そろそろ年末年始の帰省シーズン。電車で帰省という方も多いのではございませんでしょうか。なかでも、小さい子供を連れての電車帰省は大変でございます。
一方、子供はそんなことはお構いナッシング!電車旅にワクワクウキウキでございます。みなさまも、ご記憶におありではないでしょうか。親は大変でも、子供にとっては思い出に残る楽しい電車旅なのでございます。
そこで、その楽しい旅をさらにグレードアップ!お子様の電車に乗るモチベーションをあげるのにオススメなのが電車絵本でございます。ご存知の方も多いと存じますが、昔から乗り物絵本、電車絵本は、たくさんございます。ネットで調べれば、名作、ロングセラー絵本が続々でございます。
しかし、今回ご紹介するのは、ここ約1年の間に出版された新しい作品で、大人も一緒に楽しめる絵本でございます。お子さんだけでなく、若い親御さん、さらには絵本に興味をお持ちの大人の方に是非、読んで頂きたい絵本でございます。「最近の絵本って、こんななんだ」と絵本の魅力に是非触れて頂ければと…。
まずは、こちら。
「いきもの特急カール」(作・絵:木内 達朗 出版社:岩崎書店)
絵のクオリティがゴイスーでございます。大人が何度も読める、眺めていられるクオリティでございます。いわゆる昔からある日本の絵本とは一線を画しております。海外絵本ぽいです。それもそのはず…。
作者の木内様は、ニューヨーク・タイムズのイラストレーション、さらに、ペンギン・ブックスの書籍装画など、海外で高い評価を得ているイラストレーターでございます。ボローニャ国際絵本原画展入賞など、絵本や挿絵も手掛けておられます。
そんな木内様が描いている絵本の中の風景も要チェックでございます。車窓から見える風景、絵本の見返し部分に描かれている地図と照合しながら楽しんで頂きたいのでございます。「ああ、ここを今、走っているんだな」と楽しみながらも物語を楽しめるのでございます。これ以外にも、様々なところに木内様のこだわりがちりばめられております。目を皿のようにしてお楽しみください。
物語はというと、近未来の設定で、主人公のカールは客車を引っ張る不思議な生き物。機関車トーマスの次世代版とうイメージでございます。そのカールが、山崩れで閉じ込められた人々の救出を依頼されるというストーリーでございます。そして、もう一冊。
「わくわく!れっしゃでかぞくりょこう」(文:サトシン 絵:羽尻 利門 出版社:交通新聞社)
こちらは、交通新聞社の絵本でございます。実は昨今の絵本ブームからか、ここ数年、すごいペースで人気絵本作家様が電車絵本を出されております。そんななか、今年出版された大人が楽しめる電車絵本がこちらでございます。こちらは、物語が今風で、若い親御さん、大人も楽しめるのではないかと。
文を担当しているサトシン様は、あの名作「うんこ!」をはじめ、数々のナンセンス絵本で数々の賞を受賞されております。大人のファンが多いことでも有名でございます。
今回の作品は、4人家族が列車に乗って旅行に出かける物語。駅のホーム、駅弁、鉄橋、車窓、…と、子供がワクワクする電車旅シーンが満載でございます。そして、なんだサトシン様にしては、普通の電車絵本だったなぁと思っていたら、…というお話でございます。
2作品とも、大人も楽しめて、お子様が電車旅のモチベーションがあがること間違いナッシングな絵本でございます。是非、年末年始の帰省前にチェックして頂ければと存じます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)