校舎が結婚式場。授業は児童主導。日本初、子どもがつくり出した“自由”の学校

2022/11/29
Shoichi Sato

埼玉県東松山市に2023年4月から、これまでにない視点の学校が開校します。アメージングカレッジ(校長:岩﨑千佳)は11月1日、来春の開校に向けた児童募集本格開始の発表会を開催。同校発足の経緯や教育理念、カリキュラムの内容などを訴えました。

アメージングカレッジは、かつて結婚式場として使用されていた施設をリユースし、校舎として使用します。教室という概念はなく元披露宴会場や和室、中庭などをダイナミックに使って授業を行う想定です。

学校のコンセプトは「子どもがつくる 大人を育てる 未来そうぞう学校」。同校では2022年5月からプレ開校しており、どのような学校に通いたいかを議論する「子ども会議」やレクリエーション、地域と連携したイベントなどを実施。その中で子どもたちから「自由すぎるみんなの学校にしたい」、「小さい子もお年寄りも来ることができる学校にしたい」と言った声が挙がりました。子どもたち主導による企画、実施、感想、意見、提案を大人たちが形にしていくことで、同校は誕生しました。まさに、子どもたちがつくり出し、大人も一緒に成長していくような学校と言えるでしょう。

教育の軸は「未来そうぞう科」

岩﨑校長は教育方針について5つのこだわりを提唱。「自分の『好き』を大切にすること。とことん『本物』を追求すること。学びのスタートは子ども自身の『必然性』。全ての中心は『子ども』で、その周りに『チーム大人』がいる。みんなでまずは『やってみる』こと。子どもたちの『自分がやりたいから、必要だから学びたい』という気持ちの醸成とサポートが私たちの役割。『この分野を研究したい』と考えて進学や研究の道に進む子や、『お金を貯めて世界一周したい』という目標を持つ子がアメージングカレッジから育っていけば」と話します。

同校はオルタナティブ教育というポジション。いわゆる国語や算数の授業で見られるような、先生が黒板の前で話し子どもたちがそれを聞いてノートに書くといった形式の授業ではなく、2016年に新教科として創設された「未来そうぞう科」が軸となります。「未来そうぞう科」は岩﨑校長らが、2030年以降の新たな教育の形を探るべく「未来をそうぞう(想像・創造)する子ども」の育成を目指して創設された教科。学習指導要綱では「特別活動」、「生活科」、「総合的な学習の時間」の3つを合わせた教科として位置付けられています。

同校の開校は2023年4月。小学部の定員は120人で、中学部のプレ開校もスタートする予定です。「平日は既に通っている学校に行き、週末はアメージングカレッジに通う。もちろん、その逆でも良い。義務教育におけるもう一つの選択肢として認知度を上げ、いずれ通っている小学校の出席扱いとなる認可取得を目指していく」と岩﨑校長。子どもの自由な発想から生まれたフリースクール。当然、可能性は無限大です。

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Shoichi Sato
この記事を書いた人

Shoichi Sato

地域ミニコミ紙の編集記者、広告代理店を経てフリーライターとして活動中。趣味は山登りなど、スポーツ全般の元高校球児。未確認生物や宇宙、戦国時代 などが好きなロマン追求型。座右の銘は「気は遣うものではなく、配るもの」。 ブログ:s1-thats-WRITE

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