【TDK×落合陽一】3Dプリンターを利用して“誰も見たことのないものを作る”!

2017/12/18
マガジンサミット編集部

学生と落合陽一氏によるワークショップイベント「Project Meeting Tokyo」が12月10日(日)に開催されました。これはTDKと落合陽一氏とのプロジェクト「Silver Floats(シルバーフローツ)」の一環として企画され、学生と落合氏が最先端技術を用いて新しいメディアアート作品制作に挑戦するものです。

出典 http://www.attractingtomorrow.tdk.co.jp/jp/ 

 

「Silver Floats」 とは、落合氏がアンディ・ウォーホルのインスタレーション作品「Silver Clouds」(銀色に浮いているもの)から着想を得たもの。“人類が見たことないカタチ”をテーマにかかげ、最新の技術を用いて浮遊する「Silver Floats」の完成を目指します。

2017年の秋から始動し、複数のプロジェクトを同時進行させながら、さまざまな情報発信をしており、11月25日にTwitter上で行われた落合氏との「Project Meeting on Twitter」は、約2万人が視聴。今回の「Project Meeting Tokyo」では、20名あまりの学生とリアルにディスカッションをしながら“人類が見たことないカタチ”のプロダクトを3Dプリンターを使い3次元化する試みが行われました。

※ズラリとならぶ3Dプリンター!

「Project Meeting Tokyo」に集まった学生達は、多数の応募のなかから選ばれたとあって皆、真剣そのもの。まず午前の部では学生達が想う“人類が見たことないカタチ”を落合氏にプレゼンテーションし3DCGモデリングした後、3Dプリンターで現実化しました。

落合氏は、出来上がったモデルについて「実に精密に細部まで表現できていて、思った以上に3Dプリンターの性能がいい。空想のモノが実際にカタチになると、プレゼンテーションやCGでは気が付かなかった意図や拘り、ディテールがみえて発想が膨らむ」とコメント。

ある学生が発表した「“足”がついているドローン」について「なぜ足?と疑問に思ったが、実際に立体化したらロボットの足ではなく“スニーカーを履いた人間の足”のようなカタチが付いてる。もしかして、水中で犬掻きみたいにバタバタ泳ぐの?その発想はなかったなァ!」など、出来上がったモデルを見ながら「どうしてこういうカタチになったの?」と学生達に尋ね、その発想と理由を聞きながら、楽しそうに笑う落合氏が印象的でした。

※脚のついているドローン。なるほど人の足みたい

また、グラスを題材にした作品を例に「カクテルグラス・ワイングラスの形状は、下の構造部が中身(液体)をささえる形状だけれど、無重力では支えはいらない。じゃあ、どういうカタチになる?」という問いや、それに関連してか「…味を表現するカタチってどういうものだろう?」と発言。(支える必然性がなくなると、器はその中身を表現する手段、もしくは分類する道具として価値を変える。というロジックでしょうか?)

今ある世界でカタチになっている製品が、無重力の世界ではどのようなカタチに変化し、どのような役割を与えられ、どのような価値感につながるのか? といったテーマも話し合われ、普段、何気無く使っているモノのデザインの成り立ちや意味を再発見する場にもなったようです。

※うっとりとした表情で作品をながめる落合氏。何かを閃いたのか(!そうか…)と独り言。この仕草をみているだけで、想像(創造)することの楽しさは無限だと思いました。
 

さらに、落合氏は「3Dプリンターは、議論やデータ上で可能でも、今の世の中に存在できない構造物は印刷ができない。3Dプリンターで印刷できるモノは、それだけ安定感があり強い構造だということ」と、3Dプリンターで擦れないものは“工業製品”として成り立たないのでは?と興味深い様子でした。

TDKの広報グループ遠山さんは今回の「Project Meeting Tokyo」について、「生の声でディスカッションでき、落合先生と学生さん双方が良い刺激を受けて、インスピレーションが浮かんできたのではないか?」と話し「最終的には“何かモノを浮かす”という目標がカタチになれば良いと思う。完成したならば、TDKの『歴史みらい館』(秋田県 にかほ市)での展示や、社屋のパブリックスペースなどに置き、皆様にお披露目などできたらいいですね」とコメント。また「Silver Floats」の活動を通して、TDKの取り組みや製品を身近に感じていただければ嬉しい」と話しました。

 

Project Meeting Tokyo

「Project Meeting Tokyo」の様子は動画でも配信中。一部ですが、落合先生と学生達のディスカッションの様子を見ることができます。

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