リアルゴート札!?『GQ JAPAN』が伝える2億ドルの偽札を贋造した男の顛末

2017/01/04
南城与右衛門

不朽の名作『ルパン三世 カリオストロの城』過去15回もテレビ放送をしているのに、直近の放映では視聴率は12.4%を記録し、公開から37年経っても衰えない人気に感心してしまいます。

 

 

何度も見ている作品ですが、ふと気になったことがあります。それは物語の核になる偽札『ゴート札』。ゴート札って実在するのでしょうか? そこで今回は、このゴート札を始め世界の偽札伝説について紹介します。

 

偽札ゴート札は実在するのか?

 

答えは「実在しない」です。

 

しかしモデルになった偽札事件はあったようです。それはナチスドイツが第二次大戦中の1943年から敗戦まで実施して秘密作戦『ベルンハルト作戦』。これは連合国イギリスの経済錯乱を狙ったもので、ユダヤ人技術者を強制的にポンド札の贋造に従事させました。

 

贋造された紙幣は非常に精巧で、現在の日本円にして一兆円規模! 当時のポンド流通量の約10%が偽札だったという話もあります。ドイツ降伏後、贋造紙幣や原板、機密文書などをオーストリアの湖に沈め隠蔽を図りましたが、終戦から14年後、ドイツの写真誌が回収し全容が暴露されました。

 

日本にもある偽札事件

偽造されにくさでは世界でもトップクラスの日本の紙幣。しかし過去には何度も事件がありました。1951年、元軍人が主犯となり、元小学校校長など村ぐるみの偽札造りで24人が逮捕されたチ-5号事件などがありますが、有名なのはチ-37号事件です。

 

チ-37号事件は、1961年、日本銀行秋田支店で廃棄処分される紙幣の中から偽千円札が見つかり、以降2年間で全国から343枚発見されました。その偽札は精巧で、本物と触って比べれば手触りに違和感はあるものの、偽札だけ触っても判別できないほどだったといいます。

 

また、偽札の通し番号が斜めになっていると報道されるとすぐさま修正。肖像の目じりがわずかに下がっていると報じられればこれも改良と、犯人といたちごっこに。1963年に偽札が発見されたのを最後に見つかることはなく、結局、検挙にはいたらず、1973年に時効が成立。この事件を境に千円札の肖像が、聖徳太子から伊藤博文に変わりました。

 

 

最新偽札事件

2016年2月、台湾の大手銀行に両替用として米ドル札が大量に持ち込まれ、行員が偽札と見破れず、日本円にしてなんと2億3千万円を手渡してしまった事件が発生。持ち込まれたのは第二次大戦前に流通していた旧式の100ドル札で、本物であれば現在も使用可能。検察当局はこの事件に関与したとみられる台湾人9人を拘束しました。

 

そして2015年、中国では、広東省の公安当局が偽札製造拠点を摘発し29人を拘束。贋造されていたのは100元札で、押収されたのは日本円にしてなんと、なんと40億円相当!中国の偽札事件で過去最高額。大量の偽札の重さは2トン、積み上げると建物66階分の高さになるそうです。

 

2億ドルの偽札を贋造して無罪の男

さて、驚くことだらけの偽札事件ですが、色々と調べているうちに面白い雑誌の記事を発見。それは2014年12月24日発売の『GQ JAPAN』です。

 

GQ JAPAN 2015年2月号
Fujisan.co.jpより

 

『GQ JAPAN』といえば意識高い系のセレブ男子が読む雑誌。庶民の小生にとっては、眩しすぎて手に取ることすらはばかれます。値段のケタを読み間違えてしまうほどの時計やお洋服。モテ男専用としか思えない「LOVE&SEX占い」など、ページを捲るたびにクラクラしてきます。

 

その『GQ JAPAN』さまで“2億ドルもの偽札を作った男”が、ご本人のグラビア入りで堂々と登場する記事があり、驚いて思わず読んでしまった次第です。

 

※『GQ JAPAN』2015年2月号【2億ドルのニセ札を作って無罪になった男の話し】より。

 

さて、その男、フランク・ブーラッサ(44才)。カナダ警察に「基本的に判別不可能」と言わしめるほどの超絶精工な20ドル札を偽造したにも関わらず、すでに堂々と社会に復帰を果たしています。(逮捕は2012年)

 

フランク・ブーラッサは、2億ドル分の偽札と印刷機を差し出す代わりに、たった6週間の服役だけという司法取引を成功させたと記事にはあり、その顛末は小説や映画よりもスリリングです。2億ドルといえば日本円でかるく200億円以上。国家予算規模の偽札が流通してしまうかもしれない事態の前には、司法取引もやむなしかも知れません。

 

小生のような善良な小市民が記事を読んだところで、「偽ドルって、こうやって造るんだ!リアル・ルパンの世界だぜ!」と、たまげるのがせいぜいですが、フランク・ブーラッサがいかにして精工な偽札を造ったか知れるインタビューに、よからぬことを考える輩もいるのでは?と心配してしまいます。

 

 

ちなみに、アメリカドル紙片の紙の比率は綿75%リネン25%だそうです。いや、これを知ったところで、小生にはさっぱりですが、理解できる方にはできるのでしょうか?

 

偽札を造るにしても使うにしても重罪。かつてイギリスでは大逆罪とされ300人以上が死刑に。現在の日本でも、無期または3年以上の懲役に処されますので、やめてください。

 

※『GQ JAPAN』は、1957年に米国で創刊され、世界19ヶ国で発行されている『GQ』の日本版です。ファッション・ビジネス・グルメ・海外動向など多彩なジャンルを網羅するクオリティの高いライフスタイル誌であり、たんなるモテ男専用ファッション誌ではありません。

 

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南城与右衛門
この記事を書いた人

南城与右衛門

"情報番組や誰も知らない深夜番組、ラジオなどを構成したり、ソーシャルゲームのシナリオを書いたりする、いわゆる駄放送作家。友達はPC、恋人は二次元、恩師はあらゆる漫画、といった充実した人生継続中"

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