M-1ファン必見!ボケとツッコミの文化はスウェーデンにも……

2019/10/08
N田 N昌

先日、「キングオブコント2019」(TBS系)が「もしかしてだけど~♪」のどぶろっく優勝で盛り上がっておりましたが、この次は12月の「M-1グランプリ」でございます。もう、「〇〇が1回戦突破した」等のニュースがネット上では飛び交い始めております。相変わらず、お笑い芸人人気は全盛を誇っております。

親御さまの中でも、特に関西の親御さまの中には、「子どもを芸人にしたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。芸人ならずとも、楽しい会話のできる大人になって欲しいと願っている親はかなり多いはずでございます。出世にも不可欠でございます。

そんな大人に、笑い芸人に育つべく、幼い時から笑いのセンスを磨く英才教育を実施されてみてはいかがでございましょう。外国語会話も幼い頃からの方が効果的と言われております。そんな英才教育にお薦めの絵本が、こちら。

「うっかりおじさん」(作:エマ・ヴィルケ 訳:きただい えりこ 出版社:朔北社)

最近日本で出版されたスウェーデンの絵本でございます。スウェーデンの優れた絵本に贈られるエルサ・ベスコフ賞受賞作でございます。

内容はというと、うっかりものの上品なおじさん(紳士)が、家を出かけるまでの珍騒動でございます。出かける準備をするのですが、うっかり〇〇していて、なかなか外出できないというお話でございます。ここまで聞くと、ありがちな展開だなと思われる方も多いかもでございます。

実はこの絵本、ちょっと変わった一人称スタイルで、展開いたします。主人公の紳士が、読者に話しかける形式でお話が進んでまいります。眼鏡をうっかりした紳士が「眼鏡を見なかったかい?」というふうに……。

勘のよい方、お笑い通の方なら、もうお気づきかもしれませんが、そうなのです。

読者が、ボケたり、ツッコミを入れながら楽しめる絵本なのでございます。

この絵本を読んでいると、この絵本のうっかりおじさんが、実力派漫才師ナイツの塙(はなわ)さまに見えてまいります。

たぶん、スウェーデンには、日本漫才のボケ・ツッコミの文化はないはずでござます。作者のエマ・ヴィルケのプロフィールを確認したところ、日本に滞在された経験もないようでございます。

ちなみに、エマさまは、ストックホルム在住の絵本作家でイラストレーター。

コラージュを使ったユーモアあふれる作品を多く手がけるなど、子供から大人まで幅広い世代に人気がある作家さまのようでございます。

作者は、きっと(間違いなく)日本漫才のボケ・ツッコミの存在を知らないで、この絵本を描かれております。そう考えると、日本人とスウェーデン人の笑いのツボは近いものがあるのではないかと。そんなことも考えてみたりいたします。

遠く離れたスウェーデンで日本のボケ・ツッコミ文化が、知らず知らずの間に存在している…、素適でございます。奇跡でございます。ナイツのスウェーデン進出も期待したくなるのでございます。

お笑い通の方、お子様をお笑い芸人にとお考えの親御さま、こちらの絵本を一度お試しくださいませ。大人も楽しめるユーモア絵本でございます。

「うっかりおじさん」、“ヤホー”で検索してみてくださいませ。

(文:絵本トレンドライター N田N昌)

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この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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