【映画レビュー】夢を追い、渋谷で暮らす女の子たちたのリアル/映画『転がるビー玉』1/31先行公開&2/7全国順次公開 

2020/01/28
マガジンサミット 儀保

今回、ご紹介するのは、3人の女の子を主人公にそれぞれの夢や葛藤を描いた青春映画『転がるビー玉』

雑誌「NYLON JAPAN」の15周年企画として製作された本作。そこはオシャレ雑誌「NYLON JAPAN」の製作。オシャレに仕上がっているのは勿論、主人公たちのドラマがリアル&誰でも思い当たる普遍性を完備。様々な見どころが満載なので、ご紹介します!!

渋谷と主人公たちがシンクロ!!

舞台は、開発の進む渋谷。その片隅にあるアパートで共同生活するモデル志望の愛、NYLON編集部で働く瑞穂、路上ミュージシャン活動をしている恵梨香の3人。そんな3人の元へ、街の再開発に伴い、立ち退き勧告が。本作は、3人が部屋を立ち去るまでの物語。期間限定のささやかな共同生活を描いています。とにかく夢を追う3人のドラマのバランスが絶妙!! もう全員に感情移入してしまうレベルで切ないドラマが展開。

モデル志望の愛

オーディションを受けまくるも結果が出ない日々を送るモデル志望の愛。モデル仲間もどんどん出世。カメラマンの元カレからはモデル業へのダメ出し。さらに、オーディションで「強み」を尋ねられて返答できないシーンは誰の胸にでも刺さるのではないでしょうか? 不甲斐ない自分と、バイト先の女の子から憧れの目で見られる切なギャップ!! 夢を追う辛さを経験した人なら間違いなく感情移入してしまうキャラです!!

そんな愛役を演じるのは、子役からキャリアをスタート、ドラマや映画を中心に活躍する吉川愛。綺麗な顔立ちが逆に切なさを倍増。他の2人の前では明るく振る舞うも、実は孤独な戦いを続ける愛を力強く熱演!!

NYLON編集部で働く瑞穂

NYLON編集部で働くボーイッシュな女の子・瑞穂。仕事での失敗が続き、ナンパ男と関係を持ってしまう危うさが、ちょっとシリアス。特に夢を追ってる訳でもなく、仕事も恋人モドキもいる訳ですが、普通に生活しているだけでは埋められない虚無感。2人の前ではサバサバ系なんだけど、ポロリと「家に帰ると寂しいんだよね。みんなで住んでるのに何でだろ」というセリフを呟いてしまう。男でも仕事でも埋められない虚無感がダイレクトに伝わってきます!!

瑞穂を演じるのは、近年、その演技力で注目される若手女優の萩原みのり。本作でも、ピンクに髪を染め、微妙な精神状態の瑞穂を体現!!

ストリートミュージシャン・ 恵梨香

ストリートミュージシャンとして活動する恵梨香は、とりとめのない夢の話をしては呆れられる天然キャラ。本作のコメディリリーフなポジション。そんな普段は明るい彼女も、昔の仲間たちが夏フェス出演に置いてけぼり感。それでも毎日、路上で歌い続ける毎日。

恵梨香役には、モデル・タレントとしても活躍する今泉佑唯。本作では、さすがは元アイドルと拍手を贈りたくなるギター演奏&歌唱シーンにチャレンジ。切ない歌詞ながら、ポップなメロディの楽曲を透明感ある歌声で熱唱。作品全体をダークサイドに堕ちない絶妙なバランスで照らしています。

登場人物たちの心情を表すモチーフの数々!!

3人とも、一見、仲良さげなんですが、どうも会話は上辺だけ。虚無感満載の会話。3人のアドリブ芝居のようなナチュラルさが観客も部屋の中にいるような覗き見感覚へ誘います舞台となる再開発で変わりゆく渋谷の街と主人公たちが重なっていく脚本も秀逸。主人公たちとシンクロするのは、街だけでなく、さらに美術セットでも細かい仕事っぷりを発揮。主人公たちが生活するお洒落カフェのようなワンルームの部屋も、ビレバンにありそうな物でゴチャゴチャ。“渋谷”という街全体のメタファーのよう。

チラっと写るソファの肘掛けに置かれたカピカピのコンタクトレンズ、洗濯機から発見された“欠けたビー玉”、賞味期限切れの食品や道路に出てきてしまったミミズ……などなど。壊れやすい物や繊細なモチーフが次々と登場。主人公たちの心情とシンクロしていく演出が上手いです。

映画『転がるビー玉』は、渋谷・ホワイトシネクイントにて、1月31日(金)より先行公開。2月7日(金)より全国順次公開となります。

映画『転がるビー玉』

◼︎キャスト

吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯

笠松将、大野いと、冨手麻妙、大下ヒロト、日南響子、田辺桃子、神尾楓珠、中島歩、徳永えり、大西信満、山中崇

仁科あい、中尾有伽、手島実優、安倍乙、濱正悟、河合優実、浦山佳樹、比佐仁、高橋雄祐、青木将彦、川端康太、内堀太郎、松川遥菜、佐々木穂高

◼︎スタッフ

監督/宇賀那健一(うがな・けんいち)

1984年生まれ、東京都出身。青山学院経営学部卒。ブレス・チャベス所属の映画監督 / 脚本家。過去作に『黒い暴動♥』、『サラバ静寂』他。『魔法少年☆ワイルドバージン』が2019年公開となる。

プロデューサー/戸川貴詞(とがわ・たかし)

1967年生まれ、長崎県出身。明治学院大学社会学部卒。2001年にカエルム株式会社を設立し、2004年に『NYLON JAPAN』創刊。現在、同社代表取締役社長、『NYLON JAPAN』編集長を務める。

脚本:宇賀那健一、加藤法子

製作会社:「転がるビー玉」製作委員会

制作会社:株式会社Vandalism

キャスティング:當間咲耶香(スカリー株式会社)

配給:パルコ

Ⓒ『転がるビー玉』製作委員会

公開日:2020年1月31日

公式サイト:https://www.nylon.jp/korogarubidama

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マガジンサミット 儀保

表の顔はディレクター兼カメラマン。実は、年間700本の映画を観賞する映画好き。どんな作品でもオススメのポイントをピックアップ。映画好きから、普段、あまり映画を見ない方にも、幅広い映画の楽しみポイントをご提供できればと日々邁進中? 映画関連tweetも日々、更新してます @yungibo

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