海外の映画祭で上映が相次いでいる話題作『サマーフィルムにのって』がついに公開!翌8月7日には渋谷ホワイトシネクイントにて公開記念舞台挨拶が行われ、主演の伊藤万理華、共演の金子大地、河合優実、祷キララ、そして松本壮史監督が参加した。
時代劇オタクで映画監督志望の女子高生ハダシ役の伊藤は、念願の封切りに「感慨深いし、作品が世に放たれると思うと緊張して眠れませんでした」と緊張の面持ち。未来からやって来た青年・凛太郎役の金子も「今観るべき映画であり、この作品を通して元気になってもらえたら嬉しい」と思いを込めて、主演の伊藤には「最高っす!ハダシは伊藤さんにしかできない。ホントにビックリというか、リスペクト!」となり切りぶりに太鼓判を押していた。
ハダシの友人ビート板役の河合は、コロナ禍で撮影が中断したハプニングに触れて「撮影中に『今日終わります』と聞いて言葉を失いました。その後に2シーンの撮影があり、キララちゃんがカメラに映らないところで涙をぬぐっていた。映画がなくなることをハダシに伝えようか悩むシーンでもあったので、あの涙は印象に残っています」と回想。ハダシの友人ブルーハワイ役の祷は「撮影した状況と内容が重なるところが沢山あった。その日は特に…」と現実とのリンクに感情が揺さぶられたようだった。
ハダシ、ビート板、ブルーハワイの3人が屋上で叫んでいるような姿を捉えたポスターも好評だが、その撮影が行われたのは撮影中断を知らされた翌日だったという。それだけに伊藤は「みんな楽しそうな表情を浮かべていますが、気分的には“やけくそ”。もうやるしかないと思っていた」と意外な舞台裏を紹介。河合も「言葉にならないような叫び声を上げていました」と中断という悔しさあっての絶叫だったと打ち明けた。
クライマックスでのハダシと凛太郎の本格的殺陣も見所。松本監督は「エモーショナルさを的確に伝えるのが難しい場面で、撮影当日まで不安でした。でも全員が集中力を切らすことなく、最後まで役になり切ってくれた。僕は編集の段階で号泣しました」と手応え十分。伊藤は「負けないように」と撮影時の意気込みを思い出すと、金子も「伊藤さんが本気でぶつかって来てくれたので、僕も集中力を切らさずに頑張ろうと思えた」と伊藤とのコンビネーションを強調。また伊藤は「(河合や祷ら)みんなが撮影スタッフとして殺陣を見ていてくれて、その姿が目に焼き付いている。みんながいてくれたからこそできた場面で、二人だけでは成立しなかったと思う」と共演者との絆をうかがわせた。
最後に主演の伊藤は「劇中でも映画の未来の話をしていて、物語と今の状況が重なるところもあります。不安がぬぐいきれない状況が続きますが、この作品を通して希望を見出してくれたら嬉しいです。映画が続くように、映画がなくならないように、私たちも作り続けていきたいです」と明るい未来への希望を口にしていた。