【ストリートリーグ2023シドニー】西矢椛3位!大接戦を制したのはクロエ・コベル&大歓喜の涙を見せたフェリペ・グスタボ

2023/10/10
放送作家 小嶋勝美
 
 
 
 
 
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世界最高峰のスケートボードコンテスト、ストリートリーグ“Street League Skateboarding(通称SLS)”が10月7日にオーストラリアのシドニーで開催され、女子はオーストラリアのクロエ・コベル(13歳)が8月の東京大会に続き連覇、西矢椛(16歳)が3位で表彰台に上がった。

クロエ・コベルは、ラインで8.9点の高得点を出し首位でシングルトリックに進むが、シングルトリック2本を立て続けにミスしてしまい、優勝するには後がなくなってしまう。

しかしここから驚異の集中力を見せ、3本目4本目5本目で立て続けに高難度トリックを成功させる。

7.5点を出せば首位に立てるラストトリックの局面で、9段ハンドレールでフロントサイド50-50グラインド キックフリップアウト(トラックと呼ばれる車軸部分でレールを滑り降り、デッキを縦に1回転させてから着地する技)を成功させ、この日女子では唯一の9点台を叩き出して優勝を飾った。

 
 
 
 
 
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※根附海龍9.4点のラインinstagramより

男子はブラジルのフェリペ・グスタボ(32歳)が悲願のSLS初優勝。日本勢は前回の東京大会を制した堀米雄斗(24歳)が5位、根附海龍(ねつけかいり20歳)が6位に入賞した。

今回のシドニー大会はSLSルーキーの根附海龍が大活躍だった。まず前日に行われたセレクトシリーズ(今大会ノックアウトラウンドに出場するための予選大会)に出場し、初出場にも関わらずラインで9.4点を叩き出す。

その後のシングルトリックでもヒールフリップ(かかとを使い空中でデッキを1回転させる技)からのトリックを次々と決め、見事1位でノックアウトラウンド(決勝に進むための予選)出場権を獲得。

翌日に開催されたノックアウトラウンドの第1グループで登場すると、前日の勢いそのままにグループトップで決勝の舞台に進んだ。

8月のSLS東京大会で準優勝の池田大暉(17歳)は根附と同じノックアウトラウンド第1グループに登場。ナインクラブを含む好成績をあげたが、同組に出場の根附海龍に次ぐ2位で決勝進出とはならなかった。

決勝では根附が予選ラウンドでも見せた驚異のラインを成功させ、9.4点を獲得。

首位でシングルトリックに臨む。

「セレクトシリーズから勝ち上がってそのまま優勝もあるのでは!?」という勢いを見せていたが、残念ながらシングルトリックを5本全てミスしてしまい、決勝6位に終わった。

しかし前日から相当な緊張感の中、決勝の舞台まで勝ち続けた姿はとてつもない結果であり、最高の結果を残しての6位だと言える。

 
 
 
 
 
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※堀米雄斗9.4点のシングルトリックinstagramより

前回大会の優勝者である堀米雄斗はシードで決勝から登場。

ラインで9.2点、シングルトリックではノーリーバックサイド180ノーズグラインドからの180アウトで9.4点と2本のナインクラブを出していながらも、途中からレールに嫌われてしまったのか2本目以降は全て外し、残念ながら5位に終わった。

しかしながらこちらも、根附同様に9.4点という高得点を出しており、この日の最高得点は日本勢の2人が叩き出した。

【セレクトシリーズ・シドニー大会の結果は】

 
 
 
 
 
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大会前日にセレクトシリーズ(今大会ノックアウトラウンドに出場するための予選大会)が開催され、日本からは今年7月に行われたジャパンストリートリーグ“Japan Street League(JSL)”の第2戦を制した根附海龍がセレクトシリーズ出場の切符をつかみ取っての出場。

他には青木勇貴斗(20歳)、上村葵(14歳)が出場した結果、根附海龍と上村葵が優勝。2人は見事SLSノックアウトラウンドに出場し、根附は前述のとおり決勝6位。上村はノックアウトラウンド5位で今大会を終えた。

【SLS 2023のルールと仕組み】

 
 
 
 
 
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2023年のSLSは45秒間自由にコース内を滑走するラインを2本と、コース内の自由な場所で1発技を行うシングルトリックを5本行い、最終的にラインとシングルトリック上位4本の合計得点で順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。

※ラインのスコアは最大でも1つのみのカウントとなり、前年までのように必ずカウントされるわけではないため(前年はライントリックが最終スコアに必ず1本カウントされた)ラインをミスしてもシングルトリックで逆転が可能になった。

※9点台の得点はナインクラブと呼ばれ、賞賛される。

判定は「達成度」「難易度」「多様性」「独自性とスタイル」こちらの要素を基準とした総合的な判断により行われ、5名のジャッジが10点満点方式で採点。1つのトライに対して、最高得点と最低得点を除いた3つの得点の平均点で得点が算出される。

