この夏、参議院選挙がございます。ご存知の通り、永田町では、森友・加計問題、大臣の不適切発言、さらには報告書を受け取らない、などなど、民主主義を踏みにじるような政治家の暴挙、忖度にはしる官僚の姿が露わになっております。
ところが、その一方で、そのような暴挙を平然とスルーするメディアも…。最後の砦である新聞メディアでさえ、…な状況でございます。
ちなみに、国際NGO「国境なき記者団」が毎年発表する「報道の自由度ランキング」では、日本は現在67位。先進7か国(G7)中、最下位でございます。
2010年には11位でございました。安倍政権に対する辛口キャスターの降板など、メディア内に自己規制が強まっている、政権側がメディア敵視を隠そうとしなくなっているなどと海外からも問題視されているようでございます。
そんな今の日本の現状、水面下で行われているであろう「権力VSメディア」のせめぎ合いをかつてないレベルで生々しく描いた作品がこの夏、公開でございます。
タイトルは、「新聞記者」。6月28日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国公開でございます。配給は、スターサンズ/イオンエンターテイメント。
小生も試写会で拝見いたしましたが、そのあまりにもの生々しさ「これ、上映して大丈夫なのか」と……。観ている方がヒヤヒヤする作品でございました。
ストーリーは、国家権力の闇に迫ろうとする新聞記者と、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務を与えられたエリート官僚、交わり合うこの二人の葛藤がリアルに描かれたフィクションでございます。あくまでフィクションでございます。フィクションなんですが……なのでございます。
というのも、この作品は、この数年に日本で起こった皆が知る現在進行形の政治事件をモデルにしているのでございます。それも、ゴイスーに生々しく描いているのでございます。その辺は観てのお楽しみでございます。
映画史上初ともいえる大胆不敵な政治サスペンス、骨太社会派エンターテイメントでございます。
原案は、東京新聞記の望月衣塑子記者のベストセラー「新聞記者」でございます。
そう、令和おじさんこと、菅義偉官房長官に鋭い質問を浴びせる事で有名になっ
望月記者でございます。それだけではございません。
その望月記者が本人役でご出演しております。さらに!加計学園問題で時の人になった元文部科学事務次官の前川喜平さまも本人役でご出演されております。
どんな出演の仕方をしているのか、どんなセリフを言っているのかは、観てのお楽しみでございます。
内容だけではございません。キャストもゴイスーに骨太、豪華でございます。
主人公の新聞記者を演じるのは、韓国の若手トップ女優のシム・ウンギョンさま。
映画「サニー 永遠の仲間たち」や「怪しい彼女」でも有名なウンギョンさまでございます。本作では父は日本人、母は韓国人、育ちはアメリカという多元的アイデンティティを持つ日本人の役を演じておられます。全編日本語で話されております。ここも注目でございます。
そして、もうひとりの主人公、エリート官僚を演じるのは、今や押しも押されぬ人気実力派俳優となった松坂桃李さまでございます。
ひとりはニュースをスクープする側、ひとりはニュースをもみ消す側……。
このダブル主演の二人の葛藤シーンがたまりまセブンなのでございます。
報道メディアは権力にどう対峙するのか…。ドキュメンタリーよりも生々しい社会派エンターテイメントでございます。
「これ、上映していいの…。観ちゃっていいの…」と、ドキドキヒヤヒヤしながら楽しめる、考えさせられる作品でございます。
公開のタイミングも、夏の選挙前でございます。選挙前に、今の日本を見直すには間違いナッシングな映画でございます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)