「魂の表現」を世界へ!大阪・関西万博で4日間の感動体験「障害者の文化芸術国際フェス」

2025/09/11
佐藤 勇馬

一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会は2025年10月8日から11日まで、大阪・関西万博の会場で「ここに私が、(そして)あなたは… 障害者の文化芸術国際フェスティバル」を開催します。

■心を躍らせろ!万博を舞台に「魂の表現」を世界へ

同フェスティバルは、障害のある方々の自由で多彩な文化芸術表現を世界に発信するとともに、芸術活動の原動力ともなる“旅”へのさらなるアクセシビりティを目指す「文化芸術ユニバーサル・ツーリズムプロジェクト」の一環として実施。国際的に注目される万博を舞台に、芸術と観光が融合した新たな体験を創出します。

全国手をつなぐ育成会連合会はこれまで、「日本博を契機とした障害者の文化芸術共同創造プロジェクト」として、2020年から2022年にかけて全国7ブロックで障害のある方々の芸術活動を支援。さらに大阪・関西万博を契機として、国内外の障害者をはじめ、誰もが、いつでも、どこへでも文化芸術にアクセスすることができる「文化芸術ユニバーサル・ツーリズム」の実現を目指し、障害当事者団体、支援者団体と共に、交通機関、自治体、福祉事業者との連携を深め、全国各地で活動を広げ多くの成果を上げています。

しかし、同連合会は「活動の中でまだまだ『障害』を理由に芸術や旅行を諦める方が多くいる現実を知りました」とし、「『いつでも・どこへでも』という、当たり前の願いを実現するには、いまだ課題が山積していることも痛感しています。そこで『ここに私が(そして)あなたは…』というメッセージに託し、万博を舞台に『魂の表現』を世界へと再び投げかけます」と本フェスティバルの意図を明かしています。

■感動のフェスティバル4日間の見どころをチェック!

総合プロデューサーは元NHKの牧野望氏。障害当事者が“確かな表現者”として出演する、4日間の感動と交流のプログラムの見どころを紹介します。

●会場1: EXPOホール「シャインハット」舞台芸術パフォーマンス(10月8日-10日)

①10月8日(水)18:00
日本遺産「石見神楽(桑の木神楽会)」プロローグパフォーマンス

ⒸChikara Kuriyama

島根の社会福祉法人いわみ福祉会の余暇活動から生まれた、障害者が中心となって舞う郷土芸能・石見神楽。艶やかな衣装と迫力ある舞が織りなすステージは、伝統継承の新たな形と自己表現の可能性を鮮烈に提示し、観る者の心を揺さぶります。

②10月9日(木)17:00
「コンドルズ×ハンドルズ」 コラボレーションパフォーマンス

撮影HARU

彩の国さいたま芸術劇場芸術監督の近藤良平氏が率いる「コンドルズ」と障害者パフォーマンス集団「ハンドルズ」とのセッション。多様な身体が織りなす革新的なダンスステージです。

③10月10日(金)15:30
DJ OSSHY(オッシー)presents「インクルーシブ・ディスコ」

NHKはじめ様々なメディアで話題のDJ OSSHYによる、「ユニバーサル・ディスコ」の万博特別バージョン。障害特性を超えた車椅子ダンスやダンス・音楽・ファッションがクロスオーバーするパフォーマンスも融合した“全員主役”のダンスフロアを創出します。

●会場2:ギャラリー WEST 体験型プロジェクト(10月9日-11日)

・「 知 る 」
キュレーターの黒澤浩美氏(株式会社ヘラルボニーCAO)による展覧会「アバンギャルドですが、なにか」を開催します。同時開催で、障害のある人々の生活を助けたさまざまなプロダクツの中から、歴史的に広く受け入れられたアイテムの紹介もしていきます。

・「 手 に する 」
実際に使われているインクルーシブデザインを取り入れたグッズや出品作家の図録等を制作販売します。今年収穫したばかりの新米も販売予定です。

・「 満 腹 に なる 」
農福連携キッチンカーによるフードコート。障害者が関わる生産品は「表現」でもあります。丹精込めた食材を、2021年の国際スポーツイベントでアスリートの食事を支えたエームサービス株式会社の協力により“安全で美味しい”軽食として提供します。販売・調理の一部は障害のある方々が担当し、食を通じた交流を創出します。

・「 持 ち 帰 る 」:
万博での感動や出会いを心に刻み、多様な人々が共に生きる「未来社会のデザイン」を持ち帰ってもらうことを目指します。

■未来社会をデザインするフェスティバル

本フェスティバルでは、万博会場から日本の障害者による文化芸術を世界へ発信するだけでなく、能登半島地震で被災した北陸地域の復興支援プログラムも計画しています。

同連合会は「文化芸術活動を通じ、人々を地方へ誘致し、日本の奥深い文化と地域の魅力を体感していただきます」とし、「障害のある方々の“確かな存在”を伝え、共生社会の未来を示す4日間。ぜひご来場ください」と呼びかけています。

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佐藤 勇馬
この記事を書いた人

佐藤 勇馬

新宿・大久保在住のフリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にスカウトされて以来、芸能、事件、ネットの話題、サブカル、漫画、プロレスなど幅広い分野で記事や書籍を執筆。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など。 Twitter:ローリングクレイドル

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