マーベルコミックの世界を基に、6つのシリーズから構成されるオリジナルポッドキャストシリーズ『Marvel’s・ウェイストランダーズ』が、Amazonオーディブル(以下、Audible)にて独占配信される。6月28日から配信されるシリーズ第1弾『「Marvel’s・ウェイストランダーズ:スターロード」を皮切りに、2024年にかけて順次展開していくとのこと。
本作でロケット・ラクーンに命を吹き込むのは、さまざまな舞台や吹き替え作品に出演する、俳優の多田野曜平さん。実は過去にもロケット役を務めたことがあることから、再び演じられることに「めちゃくちゃうれしかった」とにっこり。本作の魅力や吹き替えの難しさなどについてお話しを伺った。
――早速ですがズバリ、「Marvel’s・ウェイストランダーズ:スターロード」の魅力とは?
脚本がやっぱりおもしろい!もともと登場しているロケットもそうですけど、スターロードで新しく出てくるキャラクター達もすごく活かされています。英語版のおもしろさを上手いこと残しつつ、日本語の台本に変換しなければならないのに、翻訳者さんが上手く訳してくれているのもすごいですよね。
ロケットはシニカルなギャグを言ったりするんですけど、それがウィットに富んでいるんです。アメリカンジョークのような会話が、作品にふんだんに散りばめられているので、喧嘩をしているような雰囲気にならないよう気をつけました。
――数十年先の未来のお話なので、そのロケットも歳をとっています。
そこは考えたんですけど、私自身も歳を取っているわけですよ。なので逆に回想シーンの方が悩みましたね(笑)。もちろん自分なりにロケットを創って、監督からOKも頂けたので、若くはなっています。
あと実は、収録中に椎間板ヘルニアになって、収録を一度お休みしているんです。その痛みに堪えつつ腹から声を出さないといけないんですけど、ロケット自身も老いているから、ちょうど現実と繋がっていい演技ができたんじゃないかなと思っています。
――本作は音声だけのコンテンツになります。普段の吹き替えとは違いましたか?
手探り状態でしたよね、距離感とか状況とか(笑)。会話劇のときは“会話”っていう確固たるものがあるからいいんですけど、アクションシーンのときは難しい。敵がいるわけですけど、その敵とどのぐらいの距離が離れているのか。走っているのかどうなのか。SEがあるからもちろん状況は分かるんですけど、正解はわからないから何度も聴き直しましたね。
朗読劇の制限があるバージョンが、今回の音声コンテンツの吹き替えに近いとは思います。朗読劇は自由に動けるし時間的な制限もないし、自分の解釈で朗読できる部分が多い。それにお客さんからは読んでいる役者の顔が見られるわけだから、少しの表情の変化とかで読み取れる感情があるんですよ。
なので、何度も台本を読んで、ここがこう繋がっているということをキチンと理解する。なるべく嫌味にならず笑えるような表現にもしましたね。読むスピードや尺には制限があるので、溜めたいところを私の判断でゆっくり読むわけにはいかず、そこに上手く嵌めていくのは大変でしたが(笑)。
――色んな作品に出演されている多田野さんでも、音声だけとなると難しいのですね。
でも何話目かの収録のときに、本当に自分がそこにいるような感覚に陥ったことがあったんです。だんだんと脳がこの世界観に追いついてきてからはもう楽しいですし、自分自身でも「えー!?」って驚きました。
3話目の収録が終わったときには、4話の話が楽しみでしょうがない気持ちになっている。自分が読んでいるのに、自分が演じているような気持ち。アトラクションを体験しているような感覚でしたよ。
――最後に、シリーズ第1弾「Marvel’s・ウェイストランダーズ:スターロード」をどんなふうに聴いてもらいたいですか?
若い方でも年配の方でも、ぜひロケットの生き様を、寝る前に部屋の電気を消して真っ暗のなかで聴いてもらいたいです。
【あらすじ】
「Marvel’s・ウェイストランダーズ:スターロード」の舞台は、悪役のヴィランが勝利した世界。マーベル・ユニバースとはまた別の未来のお話。ドクター・ドゥームが荒地を乗っ取り、無法者のゴーストライダーや血に飢えたハンターのクレイブンなど、世界中のスーパーヴィランが支配権を握ってから30年。栄光の時代よりもお腹が出て、性格も歪んでしまったピーター・クイルとロケット・ラクーンは、不時着した地球がかつての姿とは違うことに気がつく――
「Marvel’s・ウェイストランダーズ:スターロード」は全10話で構成されており、6月28日からすべてのAudible会員が聴き放題で利用できるようになる予定です。
https://www.audible.co.jp/ep/marvel-wastelanders