前で起きる出来事について、『もしかしてこうかも?』『いや別の見方をしたらこうなるよね』などとと分析しながら深く考えていきます。ときには不機嫌な同僚の感情を察知して、『あれ、私が何かしたかな?』とネガティブな想像を膨らませていくこともあります。

繊細すぎる人は、必要以上に感情に引っ張られた思考になりがちです。そして感情に引っ張られた行動に移ってしまうのです。それを防止するために必要なのは客観的な視点です。手を動かして書くことで自分内会議を客観視できるようになります。書くことであなたは過去の失敗や、他人との比較、評価から脱することができます。なぜなら、私たちの脳は『まぁいいか』と納得したことに関しては、自然と忘れていくようにできているからです」

「自分の本音と出会うことで、自己認知が進み、心最初のポジティブの活かし方への理解も深まっていきます。繊細さを武器にするための書くワークには、次の4つのステップがあります」

ステップ1 認知(自分を知る)
ステップ2 受容(受け入れる)
ステップ3 把握(解決する)
ステップ4 発展(一歩踏み出す)

「この段階を踏むことで、無理に変わろうとするのではなく、いつの間にか自分が磨かれ、自分を信じる力が付き、自己肯定感が高まっていきます。そして繊細さが長所となり、あなたらしさが発揮され、人生が良い方向へと変わっていきます」

書くワークについての具体的なやり方は、中島さんの著書に複数書かれています。興味のある人は、チェックしてみましょう。

まとめ

HSPの人のあるある悩みとともに、処方箋を教えていただきました。もしHSPかもしれないと自覚する人がこれらのことで悩んでいるなら、自己肯定感を高めることを意識して、取り組んでみるのも良さそうです。

 

 

【取材協力】

中島輝さん

中島輝さん
世界初独自の自己肯定感心理理論で『自己肯定感の教科書』が大ベストセラー。累計部数60万部超えの作家であり自己肯定感アカデミー/トリエ代表。NHK朝の人気番組「あさイチ」で「自己肯定感心理テスト」を監修。同番組内で著名な心理カウンセラーと紹介される。

「繊細すぎる自分の取扱説明書」

中島輝「繊細すぎる自分の取扱説明書」(https://www.amazon.co.jp/dp/4815616620)

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この記事を書いた人

佐伯美佳

国内出版社のWeb媒体を中心としたライター。Web業界を経て、ライターとして独立・起業。健康・美容・グルメ・ライフスタイル・ビジネスのジャンルを中心に執筆中。思わず読みたくなり、読んだら得する情報を発信してまいります。

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