「緩ませることを大事にしている。」離婚問題を扱う弁護士・原口未緒さんが世の中の女性たちに伝えたいこととは

2020/10/30
マガジンサミット編集部

カッコイイ大人には覚悟がある。人生にはいくつかの岐路があり、そのたびに人は何かを得たり、何かを捨てたりする。そこには決断があり「覚悟」がある。

番組「覚悟の瞬間(とき)」では、様々な大人たちの生き様に焦点をあて、生きていく上でのヒントになるメッセージを届けています。今回、同番組に登場したのは困難な離婚問題を次々解決し、自身も4度の離婚経験があるという弁護士法人未緒法律事務所の弁護士・原口未緒さん。自身の覚悟についてなどを語っていただきました。

原口未緒さん(以下、原口):「うちは離婚特化型の事務所なので、離婚に付随して結婚前だったり直後だったり、そのあたりの方もいらっしゃったりしますね。私がかなり変わった経歴というか、いろいろと人生経験が豊富になってしまった結果、ちょっと特色のある法律事務所となりました。」

Q1 なぜ今の仕事に?

原口:「後から思うと、両親の離婚調停が始まったり、父が弁護士だったりという影響があったのかなと。札幌で独立したときに一人でやっていかなきゃいけないということで、特色を出したほうが良いかなと思って、単純に女性弁護士だから、離婚って女性の方から希望する方が多いって聞いていたので、需要があるかなと考えたんですよね。その間に自分も2度目、3度目と離婚をすることになってしまって、勝手に肩書きが付いてしまったんです。」

Q2 現在の仕事への想い

原口:「緩ませるっていうのは一番大事にしています。弁護士に相談に来るレベルだと硬直しているんですよね。考え方もそうですし、頭や体、表情もそうですね。硬直していて。物理的に言ってもその状態で良い考えって絶対に浮かばないんですよね。視野が狭くなって『こうでなきゃ』みたいになって。3回目の離婚のときにはじめて相手から言われたんですよ。それまでは『もう嫌だから別れてちょうだい』って言っていたのを3回目は相手から言われたからかなりショックで。やり直したい、自分が努力したら何とかなるかもって思って。それでそこからかれこれ6,7年ぐらい色んな心理学の勉強とかをしていったなかで、私も最初の時は頭が硬かったんだっていうことが分かりました。セラピストさんやカウンセラーさんに言われもしたし。それで自分が今に至る経過で、硬いところを緩ませてきたっていうのもあって、緩ませた結果いろいろ仕事とかがうまくいったりだとか、人からの評価を頂いたりっていう風になってきたので、そういう意味では自分の実感として緩ませるっていうことをアドバイスしています。」

Q3 あなたにとって覚悟とは?

原口:「やっぱり離婚するって決めた時は覚悟だったと思います。それぞれ4回とも。離婚届を出すのは躊躇しましたよ。出しちゃったら終わりだし、まだやり直せるんじゃないかとか、結婚するって約束したのに最後まで一緒にいられなくて申し訳ないなとか思ったりして。変な言い方かもしれないけど幸せになろうと思いましたね。1回目の離婚をしたときに、離婚って当然相手も傷つけるから、この人を傷つけてまで離婚したんだから自分も幸せになろうって思って次の結婚をしましたね。やっぱり経験してよかったです。4回経験しなかったらここまでいろいろ分からなかったですし。両親の離婚の経験も子供として見ていて良い経験になったと思います。それが無かったら今のものの見方にはならなかったと思うし。深みにはつながっていると思います。

Q4 カッコイイ大人とは?

原口:「なんでも受け入れられる人がカッコイイ大人だなと私は思います。瀬戸内寂聴さんがそうで。最初はやたら人気のある尼さんとしか思っていなかったんですが、見方が変わったのが、寂聴さんが4歳の娘さんを捨てて駆け落ちをしているって聞いた時だったんですよ。男作って、しかも子供まで捨てて逃げてっていうと、世の中からバッシングを受けても仕方ないのに、なんであんなに好かれているんだろうって思ったんですよね。それで興味を持って見てみるとやっぱり彼女がそういう過去がありつつ、今90歳以上になってそれを全部糧にしているというか、それが柔軟性になっているんですよね。

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