今年もまた、『三和交通タクシーで行く心霊スポット巡礼ツアー』がやってきます。
夏ツアーは計4本、今回は「東凍(とうきょう)」限定で、もの凄くやばい場所を廻るオールナイトコースを用意しているとのこと。抽選申し込み受付は、6月28日AM10:00からスタート。
詳しくは、三和交通タクシーHPをチェック!
(引用:https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/2018summer/)
当サイト「マガジンサミット」で、心霊スポット巡礼ツアーを取り上げるのは3度目。毎回、タクシー運転手さんの恐怖体験をいくつか載せているので、今回も少し紹介します。
最初のエピソードは、この三和交通タクシーの運転手さんの話。実は、“ミスター心霊タクシードライバー”と呼ぶべき方がいるそうです。名前は大槻幸太郎さん。これまで何度もメディアでインタビューを受け、その不思議体験が紹介されるほど。今年、ツアーに参加したとき、もし担当ドライバーが大槻さんだったらラッキー!?
想像もしない本当の恐怖体験に襲われる可能性もあります。
確認したいこと
~三和交通タクシー運転手・大槻幸太郎さんの話~
4年前の深夜、東京・八王子の道路を流していました。ある神社の前で20代くらいの女が手を上げていたので停車しました。乗ってきた女は、「運転手さん、確認したい場所があるんです」と言ってきました。
「は?」
普通は、行き先を告げるものですよね? でも確認したい場所があると言われて、どういうこと? と大槻さんは思いました。そして女はある交差点の名を言って、そこへ行ってほしいと。さほど遠くはない場所でした。
その交差点の近くに到着すると、女は「ここで待っていてください」と言って一端下車し、交差点の方まで歩いて行きました。そして5分ほどして戻ってきました。妖しげな雰囲気、思い詰めた感じ、ひどく落ち込んだ様子でした。
大槻さんは声をかけてみました。
「ここで事故にでも遭われたんですか?」
すると、衝撃の一言が返ってきます。
「私はここで交通事故に遭って死んだことが確認できました」
大槻さんは言葉が出ません。というか、何を言っているんだろうこの人という感じ。死んだことが確認できたって、あなたそこに座ってるじゃないか。
「乗った神社の前まで戻って欲しい」女はそう言ってきたので、大槻さんは車を走らせ来た道を戻ります。女は何も言わずずっと窓の外を眺めていたそうです。ようやく乗せた神社の前に到着。当然、料金を請求します。すると女は「今は払えない」といって大槻さんに小さな紙を渡してきました。
「母が必ず払ってくれるのでここを訪ねてほしい」、紙を開いて見ると、そこには住所と名前が書いてありました。そして、女は車を降り暗闇の中へ消えていったそうです。少し冷静になり、そして思いました。「あれはもしかして幽霊なのか?」
____そういえばおかしな事を思い出しました。女を乗せる際、自分の前にタクシーが2台走っていたのにまったく止まる気配すらなくスルーしていた。ドライバーに女の姿が見えていなかったのかも?
そこで、搭載していたドライブレコーダーを確認しました。所長に事情を話し、一緒に録画映像を見ると、確かに乗り込む女性の姿は映っています。しかし、少し影が薄い感じでぼんやりしています。
ところが、交差点に着いて女が一度下車し、戻ってくる部分になると・・・女の姿がない、女が映っていないのです。大槻さんが後方を向いて話しかけている音声は聴き取れるのですが、返ってきたはずの返事が音声にない。つまり、大槻さんは独りで話しているのです。
「おかしいだろ?!」大槻さんは、渡されたメモの場所へ行くのをやめたそうです。
____このエピソードについて、後日、某テレビ局が調査したところ、例の交差点では交通事故で4人亡くなっていて、その中の1人が女性。バイク事故で亡くなっているのですが、名前は渡されたメモにある名字とは違っていました。
「遊びに付き合わされたんだ」「霊のワケがない」と言う人もいますが、大槻さんはもう一度あの女を乗せるかもしれないと思いながら、あの神社の前を通るそうです。
残された者
~運転手Bさんの話~
「心霊体験じゃないんですけどね、こんなことがありました」。と話してくれました。
某テレビ局から深夜宅送で2人の男性を乗せました。2人ともディレクターで、自宅の方面が同じだから相乗りになったようです。Bさんは運転に集中していたそうですが会話は耳に入ってきます。この2人、夏の心霊特番を担当しているようで、ロケで心霊スポットに行ったときのことを話し始めました。