男子はKNOCKOUT ROUNDと銘打った予選から開始され、20名のスケーターが4つのグループに分かれて参戦。

※前回8月12日に行われた東京大会男子優勝者の堀米雄斗はシードで決勝からスタート

各グループの勝者と、グループ勝者を除いた全体のトップが決勝に進出。

女子は前回(東京大会)表彰台のクロエ・コベル、西矢椛、ロース・ズウェツロートの3人はシードで決勝からスタート。残りの5名で予選ラウンドが行われ、上位3名を合わせた6人で決勝が行われた。

今後は総合優勝を決める最終戦、スーパークラウンが12月2日~3日にブラジルのサンパウロで開催される予定で、堀米雄斗がまだ手にしていないスーパークラウンのトロフィーを獲得できるかどうか、注目の一戦となる。

【今大会日本勢唯一の表彰台・西矢椛】

前回大会2位の西矢はシードで決勝に登場。

ライン2本目でフルメイク(ミスなく滑りきること)の滑りを見せ6.0点を獲得し、全体4位でシングルトリックに臨む。

以下、西矢のシングルトリック[]はセクション名。

1本目[ギャップtoレッジ]バックサイドスミスグラインドを決めて6.7点

2本目[9段ハンドレール]ビッグスピンフロントサイドボードスライドを決めて7.0点

3本目[9段レッジ]バックサイドK(クルックド)グラインドからノーリーヒールフリップアウトを狙うがミス。

4本目[9段レッジ]バックサイドK(クルックド)グラインドからノーリーヒールフリップアウトをミス。

5本目[9段レッジ]バックサイドK(クルックド)グラインドからノーリーヒールフリップアウトをミス。

 

最後のKグラインドからノーリーヒールフリップアウトを決めきれなかったのは残念だったが、今大会日本勢で唯一、表彰台に上がる活躍を見せてくれた。

 

SLS2023シドニー大会の映像

【フェリペの歓喜から見えるスポーツの醍醐味】

 
 
 
 
 
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今大会男子決勝進出者の中で最年長32歳のフェリペ・グスタボが念願のSLS初優勝を飾った。

8.5点以上を獲得すれば優勝という最終局面でフェリペが選んだトリックは、ノーリーキックフリップ フロントサイドノーズスライド(通常とは反対側の足を蹴って飛び上がり、デッキを1回転させてからデッキの先端で滑り降りる技)。

これを見事に決めた瞬間、ナイジャ・ヒューストンや優勝争いをしていたダショーン・ジョーダンまでもがフェリペに駆け寄り優勝を称え、会場中が歓喜の嵐に包まれた。ノックアウトラウンドを通過した時点ですでに涙を流していたフェリペだったが、優勝トロフィーを手にした時にはその涙は号泣に変わっていた。

それほどまでにSLSの優勝トロフィーというのは価値があり、スケーターにとって最高の栄誉なのである。そして、見ている誰もが心の底から「おめでとう」と言っている、スケートボードの魅力が詰まりまくっていた大会だった。

 

スケートボードをスポーツと言い切ってしまうことには少し抵抗があるが、自分の限界を超えたライバル同士が、ここまでお互いの健闘を称え合う姿は他のスポーツではなかなか見られない。

奇しくも大会が行われた2日後の10月9日はスポーツの日。

衆議院のホームページにはスポーツの日についてこう記載されている。

「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。」

引用:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19601029.htm

ちなみに今大会女子は決勝進出者最年少となる13歳のクロエ・コベルが優勝し、男子は決勝進出者最年長となる32歳のフェリペ・グスタボが優勝している。若年化していると言われているが、スケートボードの年齢層は実は幅広い。

そういった意味でも、今回のフェリペ・グスタボの優勝劇はスポーツ本来の姿を映し出しているように思えた。

【SLS 2023シドニー・女子リザルト】

 
 
 
 
 
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1位 クロエ・コベル(オーストラリア) –33.4

2位 ライッサ・レアウ(ブラジル) –31.8

3位 西矢 椛(日本) –19.7

4位 ページ・ハイン(アメリカ) –17.3

5位 ロース・ズウェツロート(オランダ) –16.0

6位 パメラ・ローザ(ブラジル) –15.9

【SLS 2023シドニー・男子リザルト】

 
 
 
 
 
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1位 フェリペ・グスタボ(ブラジル) –35.4

2位 ダショーン・ジョーダン(アメリカ) –35.0

3位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ) –27.1

4位 ルーカス・ラベロ(ブラジル) –23.8

5位 堀米 雄斗(日本) –18.6

6位 根附 海龍(日本) –9.4

 

文 小嶋勝美 

スケートボードライター兼放送作家兼ムラサキパーク東京のローカルスケーター。

10年間のお笑い芸人生活を経たのち、放送作家をしています。

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この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

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