東京・千代田区にある主婦会館プラザエフで、「ニップン アマニセミナー」が開催された。
製粉事業で国内シェア第2位を誇る株式会社ニップンだが、製粉事業だけではなく外食事業や食料品事業など食に関する事業を幅広く行っている。「アマニという素晴らしい食材をより広めていきたく、プロジェクトチームを社内で作った。」そう話すのは代表取締役社長である前鶴俊哉氏。
いろいろなアマニ製品が世の中に出回るように、そして良いものを常に摂っていただけるように認知活動をするだけではなく、正しい情報を食品会社としてお届けする役目があると考え、今回のようなセミナーを時々行っているのだそう。
アマニの商品の取り扱いは2003年から開始した。2015年にココナッツオイルがトレンドになったことがきっかけでエゴマやアマニオイルも認知されブレイクし、会社としても力を入れるように。酸化防止の二重構造になったボトルのものなど、アマニ油(オイル)としては3種類を販売。アマニ関連商品も多数開発しており、2022年3月にはアマニオイルドレッシングを新たに発売したばかりだ。
今回のセミナーのテーマは「今こそ、アマニ。」だが、なぜ今こそアマニなのかというと、コロナが流行してから約7割の人の健康意識が変化し、特に「食事・栄養」に対する健康意識の高まりが群を抜いてトップという調査結果が出たからだ。その結果を受け、健康に良い食品が求められていることからアマニの栄養素に着目したと、ニップン ヘルスケア事業部 副部長の有川由紀子氏が語る。
エジプト第19王朝のテーベ1号の「墓の死後の理想郷」を描いた壁画にも亜麻を育てる姿が描かれており、最古の医学文献「エーベル古門書」に古代からの処方箋が載っていることから、アマニは古くから医療用として用いられていたことが分かる。このことから、アマニの栄養素が健康な身体づくりに適していると考えたのだ。
よりアマニの栄養について詳しく掘り下げるために、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター センター長/ワクチンマテリアルプロジェクト&腸内環境システムプロジェクト プロジェクトリーダーの國澤純氏が、「オメガ3摂取による免疫機能の変化と健康への影響」について講演を行った。
健康に与える効果を示すものではないが、現在の基礎研究で健康維持には腸管免疫の働きが注目されており、食用脂中の脂肪酸組成が腸の脂肪酸組成へ反映されることから、油の質が免疫と関係があるのではないかとみられているのだそう。
中でもアマニに含まれるオメガ3脂肪酸の有用性が実験からも高まっていることから免疫や炎症などに影響すると考え、発酵食品と組み合わせて摂取することにより健康社会の実現へ近づくのではと考えているという。さらに公立大学法人 福岡女子大学客員教授であり管理栄養士の村上祥子氏は、「腸活食事で人生100年時代~発酵食とアマニ~」の講演を行った。
現代人は簡単に美味しくできる料理を求めていることから、かけたり混ぜたりするだけで手軽に使えるアマニはピッタリだという。発酵食とアマニを使ったメニューの実演もあり、アマニ油を最後に垂らすだけの「アマニのフルーツ甘酒」やローストアマニ粒をまぶす「むぎゅっとアマニの唐揚げ」を、実際に作りながら紹介した。
コロナ禍で健康について今まで以上に関心が高まってきた現代、毎日の食から健康な身体づくりの取り組みをしてみてはいかがだろうか。