今回お話しを伺ったのは大阪を中心に事業を展開する株式会社おおきにの代表取締役 野寄 聖統さん。経歴や今の事業について聞いた。
高校を出てすぐに海上自衛隊の衛生管理や健康管理を担う医療系の公務員として働いていた野寄氏。仕事もやりがいがあり、使命感を持って取り組んでいたものの将来を考えた時にここでの仕事しか知らずに一生これと決めていいのだろうか、もっと自分を試せないだろうかと考え違う職種に就くことも視野に入れたと話す。そんな矢先に野寄氏の母親の具合が悪くなり、母親の面倒を見るため、そして将来の自分を見つめ直すために仕事を辞めることにした。そんな決断の中、辞めるのではなく今の安定した仕事について母親の面倒を見ることも考えてみてはどうかという意見が周りからはほとんどだったと言う。
ただ今はそれでいいものの、将来的に自分に変化がないことに疑問を持ち、生活してお金を稼ぐという点では違う仕事に就いても変わらない。リスクを恐れて変に執着するのではなく、自分の枠を広げていけばいいのではないかと当時、冷静に考えて思ったと話す。自分がこれが得意というのは違う世界を知らなければ勘違いかもしれない。実際はもっと可能性があるかもしれないので、いろんな仕事をしてみるいい機会だと思い海上自衛隊の仕事を退職した。
そして始めたのはアロマの勉強だ。大手スポーツクラブに併設されている接骨院で医療関係のアルバイトをしていた時、そこの医院長先生が多くの患者さんを治す名医だった。サポートしている野寄氏は医院の受付や電気を当てるお手伝いはできるものの、治療としては何もできないことを感じ、何か患者さんのためになることはないかと考えた。そんな中、予防医学を勉強していた経緯もあり、自宅でのセルフケアに関しては患者さんと共有ができると考え独学でアロマの勉強を始めたのがきっかけだ。
柔軟な考えの医院長はアロマを気に入り、この医院の中でできることはもっと勉強しなさいと背中を押してくれたと野寄氏は語る。そして接骨院で副院長として勤務しながらアロマスクールのインストラクターを兼務し日本中のエステサロンやリラクゼーション施設に技術を広めていった。
そこからアロマテラピーやハーブを扱う会社を設立。経営のイロハを学びながらオーガニック製品の販売やコンサルタント、飲食事業などマルチに展開する「株式会社おおきに」となった。コロナ禍でセルフメディケーションなどの健康がより注目さていてることについて聞くと、いろんな美容や健康グッズのブームがあるものの、最終的には自分にとって合うか、続けられるか、苦ではないかというのが重要だと話す。いくら除菌しても最終的には自分の免疫力が大切なため先ずは免疫力を上げる。
そしてSNSなどが発達している中で数々のお勧めなどの声に惑わされず自分で情報を選んでいく、自分の感覚を信じて身体に合うものを見つけていくのが大事だと教えてくれた。
次回は「株式会社おおきに」が展開するオーガニック商品を広く取り扱う「ありがとう市場」について話を聞いた。