ラッキースケベは、本当に“ラッキー”なのか? その反証可能性に迫る…

2016/12/14
南城与右衛門

“角を曲がったら女の子とごっつんこ。倒れた拍子に手が女の子の胸に…”

 

これまでの人生、一度も体験したことがないし、経験談も聞いたことがない。このような不意に舞い降りた奇跡体験を『ラッキースケベ』というらしいのです。初出はアニメらしいですが、こういった名称が無かっただけで、古くから少年の下半身をがっちりつかむ偶発的な事故は、様々な創作物で描かれてきました。

 

しかしこういったことに直面したら「ラッキー」などと思えるでしょうか? 今回はラッキースケベが幸運なのか不運なのかについて、お話ししたいと思います。

主なラッキースケベの事案

 

先に挙げた一例ではピンとこない方もいらっしゃると思いますので、いくつか事案を上げてみます。

 

・風のいたずらでスカートがめくれ下着が露わになる

・女性が屈んだ拍子に胸元の渓谷が露わになる

・電車、バスなどの急ブレーキにより、女性の胸が肘に接触する

・お隣さん、同級生の家に届け物をした際に、女の子が無防備な姿で登場する

・教室、部室に入ったら、女性陣が着替えをしていた。

・女子同士の戯れで、男の目を一切気にせずスカートめくりをしたり、胸を揉みあっていたりする絶景

 

以上が分かりやすい事案でしょう。これらと一線画し考えねばならないのが、「階段で不意に見上げたら下着が見えた」「重い物を受け渡すとき手の甲が胸と接触した」などです。これをラッキーと捉えるのは、浅はかで、階段で先に女性が歩いている、荷物を女性が持っているというのはすでにスケベフラグが立っています。

 

つまり「そうなる可能性がある」というのが経験則や未来予測で成り立つのものはラッキーではありません。むしろラッキーの笠を着た欲望でしかありません。

 

これらは狙い撃ち、人為の介在がみられるため除外されます。また、そのようなシチュエーションを度々繰り返すと意図がバレ、白い目で見られるようになるため気をつけましょう。中には公共の場での授乳シーンを目撃しラッキースケベと捉える方もいますが、それは人でなしです。厚意の無視をすべきです。

 

ラッキースケベにおけるラッキーの反証可能性

 

では、上記のハプニングは本当に「ラッキー」といえるのでしょうか? これは陽キャラおしゃれ軍にとっては文字通りに捉えるのでしょうが、陰キャにとってはいささか違うようです。

 

繊細な自意識を持つ者が多い陰キャは、仮に下着が見えたとしても、「見たと思われたくない…」「見た俺をキモいと思ってるんだろうな…」と思い、また接触系のケースでも「タイホされる…」「急ブレーキに乗じてハレンチ行為をしたと思われる…」など、思考を巡らすため、面倒な童貞マインドのせいでラッキースケベを楽しめないことが多いといいます。

 

中にはスケベに遭遇したとしても「下着が見られるポジションを知っていて、いつもそこにいるキモい奴と思われたら嫌だ…」という『思われていたらどうしよう症候群』に苛まれ、その場を離れることもあるそうです。つまり、ラッキーがラッキーになりえていないのです。このような反証可能性については事項にも続きます。

 

“アン”ラッキースケベの存在証明

「エッチだ…」と思えるシチュエーションでも、シンプルに楽しめない紳士もいることは分かっていただけたと思います。そしてラッキースケベのシチュエーションに見舞われながらも、「アンラッキーだ」と思ってしまう事案も相当数存在します。例えば…

 

・家族団らんの場で見るテレビのラブシーン

・顔面偏差値が著しく低い方

・老齢の方

 

などがあります。。

特に老齢の方は、こちらが戸惑うほど、「まさか…」という意味で二度見してしまうほど、無防備な姿で外出するケースが多く、遭遇率ははぐれメタルより高いにも関わらず、逃げないためこちらが配慮せねばならないという本末転倒なエンカウントになりえます。もちろん老齢の淑女を嗜好される方もいらっしゃるのでその限りではないのですが。

 

一連の事象を鑑み、偶発的に起こるラッキースケベの多くは決してラッキーではないのです。以上が反証可能性です。

 

まとめ…

 

では、ラッキースケベとは何なのか? これを考察するに一つの結論が導きだされました。それは「ラッキー元(もと)が気付いていない」スケベが、真ラッキースケベではないかということです。

 

先に挙げた例「風のいたずらで下着が露わ」というものですと、被ラッキー側が見ていたとしても、ラッキー元の女性が、被ラッキー側の存在を認識しておらず、見られたことに気付いていなければ、お互い気まずさも恥ずかしさもないwin-winになるのです。なかなか難しい発生条件ですが、元も被も有意義なラッキースケベ体験をしたいものです。

 

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この記事を書いた人

南城与右衛門

"情報番組や誰も知らない深夜番組、ラジオなどを構成したり、ソーシャルゲームのシナリオを書いたりする、いわゆる駄放送作家。友達はPC、恋人は二次元、恩師はあらゆる漫画、といった充実した人生継続中"

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