あなたは誰が好き?日本のゲーム史に残る伝説のヒロインたち

2021/01/19
佐藤 勇馬

日本の人気ゲームは、必ずと言っていいほど魅力的なキャラクターがつきもの。その中でも格別の輝きを放つ存在が「ヒロイン」です。可愛いヒロイン、性格がいいヒロイン、象徴的なヒロイン、強くてかっこいいヒロイン、従来の枠から外れたヒロイン……さまざまなタイプのヒロインたちが日本のゲームを彩ってきました。今回は、日本のゲームの歴史の中でもとりわけ多くのユーザーを魅了した伝説のヒロインたちを紹介します。

「スーパーマリオ」シリーズ :ピーチ姫

毎回、クッパにさらわれたピーチ姫を助けに行くのが基本的なストーリーになっているスーパーマリオシリーズ。ブロンドの髪に青い瞳、ピンクのドレス、キュートな雰囲気……ゲームの世界のお姫様=ピーチ姫といっても過言ではないほど印象的で抜群の知名度を誇ります。おしとやかな性格のはずですが、場合によってはカートに乗って爆走したり、マリオ顔負けのアクションを見せたりするのもチャームポイント。基本的には大人しい雰囲気でありながら「やる時はやる」という、実は芯の強い女性なのかもしれません。

「イース」シリーズ:リリア

「イース」シリーズのヒロインは何人もいますが、そのなかでも最も象徴的なヒロインといえるのが「イース2」の「振り向きリリア」で多くの男性ユーザーをメロメロにしたリリア。「振り向きリリア」は、オープニングの短いワンシーンですが、当時としてはハイレベルなアニメーションで見事に振り向きが表現されており、プレイヤーに強烈なインパクトを与えました。その後の作品でも登場しており、多くのイースファンの心の中で今も輝き続ける存在です。

ファイナルファンタジー7(ファイナルファンタジー7リメイク):エアリス・ティファ

発売当時に「どちらがメインヒロインなのか?」と話題になり、ファンの間で「エアリス派」と「ティファ派」の派閥ができるほどの人気を誇った二人です。ゲームをプレイしたことがある人なら周知の事実ですが、物語中盤にある悲劇が発生してしまいます。ゲームのヒロインにそのような悲劇が起きること自体が非常に珍しく、当時はバグを利用して悲劇を回避しようとするユーザーまで出現するなど大きな反響を呼びました。主人公を取り合うありきたりな三角関係とならず、親友同士として微笑ましいやり取りをしながら共に世界を救う旅を続けたのも大きなポイント。また、おっとりとしたお嬢様系の見た目のエアリスが実は強気なお姉さん的にグイグイいくタイプだったり、逆に元気で活発そうなティファの方が家庭的で大人しめな性格だったりといったギャップも人気の秘密となっています。

ドラゴンクエストV 天空の花嫁:ビアンカ・フローラ・デボラ

スーパーファミコン版「ドラゴンクエストV」の発売当時に大論争を巻き起こした主人公の花嫁候補のビアンカとフローラ、そしてニンテンドーDS版から追加されたもう一人の花嫁候補・デボラ。ステータスや使える呪文の違いはあれど花嫁として誰を選んでもストーリーは問題なく進んでいくのですが、やはり「幼馴染のビアンカ」と「お嬢様のフローラ」のどちらを選ぶか、真剣に悩んだ人は多いでしょう。また、後に追加された「ツンデレのデボラ」に骨抜きにされた「小魚のような顔をしたしもべ」も少なくないはずです。ヒロイン選択システムは当時としては画期的でしたが、それぞれヒロインに違った魅力があったからこそ、その斬新な試みが成功したといえるのかもしれません。

「ストリートファイター」シリーズ:春麗

闘うカッコイイ女性でありながら、衣装は何ともキュートでセクシーなチャイナ服。可愛い・カッコイイ・強い……絶妙なバランスで異なる魅力が共存しています。これだけ筋肉質な肉体のヒロインは過去に例がなく、対戦格闘ゲームというジャンルと共に「闘う美女」というキャラクター像が広まったきっかけになった存在といえるでしょう。春麗の登場によって、それまでのゲームのヒロインの「男性に守られる存在」という既成概念が打ち壊されました。シリーズごとに雰囲気がたびたび変わりつつ、現在も対戦格闘ゲームというジャンルを代表するヒロインとして輝き続けています。

「ベヨネッタ」シリーズ:ベヨネッタ

∞(ノンストップ)クライマックスアクションと称されるアクションゲーム「ベヨネッタ」で活躍する主人公。美しく長い黒髪、眼鏡、タイトでセクシーなボディースーツ、数百年を生きる魔女という設定……その全てがクールでオシャレな「ドSお姉様」系の闘うヒロインです。続編では、バッサリとショートカットになって登場するのですが、そちらも惚れ惚れするほどカッコいい。華麗な格闘術バレットアーツと四丁一組の銃を駆使したアクションもド派手で、さらに拷問器具や黒神を触媒として召喚した魔獣を駆使するなど、どこまでもカッコイイお姉様です。

ニーア レプリカント:カイネ

こちらは今まで紹介したヒロインとは大幅に異なるタイプ。日本のゲーム史の中でも、特筆すべき「クセの強いヒロイン」です。セクシーな下着姿だけでも強烈なインパクトがありますが、包帯で巻かれた半身に「マモノ」を宿しており、実は「両性具有」という存在です。ゲーム内では、カイネのセリフで「ピー音」が連発されるのも印象的。彼女はとにかく口が悪く、放送禁止用語を連発するのです。バトルスタイルも二刀流で大きな剣を振り回すなど。従来のヒロイン像から大きく外れたタイプ。それなのに魅力と人気は抜群で、同ゲームの発売から10年以上が経った今もファンから絶大な支持を集めています。

鉄板のお姫様系から一風変わったクセの強いヒロインまで幅広く紹介させていただきました。当初は「守られるべき存在」として可憐に描かれていたヒロインが、時代の流れによって変化し、さまざまな個性を持ったタイプが生まれるようになりました。ある意味、ゲームヒロインの歴史は日本の女性観の進化を象徴しているのかもしれません。あなたはどんなゲームヒロインが好きですか?

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佐藤 勇馬
この記事を書いた人

佐藤 勇馬

新宿・大久保在住のフリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にスカウトされて以来、芸能、事件、ネットの話題、サブカル、漫画、プロレスなど幅広い分野で記事や書籍を執筆。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など。 Twitter:ローリングクレイドル

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