クリスマスパーティから忘年会、新年会まで会食シーズンが到来! そんな宴会では人それぞれ、行動や傾向に違いが出てくるものです。近年は研究が進み、遺伝子タイプによって人の傾向がわかるようになっています。
今回はユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのデータを用いた都道府県別のあらゆる項目のランキング結果の中から、宴会や会食にまつわるランキング結果をご紹介します。
お酒に強い遺伝子タイプが多い都道府県TOP3は「青森、沖縄、岩手」
宴会といえば、お酒。お酒といえば、飲みすぎたり、飲む種類によっては二日酔いになることもありますよね。実は遺伝子タイプによって、二日酔いになりやすさが違うのだそう。
アルコールの分解に関わるALDH2(アルデヒドデヒドロゲナーゼ)という遺伝子に存在する遺伝子型を、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータにて分析。そしてお酒を飲んでも二日酔いになりにくい遺伝子タイプの多い出生地の都道府県別ランキングが発表されました。
結果はこちら。
青森県、沖縄県、岩手県に二日酔いになりにくい、つまりお酒に強い人が多いことがわかりました! 上位10位には東北地方が多くランクインしており、沖縄が唯一、南部からランクインしています。
青森や岩手などの東北地方では、お酒を愛する人が多いとはよく耳にしますよね。
お酒の消費額で見てみましょう。「家計調査」では2021年(令和3年)~2023年(令和5年)の3年間でどのくらいお酒が消費されたのかがわかります。
「酒類」の消費額のTOP3
1位 青森市 58,853円
2位 新潟市 58,717円
3位 盛岡市 56,963円
「清酒」の消費額のTOP3
1位 秋田市 9,223円
2位 新潟市 8,394円
3位 仙台市 8,072円
「ビール」の消費額のTOP3
1位 青森市 16,329円
2位 盛岡市 15,131円
3位 新潟市 14,707円
やはり東北は消費量が多いことがわかります。お酒に強いからこそ飲む量も増えるとすれば納得がいきますね。
逆に、最もお酒が強くない遺伝子タイプは、47位の奈良県、46位の岐阜県、45位の和歌山県という結果に。心当たりがある人はいますか?
カラオケで高得点がでやすい遺伝子タイプが多い都道府県TOP3は「山口、鳥取、埼玉」
続いては、宴会の2次会などで定番のカラオケ! 歌が上手いと、宴会では注目の的になれますよね。カラオケの採点機能を使って競い合うこともあるでしょう。
ユーグレナ社が、遺伝子解析などのサービス利用者を対象に行ったアンケート調査の結果をもとに分析したところ、「カラオケで高得点がでやすい」遺伝子タイプが判明したのだそう。
その結果がこちら!
山口県、鳥取県、山形県がTOP3となりました! これらは歌が上手い県ということなのでしょうか? これらの県での忘年会や新年会のカラオケ大会にはぜひ参加してみたいですね。
食べ過ぎてしまう傾向が高めの遺伝子タイプが多い都道府県TOP3は「山梨、香川、富山」
さて、会食シーズンといえば、お酒と共にごちそうも目白押し。無礼講とあって、ついつい食べ過ぎてしまうことも……! 実は、遺伝子タイプによって、食べ過ぎ傾向に違いがあるのだのだそう。
「食事に対する自制力」という観点から、食べ過ぎの傾向が高めのタイプを特定。出生地の都道府県別にランキングが公開されています。
TOP3は、山梨県、香川県、富山県でした! 上位の傾向として、TOP10に日本海側の7県が入りました。47都道府県すべてのランキングでは、西日本エリアが上位に多い傾向となっています。
日本海側は、全国的にも海の幸が豊富で美味しいものがたくさんあるイメージがありますよね。また西日本といえば、関西から九州、四国まで食道楽のイメージがあり、旅行に行ってもついつい食べ過ぎてしまう人も多いのでは。宴会でも美味しいものが目白押しで、より自制力が低くなってしまうのかもしれませんね。
また、食べ過ぎてしまう傾向が高めのタイプは、「苦味を感じにくい」タイプの人でもあるとのこと。苦味を感じにくければ、確かに食が進みやすいのかもしれませんね。
哲学的な深い話を好む遺伝子タイプが多い都道府県TOP3は「奈良、滋賀、香川」
宴会では、美味しいお酒やごちそうを囲んで、語り合うのが楽しみの一つ。その話題は宴会や参加者によってまったく変わってきます。
なんと、遺伝子タイプは「好む話の内容」にも関係していることが判明!
