株式会社キッカワ 社会貢献を背景に石油化学プラントのメンテナンスから新規事業を展開!若手のイノベーションの後押しがしたい

2022/08/10
マガジンサミット編集部

今回は、石油化学プラントのメンテナンスを軸とし、アミューズメント事業など新たなチャレンジをし続ける株式会社キッカワの代表取締役 吉川青良さんにその背景にある経験や考え方、今後の展望についてお話を伺った。

キッカワの強みと特徴

キッカワの事業は、メインは日本の石油化学プラントのメンテナンスだが、近年はSDGsを背景に、石油化学からバイオマスへという転換に踏み出している。さらにメンテナンスだけでなく建設関連のまったく新しい事業にも着手している。

キッカワの強みや特徴として、創業して55年という信用度が高いこと。そして幅広く事業展開する中、子ども食堂などへの支援など、社会貢献を積極的に行っていることなどがある。吉川さんは、会社の使命は社会貢献だと考えているといい、人に少しでも喜んでもらえること、そしてその前に社員に満足してもらえることが重要だと述べた。社会貢献については地域トップの企業ではないかと自負しているという。寄付のほか、教育的な観点からも、若い経営者を育てる会へ出資しているそうだ。地域だけではなくて社会に対する貢献も注力していきたいと吉川さんはまとめた。

それは、吉川さんの考え方にも関係している。最後はやはり「人」。メンテナンスは、機械を使って行う仕事が多いものの、最後は人とのコミュニケーションが重要だ。お客さんをはじめとした人とのつながりによってすべてが生きてくる。しかし、今は若い世代が、なかなか居つかない点に課題を感じているという。年々、理念やビジョンが若い世代に届かなくなっているの感じており、お互い、会社のことも本人のこともわからずに辞めていく社員もいる中で、幹部教育を今から実施しており、理念に基づいた教育に力を入れているそうだ。

また、人間味のあるところをもっと深くしていきたいと吉川さん。結婚するときも社内でお祝いするなど「仲間」になっていけたらいいと述べる。

チャレンジャーとして今一番注力していること

吉川さんが今、「チャレンジ」していることのうち、一番注力していることは2つある。一つは、石油化学をバイオマスに転じ、SDGsに即したビジネスモデルを作ること。もう一つは、日本にないアスレチック系のSEアミューズメントを海外から取り入れ、建設面から担い、運営することだ。

吉川さんが最も大事にしてきたのは、スキルアップよりもスケールアップ。勉強してスキルを上げるのはもちろん良いことだが、それだけでなく、人間としてのスケールアップのほうが重要で、自身で実践するのはもちろん、社員に対しても呼びかけてきた。特に会社の幹部には、人間としてのスケールもっとあげてほしいと呼びかけており、若い世代には積極的なチャレンジを勧めている。

SEアミューズメントの代表例には、富士急が手がけるさがみ湖リゾート プレジャーフォレストに設置された「マッスルモンスター」というアスレチックタワーがある。ドイツから輸入したものだ。たまたま吉川さんがドイツへバイオマス展を見に行った際、現地で親子がそのマッスルモンスターで遊んでいるのを目の当たりにした。公園のジャングルジムなどが危ないという点からどんどん撤去されていく日本の現状を背景に、「これこそ今の日本に必要なものだ」と、すぐにその開発元のベンチャー社長に会いに行き、後日会社を設立した。

新しいことに挑戦しているときの吉川さんはどんな気持ちかと尋ねたところ、経営者として、顧客、事業の創造をやっているときというのはとても楽しくて仕方がないと話した。

同時に、若い世代にどんどん社内ベンチャーを作ってくれと呼びかけているそうだ。人が喜んでくれ、世の中が明るくなるために会社を変えていこうとしている。

挑戦とは「好奇心」多様な経験を国内外で積む

吉川さんはかつて、バブル崩壊やリーマンショックなどの危機を乗り越えてきたことから、コロナ禍においてはその経験を活かして乗り越えられたという。

吉川さんは、実にさまざまな挑戦してきたが、そこにはどんな思いがあるのかと尋ねたところ、「志ある好奇心」だという。そのエネルギーが前に進む自分のいいポテンシャルになっていると述べる。

それは、吉川さんが大学卒業後から始まっていた。大学時代はテニスに注力。日本大会を目指すまで夢中になっていた。しかし、やり切った感から燃え尽きてしまい、もう二度としないと決意。企業への就職もスポーツで狙おうとしていたが、入社後もテニスを続けなければならないことを知り、断念。1年間だけアメリカへ行き、ナイトクラブのウエイターとして仕事をしながら、日本とは異なる場でさまざまな学びを得た。ウエイター業は大きな転機となった。

大勢のお客さんがくるナイトクラブ、チップをもらわなければ生活できない、厳しい管理、長時間労働など、厳しい仕事であったが、いつしか「世界一のウエイターになる」と決意するようになった吉川さん。お客様のお酒のボトルをすべて暗記し、来店したらそのお客様のボトルをサッと出すなどして、どんどん極めていった。

その後、日本に戻って25歳時点で印刷のデザインの会社つくり独立。そうした中、父の会社が倒産寸前となっている状況の中、声がかかることになる。借金まみれで、このままでは会社が存続できない。涙を飲んで社員を首切りする役目も担った。その後、持ち前のスピードと行動力により、大逆転を果たす。社員をハワイ旅行につれていけるようにまでなった。

吉川さんのグローバルで好奇心と創造性、細やかな人への配慮などは国内外の多様な経験の中で培われたものであった。

今後の目標

今後は、会社としてどのような目標があるのか、吉川さんに質問したところ、いまは若い社員多いことから、スケールアップして次のステージに行けるようにしてあげたいと話す。それは、吉川さん自身の人生のゴールでもある。元気なうちは、自身も創造し続けたいという気持ちがあるが、これからは、若い人たちが新しい事業を作っていけるよう、イノベーションができるように手助けしたいという気持ちが強いという。何かものごとを始めるときには「0から1」にするのがむずかしい。その部分を手伝ってあげたいという。

石油化学プラントに代わるバイオマスのメンテナンス事業については、日本中にある、同社と同じ事業を行ってきた会社とのアライアンスを積極的に仕掛けていきたいと考えているそうだ。競争ではなくアライアンスを組む形で、日本のバイオマスのメンテナンスを底上げしたいという。同じ志を持って行えば、大きなことができるのではないか、と将来への明るい展望にて締めくくった。

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