「プライム銀座クリニック」および「北京領医」の院長である髙澤博和氏は、日本と中国で美容医療技術を提供している。近年、美容医療業界は技術やサービスの多様化が進む一方で、顧客満足度がより一層求められるようになっている。その中で、同クリニックは顧客満足を最優先し、誇張のないありのままの美容医療を提供することを企業理念としている。高澤院長に、治療に対するこだわりや今後の抱負について話を聞いた。
多くの情報に惑わされず、自分に合った美容医療を見極めることが重要
美容医療の業界では、宣伝や情報が多く、美容医療クリニックのビフォーアフター画像に魅了される方が少なくありません。目に見える変化があると、効果に対する期待が高まるのも自然なことですが、その効果が長期間続くかどうかは、必ずしもそうではないこともあります。
例えば、リフトアップのためにヒアルロン酸を注入した場合、初めのうちは効果がはっきりと感じられます。ただ、時間が経つにつれてその効果が徐々に薄れ、再度注入したくなることもあります。しかし、繰り返し注入を行うと、注入した部位が硬くなり、見た目に違和感を感じることがあるため注意が必要です。
このような理由から、当クリニックでは同じ箇所に繰り返し注入する際の方針を設けています。理想的な結果を得るためには、5年、10年後を見据えて、適切な頻度で治療を受けることが大切です。また、日常的に若さを保つために頻繁に治療を行うのではなく、大事なイベントや写真撮影の前など、特定のタイミングで治療を行うことをおすすめしています。美しさを持続させるためには、過度な治療を避け、必要な時に適切に治療を行うことが大切です。
お客様の思いに寄り添い、最善の美容医療を提供する
当クリニックでは、治療のメリットとデメリットを丁寧にご説明し、患者様が安心して治療を受けられるよう心掛けています。美容医療に対する期待を持つことは自然なことであり、患者様の理想を実現するために共に取り組むことを大切にしています。患者様一人ひとりのご希望や状態に応じた最適な方法を提案し、理想に近づけるためのサポートをしています。そのため、治療前にはしっかりとイメージを共有し、ご納得いただいた上で治療を進めていきます。
例えば、リフトアップに関する深い知識を得るため、私自身も1万字以上のコラムを執筆するなど、幅広いお悩みに対応できるよう日々研鑽を積んでおります。
治療後の変化についても、短期的な結果だけでなく、長期的な視点での最適な方法をご提案し、患者様にしっかりとご説明いたします。信頼できる効果のある治療法を選び、患者様に寄り添いながら対応しています。最も大切にしているのは、患者様が心から満足できるよう、安心して治療を受けていただける環境を提供することです。美容医療における正しいアプローチを大切にし、患者様の笑顔を引き出せるよう、日々全力で取り組んでいます。
誠実さを重視し、日本で多くの顧客満足を追求していきたい
当クリニックのコンセプトとしては、患者様との対話を何よりも大事にし、常に患者様の満足度を最優先に考えた治療を提供してきました。コロナ禍前には多くの中国の患者さんが来院され、高い評価を受けるようになりました。
その結果、北京の国際貿易センターの近くに総面積約4,000平方メートルの大規模なクリニックを開業するに至ったのです。中国では、コミュニティ内での横のつながりが強く、「誠実なクリニック」としての評判が口コミで広がっていきます。立ち上げから6年が経過した今では、現地で有力なクリニックの一角に成長。このため、事業を拡大し上場を目指そうとする投資家からの声もかかっています。
しかし、私は利益よりも顧客満足を優先したい。店舗を増やして事業を拡大することは、理念や技術の継承が難しくなることを意味します。自分の目の届く範囲で、これまで通り誠実に取り組んでいきたいと考えています。
中国では「誠実な日本人」という評価がありますが、これは日本においては必ずしもアドバンテージにはなりません。中国ではよい評判がすぐに広がる一方で、コミュニティのつながりが薄い日本では、良い口コミが広まりにくいのが現実です。そのため、一般的な美容医療クリニックとは異なる、採算度外視の手法が日本市場でどのように通用するのかを試していきたいと思っています。
【取材協力】
プライム銀座クリニック
院長 髙澤博和（たかざわひろかず）
https://prime-ginza.jp/