1人は、K県にある廃ホテルへ行った話。ロケ中に、タレントに霊が憑依して霊媒師がどれだけ頑張っても離れてくれなかった。姿は映らないけど、声がたくさん入っていて、あまりにもリアルなのでスタッフの声かと思った。「あれ、放送できるかな~放送しても逆に嘘っぽいかも」、そんな内容でした。
もう1人は、出ると噂が絶えない有名なトンネルにロケへ行った話。たくさん写真を撮ったそうで、そこには無数のオーブ(霊体と思われる光のような浮遊物)が写っていたり、またトンネルの奥でタレントが足を引っ張られたり、ロケ車ドアノブに血の跡がついていたり、ガチな事がいくつもあった。またそのトンネルは、車で走行中、誰もいないはずの後部座席に人が乗っていたというエピソードが絶えない場所だ、という内容でした。
Bさんは、こんなタクシーの車内で嘘の会話をするはずもないので、ああいう心霊ロケってウラでは本当に本当のことが起こっているもんなんだ・・・と思ったそうです。客1人が下車、そこは都内とはいえ郊外でした。もう1人の行き先は更にへんぴな場所です。そして、残った1人を降ろす間際、思わずBさんは本音を漏らしてしまいました。
「お客さん、ご自宅にご家族が待ってるんですよね」
「はい」
「私、お客さんが降りたら、ひとりなんですよね・・・」
都心へ戻る際の運転中、ミラー越しに後部座席は絶対見なかったそうです。
(ちょっと変化球な怖い体験談でした)
おじいちゃんだから・・・
~運転手Aさんの話~
今から10年くらい前の夏の出来事。
時計は夜の11時半。この日は深夜0時で上がる予定でした。乗せた男性の行き先は結構山深い自宅で、最後にいいお客を乗せたと上機嫌で山を降りました。あとは会社に戻るだけです。その道すがら、手を上げる男性と出くわします。
「これはラッキー」
山を降りるだけの道でお客を拾うとは、今日はついてる!と思って、その男性を乗せました。年は80歳くらいのおじいちゃんでした。乗ってきたおじいちゃんに行き先を聞くと、「矢嶋(仮名)さん家まで!」明るい口調でそう言いました。
Aさんは“知らねーし矢嶋さん家”と思いつつ、まあ、おじいちゃんだから仕方ない、と思い「おじいちゃん、矢嶋さん家ってどこらへんかな?」と聞き返しました。すると、「この上、もっと上なんだ」とのこと。
来た道を戻るのかよ~、と思いつつ、おじいちゃんだから、登り途中でタクシー捕まえられて嬉しいだろうし・・・と思って車を走らせました。おそらく、さっき降ろした男性の住宅地あたりだろうと思ったのですが、道の本線から逸れずもっと山奥深く登っていきます。
脇道が見えたところで、「ここでいいよ、矢嶋さん家、すぐだから」と言って、車を止めさせました。木が生い茂り、鬱蒼とした場所で、民家がある気配もないし、真っ暗で周囲に灯りもありません。おじいちゃんは料金を支払い「遠くまで悪かったね」と言って車を降りました。
「おやすみなさい」と声をかけると、ニコニコして暗闇の中へ消えていきました。
Aさんは、すぐに帰ってもよかったのですが、なんか気になったので、ちょっと待ってみることにしました。おじいちゃんだから、もしかしたらちょっとボケていて、場所を間違えたとか、あるいは用事が済んだら戻ってくるかもしれないと思ったからです。
しかし、10分以上待ってみてもおじいちゃんは姿を見せません。何も問題がないのならいいんだけど・・・もともと心配性なのもあって、車を降りておじいちゃんが消えていった方向へ行ってみました。
すると、そこには古びた家が一軒。林業などをしているから、こんな場所に住んでいるのかな? と思いつつ、表札を見ると「矢嶋」とあります。ああ、矢嶋さんで合ってる・・・
でもなんか変だぞ、自分の家なのに行き先を「矢嶋さん家まで」と言うかな? さらに、今帰ったばかりなのに家の灯りが点いていないのも妙だし。深夜の山奥、真っ暗とはいえ月の明かりレベルで周囲を見渡してみると、玄関周りがひどく汚れていて、なんだか人が住んでいる生活感がない、廃屋みたいだ。
「ちょっと怖い」
Aさんは引き返して車を動かし会社へ戻りました。翌日、どうも胸に引っかかったので警察に電話し、夜中におじいちゃんを山奥で降ろした件を話してみました。すると、数時間後に警察から連絡が入ります。
あの家から、白骨化した遺体が見つかったそうです。死後、ひと月ほど経過しているとのこと。さらに後日、詳しいことが判明して、亡くなったのは一人暮らしだった家主のおじいさんで、いわゆる孤独死でした。
Aさんは絶句しました。もしかしたら、死んでいたおじいちゃんを乗せたのか?そして見つけてほしいと訴えたのか? いや、考えすぎで、乗せたじいちゃんは生身の人間でどこかへ歩き去ったのか? あの顔ははっきり覚えているけれど確認する勇気はなかったそうです。