7月18日、第 159 回芥川賞が発表され、高橋弘希さんの「送り火」(「文學界」2018 年 5 月号掲載)が選ばれました。
「送り火」は青森が舞台。東京から転校してきた主人公の少年はクラスメイトのいじめに触れるが、自分は平穏な日々を送るため関わろうとしない。しかしラストには予想もしない急展開を迎えるというストーリー。田舎の風景、風習や、思春期の少年の残虐性や心理描写を描いた作品になっています。
著者の高橋弘希(たかはし ひろき)さんは、1979 年生まれで青森県十和田市出身。2014 年、「指の骨」で新潮新人賞を受賞しデビュー。その後の作品には「朝顔の日」、「短冊流し」、「スイミングスクール」、「日曜日の人々(サンデー・ピープル)」などがあり、今回の「送り火」を含め、4度芥川賞候補に選ばれています。
芥川賞は、小説の中でも純文学の新人に与えられる文学賞で、正式名は芥川龍之介賞。文藝春秋社を設立した菊池寛が、友人の芥川龍之介の名で1935年に創設した賞で、年に2回の発表があります。過去の受賞者には第34回・石原慎太郎さんの「太陽の季節」、第130回・綿矢りささんの「蹴りたい背中」、第153回・又吉直樹さんの「火花」などがあります。