読み手の心を掴んで離さない雑誌の見出し。思わずビビッとくるコトバに誘われて雑誌を購入してしまう人も多いのでは。さて、このほど一般読者が審査員となって選ぶ「見出し語大賞2018」が開催。300誌以上の雑誌の中から選出された、渾身の作品をご紹介します。
BAILA、Oggiなどのファッション誌が強い!
ノミネートされたのは50作品。「うまい!」と感心するものから、トレンドを鋭く切り取ったものまで様々な見出し語が並びました。
まず、銅賞に選ばれたのは、アラサー女子から絶大な人気を誇るファッション誌Oggi(オッジ/小学館)の2018年12月号から、「今、私たちがデートするなら・・・王子様よりOJI様と♡」でした。
非常に品のあるダジャレですね。世の中年男性は、2種類いると思います。「おっさん」と「OJI様」。おっさんは道に唾を吐いたり、飲食店で暴言を吐いたりする人。一方、OJI様は年を重ねるごとに大人の円熟味が増した存在、といったところでしょうか。お金持ちの「紳士」とはまた違う親しみやすさや包容力があるOJI様とは、確かに王子様よりデートしたいのかも。
銀賞はちょっとマニアックな家庭菜園誌、野菜だより(学研プラス)の2018年11月号、「わがままな甘えん坊、エンドウの育ちを助けるのはムギとルッコラ!」です。
エンドウが擬人化されているところに感心しますね。そもそもマメ科は育てやすい優等生ばかり。しかし、エンドウは生育が難しいらしいです。そんな手間がかかるエンドウを上手に育てる方法が、ズバっと紹介されています。とても野菜愛に満ちた見出しです。
ほ、ほっぱい触りたい
金賞は「ぽちゃティブな夏真っ盛り!最旬Swim Style」です。これは日本初のぽっちゃり女子のための本格ファッション誌、la farfa(ラ・ファーファ/ぶんか社)2018年7月号。ぽっちゃりとポジティブを掛け合わせた造語を使い、ぽっちゃり女子にはハードルが高いと思われた夏のファッションを前向きに考える、明るいメッセージですね。
さて、いよいよ大賞の発表です。栄えある大賞に選ばれたのは「ほっぺは顔のおっぱいだから#ほっぱい美容」でした!これは2018年3月号のBAILA(バイラ/集英社)に掲載されたもの。この号の表紙は中村アンさんです。
いや、ほっぱいって。ほっぺもおっぱいも好きです、自分。なるほど、顔の印象を作るほっぺは、おっぱいと同じくらい大事だと。ほっぺは滑らかさ、ハリ、ボリューム、そして筋肉も必要。確かにおっぱいに似ています。ハッシュタグに「ほっぱい美容」なんて、すごく今風な見出し。何より“ほっぱい”という造語に拍手しかありませんよ。