後遺症だけじゃない…コロナになって分かった一番の恐怖

2021/09/09
桃倉もも

コロナ禍での生活も1年以上、コロナ慣れという言葉もでてきました。1年前と比べると、コロナに対する対策や治療法も確立し始め、今やコロナは未知の病ではなくなりつつあります。中にはコロナを恐れず、緊急事態宣言下にも関わらず外出したり、路上で飲んで騒ぐ若者の姿も珍しくありません。しかし、この病気は他の病気とは違います。後遺症もそうですが、コロナになって一番恐ろしいものは何なのか。実際にコロナになってコロナの恐怖を感じた人に話を伺いました。

・復帰後の周りの目

建設会社で働くTさん(45歳・男性)はコロナにかかり、会社を2週間ほど休みました。体は徐々に回復し、後遺症も残らず会社に復帰した際に待ち受けていた現実が一番の恐怖だと語ります。

「出張先で一緒になった後輩からもらい、コロナになりました。ショックでしたが誰を責めることもできず、会社を2週間ほど休みました。後遺症もなく会社に復帰できたのですが、コロナ前とはあきらかにみんなの様子が違いました。

もう、コロナは治っているというのに年齢の高い女性社員は明らかに僕を避けました。男性社員からは“どうせ出張先でキャバクラでも行ったんだろう”との声も。2週間会社を休んだことは大きく、特に連絡もないまま僕は以前取り組んでいた案件からは外されていました。

コロナよりも怖かったのは、周りの目でした。僕は何も悪いことはしてないんですよ。コロナを移した部下を責めたりせず、病気になって休んでいる間に僕を取り巻く環境は大きく変わりました。未だに会社では陰口を叩かれています。噂が大きくなり今やコロナになった原因は不倫相手の若い女の子だと。僕は不倫なんてしたことないのに……。本当に人って恐ろしい」

・変わってしまった恋人

大学生のAさん(22歳・女性)は感染経路不明、飲食店、もしくは公共交通機関でコロナに感染。ほぼ無症状。何事もなく復帰できると思いきや、コロナになった後の彼女を取り巻く環境の変化とは……。

「実家に帰省する前にPCR検査キッドを受けたら陽性だったんです。ほとんど症状はなく、陰性に問題ないと思ってたら陽性でした。保健所に連絡し、思い当たる節もないので感染経路不明、濃厚接触者は3日前に食事に行った恋人のみ。

恋人に急いで連絡、すると「ふざけんじゃないよ!なんでコロナになんだよ、誰から移ったんだよ、何してだんだよ」と物凄い勢いで怒鳴られました。

彼にこんなにも怒鳴られたのはその時が初めてでした。普段は温厚な彼、しかし私がコロナになって彼は変わってしまいました。

濃厚接触者となった彼は会社を休むことになり、その不満を私に毎日のようにぶつけました「休んだぶんの給料どうすんの?お前保障してくれるよね?」「てか誰から移ったの?どうせ男、浮気でしょ」この繰り返し。私は、まだ彼のことが好きだったので、会社を休んだ分のお金はなんとかすると謝り続けました。

一週間ほど、彼とは同じようやり取りが続き、精神的にもストレスに感じ友達に相談。すると「そんな彼氏最低!絶対お金は払っちゃだめだよ」と言われ、そこでやっと我に返りました。

彼から連絡は続いたものの、すべて無視。引っ越したばかりだったのでうまく彼から逃げることができましたが、彼を変えてしまったのはコロナ以外何者でもありません。一人暮らしの彼、コロナの濃厚接触者になり1人で自宅待機をしている中、精神的にもまいってしまったのでしょう。人を短期間で変えてしまうコロナは、症状や後遺症よりも恐ろしいものだと感じました」

コロナよりも、もっと恐ろしいものがあると語ってくれたTさんとAさん。これは実際にコロナを経験した人にしか分からない苦しみです。この苦しみは一生消えることがないでいでしょう。コロナは思いもよらないところに影響を及ぼします。世間ではコロナ慣れなんて言われていますが、コロナにかからないのが一番! 不要不況の外出を控え、手洗いうがいをこれからも徹底させていきましょう。

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この記事を書いた人

桃倉もも

中央大学卒。複数のメディアでライター経験あり。現在は不動産系メディアで投資を学んでます。

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