不信心だけれども江戸三十三観音をめぐる。男の御朱印集めの旅~その九~

2018/01/02
南城与右衛門

2017年某日 江戸三十三観音めぐり…第九日目

毎月1回観音巡りをすると決めてから数か月……。夏の暑さにやられて丸ひと月サボってしまい、後ろめたさで(もう止めよっかな……)と心が折れる。でも、バチとか怖いしなぁ……と、信心無いくせにビビッて九日目を決心。本日は2か所だけと決め、手書きのご朱印を頂ける確認をとり出発。

という訳で、今回は21番目(札所第二十二番)と22番目(札所第二十三番)を巡ります。

 

長谷寺(札所第二十二番)港区西麻布

営団地下鉄・表参道駅下車。

歌舞伎町のバイオレンスと財布にダメージを与えてくる物理攻撃をメインとした街に対し、表参道は意識高く非おしゃれは道の端を歩けと言わんばかりの精神攻撃をしてくる街。

ケミカルな香料のいい香りのする区画を通り、看板の無い小じゃれた服屋を通り過ぎる。歌舞伎町で看板が無い店といえば、いかがわしいDVDを販売する店なので、きっとここも高そうな服と売っちゃいけないDVDを売る店なのだろうと思う。

精神攻撃に発汗が止まらぬまま歩くこと12分くらいで長谷寺(ちょうこくじ)に辿り着く。

近代的でおしゃれど真ん中の街にある違和感を感じながら門をくぐると……

掃除が行き届いている清潔な境内。近代的な技術で舗装されているのだろうが、雰囲気を壊さない程度の景観。どのお寺もそうだが門をくぐると異世界に来たような気持になる。

正面に大きなお堂。

門をくぐってすぐ右手に中くらいのお堂があり……

ご本尊が祀られているのは中くらいのお堂。中に入るとこれが言葉を失うほど圧巻。

高さ約10メートルという十一面観世音菩薩像。樟の一木造りで国内最大級なんだそう。おいそれと近寄れないような迫力と神々しさに戸惑いながら、距離を置いてお参りする。

そしてご朱印をいただく。

取り次いでくれた若いお坊さんは、徳の無い私に対してもにこやかに丁寧に接してくれて好印象だった。

 

梅窓院(札所第二十四番)港区西青山

長谷寺から歩いていけばそう離れていない距離ではあるが、過信すると迷うので表参道駅まで戻る。銀座線で1駅、外苑前駅。b1出口を出ると、目的地はすぐそこにあった。

大通りの青山通りに面した入口を示す寺号塔。街の雰囲気とは異にする竹に囲まれた参道。

約100mあろう参道を一歩一歩進むと、次第に静寂がおとずれ大都会にあることを忘れさせる。

このお寺は、非常に近代的で来た者に対してのフォローが手厚い。まず門をくぐると受付があり、目的を告げると丁寧に段取りを教えてくれる。

対応してくれたおねーさんにご朱印帳を渡すと、引き換え札としてこんな札を手渡された。趣がある。

そして本堂は……

近代建築である。私のお寺の概念を覆す佇まい。「IT社長の自宅です。」と言われても納得してしまいそう。

梅窓院によると、寺は昔、誰でも気軽に立ち寄れる場所としてあったが、現代、その存在感を失くしてしまったため平成に入り開かれた寺として再建したんだとか。

確かに、これまで巡ってきた寺然とした寺は、敷居が高いと言うか威厳がありすぎるというか近寄りがたい雰囲気はあるが、ここは受付のおねーさんを始め親近感がある。

さて、内観はというとこれも近代的でご本尊もえらい接近してお参りできた。

本日の観音巡りはこれにて終了。今回は、長谷寺の観音様の存在感や梅窓院の応対の丁寧さに感動を覚え、またお参りしたいと思えるお寺だった。10回目にして初めて清々しい気持ちを覚えた。

 

その十につづく・・・

 

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"情報番組や誰も知らない深夜番組、ラジオなどを構成したり、ソーシャルゲームのシナリオを書いたりする、いわゆる駄放送作家。友達はPC、恋人は二次元、恩師はあらゆる漫画、といった充実した人生継続中"

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