英語やコミュニケーションだけではない、子どものグローバル化を考えるシンポジウム

2019/06/17
Shoichi Sato

子育て支援サービスや乳幼児教育支援サービス、子育て事業コンサルティングなどを展開している株式会社ポピンズ(本社:東京都渋谷区/轟麻衣子代表取締役社長)とポピンズ国際乳幼児教育研究所(PIICS)が6月9日、東京大学で「第10回ポピンズ国際乳幼児教育学シンポジウム」を開催しました。

当日は第1部として、ハーバード大学教育学大学院博士のベロニカ・マンシーヤ氏による基調講演を実施。ベロニカ氏は幼児期において、人間だけでなく全ての生き物や自然に対する思いやりの育み方などを説明し「保育の現場では、自然への考え方を教える事が抜け落ちてしまっているケースも。国際的な場で必要となる能力=グローバル・コンピテンスを獲得するには、多様な社会経験や感情から学ぶことが重要」と話しました。

講演会には保育事業運営者や現役保育士らが参加。真剣な表情で頷きながらメモを取る人が多く見られました。配られたポストイットに参加者は、講演会で感じたことを記入。「子どもたちの何を育むのかというヒントを得ました」、「今までは、身近な素材や環境に興味が持てるようにするだけだった」、「興味から世界に目を向ける、他者へ思いを馳せることもできるように援助していきたい」といった積極的な意見が寄せられました。

自然界の中で、子どもは何を学べるか

第2部ではベロニカ氏のほか、東京大学大学院教育学研究科教授の秋田喜代美氏、西南学院大学大学院人間科学研究科教授の門田理世氏、福山市立大学教育学部児童教育学科准教授の大庭三枝氏らをパネリストとしたパネルディスカッションを展開しました。

秋田氏は日本が森林率においてフィンランド、スウェーデンに次ぐ世界3位の森林国であることに触れ、自然との共生や生物の多様性、循環性、有限性の感覚を培うことが重要であると投げかけました。

門田氏は保育者が頭を悩ませる「死生観」について言及。「飼っていたコオロギが死んでしまうと、保育者は死生観を子どもに押し付けることになるのではと不安になってしまう。人間の力ではコントロールできないこと、自然界への客観的事実に向き合うことが大切」と語りました。

また、大庭氏は広島県福山市の保幼小連携事例を紹介。合同避難訓練などで浮き彫りになった課題や成果をローカルな視点から解説しました。

一方、シンポジウム主催者のポピンズ轟社長は「ベロニカ氏は『自分が住んでいる国だけでなく、地球上の他国のことも考える世界観を幼い時から持つ資質がグローバル・コンピテンスである』と述べられました。グローバル化は英語力ではなく、自分の置かれている場所から、世界のどこかへ想いを馳せることができる感覚を身につけられるかどうか」と訴えます。

自然、食料、仕事。あらゆる環境に恵まれた日本にいると、なかなか世界全体へ想いを馳せることは難しいもの。世界に目を向ける感覚を幼少期から養うことは、グローバルな子どもを育む上でとても大事なことなのです。

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Shoichi Sato
この記事を書いた人

Shoichi Sato

地域ミニコミ紙の編集記者、広告代理店を経てフリーライターとして活動中。趣味は山登りなど、スポーツ全般の元高校球児。未確認生物や宇宙、戦国時代 などが好きなロマン追求型。座右の銘は「気は遣うものではなく、配るもの」。 ブログ:s1-thats-WRITE

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