Marvelのスーパーヒーローに焦点を当てた、オリジナルポッドキャストシリーズ『Marvel’s・ウェイストランダーズ:ブラック・ウィドウ』が、音声コンテンツ配信サービス・Amazonオーディブル(以下、Audible)にて、配信開始となった。
11月8日から配信開始のシリーズ第3弾『Marvel’s・ウェイストランダーズ:ブラックウィドウ』で、ジョーダン・テンプル役を務めたのは、声優の下野紘さん。同オーディブルが、初のMarvel作品の出演となる。「最初は戸惑った」と困惑の表情を浮かべた下野さんに、収録を経て感じた音声コンテンツの可能性や、作品を聴いてほしい人などについて語ってもらった。
――オファーを受けた時の心境はいかがでしたか。
Marvel作品に出演させていただいたことがなかったので、うれしかったです。ですがオーディオドラマの吹き替えが初めてということもあり正直戸惑いました(笑)。全くの未知数だったので、確認に次ぐ確認をしてドキドキ、ワクワクしていましたね。
――役作りで意識されたこと、収録で気をつけたことはありましたか。
僕は、基本的に役者さんがやっているキャラクターの表情を気にすることが多いので、映像があったらものすごく観るのですが、今回はいかんせん音のみだったため、テンションの上がり下がりには気をつけていました。「ここでテンション上がるの!?」「そこで急に落ち込むの!?」ということが本当に多かったので、そこを意識しました。
――収録現場での印象に残っている出来事があれば教えてください。
人がしゃべっている間に別の誰かが話しかけてきたりもするし、取っ組み合いになると誰がどこを話しているのかわからなくなることもありました。音声が重なっている部分がないというくらいだったので、皆で収録をしていたら「ジョーダンはテンションが高く捲し立てるように話して、誰かが相槌を打っても聞かないでしゃべるシーンが多いので、ここからかここまで長いんですけど、別で収録させてください。」と言われることもあって(笑)。最初はリサ役の諸星すみれちゃんと一緒に録っていたのですが、いつの間にかジョーダン1人になっているという。自由に演じられる気楽さはありました。寂しかったです……(笑)。
――どんな人にこの作品を聴いてほしいですか。
Marvel作品が大好きな方に聴いてもらうのが1番いいと思います。それから、この作品は女性が強いと感じたので、テンションを上げたい女性にもオススメな気がします。ジョーダンもそうなのですが、男は情けなかったり、変に偏りのある人が多いんですよ。その分、女性がものすごくしっかりしていて、物語をしっかり進行してくれている部分があるので、自分の気持ちを奮い立たせてくれる要素があるのではないかなと思います。
――男性が変に偏っているというのは…?
本当にわかりやすいぐらい贔屓する上司や、いろいろなことを鑑みない上司。ジョーダンも自分が間違っているのに正しいと思っている男ですし、その他の人たちにも情けない部分がある気がしています。
――それを見て学ぶことができるかもしれませんね。
たしかに!人の振り見て我が振り直すじゃないですが、「自分もこういうところあるかもしれないな。気をつけよう」と思ってもらえる部分はあるかもしれません。
――最後に、今回の収録を経て、今後の音声コンテンツの可能性について感じたことがあれば教えてください。
ひとつの物語を映像ではなく耳で聴いてもらうことで、頭の中で世界観を想像して物語に入りこみやすくなるのではないかと思いました。オーディブルでいろいろなドラマを聴くことによって、想像力を豊かにさせるという意味では、本当にすてきなコンテンツだと思います。また、我々声優としては映像に頼らずに演じないといけないので、芝居面でも成長を望めると感じています。音声だけになると「もっとこういう風に表現してみよう」と可能性が広がるので、もっと発展していってほしいです。たとえばシリアスな作品だけではなく、もっとコミカルな作品やラブストーリーもいいのではないかと思います。