地方銀行発、スマホ慣れした若い世代の取り込みを目指す新サービス続々と

2018/03/09
マガジンサミット編集部

株式会社野村総合研究所が2016年12月に発表した「NRI生活者1万人アンケート調査(金融編)」によると、2016年の時点で30代の約30%がネットバンキングを利用しており、2010年と比較すると約2.5倍の伸びをみせているそうです。

同調査によると2013年と2016年を比較した際に最も伸長したチャネルとしてスマートフォンが上がっており、スマートフォンを使用したネットバンキングの利用率が定着してきていることがうかがえます。

このように、近年、銀行市場はIT化に伴い顧客ニーズに変化が生じており、その課題はメガバンクのみならず、地域に密着したサービスをおこなう地方銀行にも変化をおよぼしているようです。

便利なだけでない。お客さまと繋がる大切さ

静岡県沼津市に本店を構え、静岡、神奈川エリアを中心に国内133店舗をもつスルガ銀行では「スマホでつながる、スルガ銀行」というスローガンのもと、スマートフォンアプリ「スルガ銀行アプリ」を「スルガ銀行CONNECT」と名称を一新。2018年3月7日に全面リニューアルを発表しています。

「銀行は相談したくても、相談しにくい…」「自分の親への仕送り時、振込操作後に電話やeメール、LINEなどでメッセージを送っている…」などユーザーの声を参考に、銀行とユーザー、さらにユーザーの家族、友人との“つながり”をコンセプトとしたさまざまな新サービス機能を付加しており、例えば、残高・取引明細照会等の基本機能だけでなくLINE、SMS、eメール、Facebookなどと連携して振込完了後に振込先へメッセージを送る【メッセージ機能】。

電話・チャット・AI・メールなど、さまざまな相談窓口からユーザーの状況や相談内容に合わせて、いつでも問い合わせができる【コネクト機能】。口座残高、入出金明細の確認や資産状況も一目で把握できる【残高照会機能】など、新しいサービスの提供を試みています。

また、「スルガ銀行CONNECT」では、高いセキュリティや信頼性を持ったGoogleのパブリッククラウド「Google Cloud Platform」上に構築した銀行APIを活用しており、今後はオープンAPIの活用により、他社、他業種との連携、エコシステムへの参画を進めることで、これまでにない新しいサービスを提供しユーザーの体験価値をより高めたいとしています。

急速に普及するファイナンスアプリ

ボストンを本拠とするコンサルティング会社、ベイン・アンド・カンパニーの調査では、世界におけるネットバンキングでの手続が100件発生するごとに、銀行支店での手続きが平均16件減少していることが明らかになっており、世界的にモバイルでの金融手続が増加している傾向だそうです。

なかでも利用頻度が最も多いのはテクノロジーに通じた25〜44歳。ファイナンスへの意識が高い年齢層でもあり、この層にマッチングした便利で使いやすいサービスを提供することで利用者の拡大につながります。地銀、メガバンクの枠をこえ、私たちのライフスタイルに密着したモバイル・フィンテックサービスの今後に期待ですね。

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