アンケート調査での「浅い冗談話よりも、どちらかといえば哲学的な深い話を好む方ですか?」という問いにより得た回答をもとに遺伝子タイプを解析したところ、ある遺伝子型に「哲学的な深い話の好みやすさ」と統計的に有意な関連があることを発見したのだそう。
その遺伝子型の人の割合を、都道府県(出生地)で分けて出されたランキング結果がこちら!
TOP3には、奈良県、滋賀県、香川県がランクインしていました!
逆に浅い冗談話のほうを好むのはどこなのでしょうか? 47位の秋田県、46位の沖縄県、45位の青森県がその傾向があると考えられます。
青森県はお酒に強いランキング1位だったので、宴会ではお酒を飲みながら、浅い冗談話をして楽しむのでしょうか。実際のところを確かめてみたいですね。
遺伝子タイプによるランキング結果、いかがでしたでしょうか。これらの結果自体、宴会の話のネタの一つになりそうです。ぜひ使ってみてくださいね。
二日酔いは予防できる? 事後対策もチェック!
ところで、お酒を飲めば、誰もが二日酔いになるリスクはあるものです。そこで二日酔いを予防するため、そして二日酔いになってしまった後の対策について、済生会横浜市東部病院 患者支援センター長で、東京医療保健大学大学院医療保健学研究科客員教授 医学博士の谷口英喜先生監修のもと、ご紹介します。
●飲酒の前後は魚介類がおすすめ!?
魚介類に多く含まれるアミノ酸の一種である「タウリン」という成分は、肝臓の解毒作用を助けることがわかっています。
10年以上毎日27gエタノール(アルコール)を摂取している36~48歳の男性5人に、アルコール摂取1時間前・1時間後にタウリン(20 mg/kg 体重)を摂取させた実験では、アルコール摂取1時間後には血中アルデヒド濃度が低下していたそう。さらに2時間後、4時間後に確認してもさらに低下していたことがわかっています(Res Commun Subs Abuse 1985; 6(4): 247-250.)。
アセトアルデヒドはアルコールの分解過程で生じる有害物質で、二日酔いの原因物質といわれていることから、二日酔いを早くおさめるためには、できるだけ早く分解されることが大切です。
飲酒の前後には、魚介類などのタウリンを含む食品を積極的に摂取することで、二日酔いの軽減が期待できます。お酒を飲んでいる最中のおつまみも、魚介類を選ぶことで二日酔いになりにくいといえるのです。
飲酒の機会のある前後には、しじみに含まれるタウリンやオルチニンが肝臓の解毒を助ける「しじみ汁」や、鮭に含まれるタウリンとタンパク質が代謝を促進する「鮭の塩焼き」などを取り入れましょう。
また「卵かけご飯」などの卵を摂取するのもおすすめ。卵に含まれるメチオニンという物質は、肝臓内で強力な抗酸化物質としてアセトアルデヒドの解毒を助けるグルタチオンの生成を助けてくれます。
もちろん、一般的に知られているように、飲酒の前後には十分な水分補給を心がけてください。そして飲みすぎることは身体に害を及ぼすリスクが高まるため、健康に配慮した適度な飲酒を心がけるようにしましょう。
【参考】
「お酒に強い遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」(https://www.euglena.jp/times/archives/18029)
総務省統計局「家計調査」(https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html)
「カラオケで高得点がでやすい遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000639.000036462.html)
「食べ過ぎてしまう傾向が高めの遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」(https://www.euglena.jp/times/archives/19486)
「哲学的な深い話を好みやすい遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000650.000036462.html)