大評論時代が到来!?現役作家 100 人の小説を文芸評論家・小川榮太郎氏が忖度ゼロで採点『作家の値うち 令和の超(スーパー)ブックガイド』発売

2021/12/27
マガジンサミット編集部

現代の日本には数えきれないほど様々な作品や商品があふれています。選択肢が多いに越したことはないのですが、いざ、何か一つを選ぼうとすればいったいどれが本当に良いものなのか分からなくなってしまうという弊害もあります。

そこで何かを選ぶときに参考にするのが、他者の評価やレビューですが、やはり他人が作った作品や商品に対して正直に「価値が無い」、「つまらない」といった評価をできる人は多くなく、あまり参考にならないこともしばしばあります。

しかし今回、まったく忖度なく著名作家・文学賞受賞作家の小説を採点した一冊が登場。現役作家 100 人の主要 505 作品を文芸評論家の小川榮太郎氏が厳正かつ徹底的に 100 点満点で採点しています。

一流作家の価値を細かく論じるとか、創作理論や美学を基準にして作家を批評するのではなく、普通の読者として面白いと感じられる作品を面白いとはっきり認定することを目指した本書。「私の評価とご自身の評価の相違に刺激され、『こんな素晴らしい作家を理解できないとはトンデモ評論家だ!』そんな憤慨される方もいるだろう。それもまた本書の果たすべき役割」と、そう考えて作られた一冊だそうです。

『作家の値うち 令和の超(スーパー)ブックガイド』

『作家の値うち 令和の超(スーパー)ブックガイド』は株式会社飛鳥新社より 12月14日(火)に発売。文芸評論家の小川榮太郎氏が小説505 作品に対し、「現代の文学として優れた作品」や、「人に読ませる水準に達していない作品」といった評価を下していく内容となっています

『作家の値うち』には、2000年4月に刊行された福田和也著の先行版があり、発売当時には文芸評論家の福田氏が現役作家を厳しく論評して話題となり、ベストセラーとなりました。

この先行版の執筆を福田氏に提案したのが飛鳥新社の土井尚道社長。今回の現代版『作家の値うち』は、その土井尚道社長が小川榮太郎氏に対し執筆を打診し、刊行されることとなりました。

小川榮太郎氏プロフィール

1967年東京都小金井市生まれ。大阪大学文学部美学科(音楽学専攻)卒業、埼玉大学大学院修士課程修了。1998 年より文藝春秋の文芸雑誌『文學界』の新人小説月評を担当。以降、主に政治の分野で批評・文筆活動を行い、2015 年に一般社団法人日本平和学研究所を設立し理事長に就任、現在に至る。著書に『小林秀雄の後の二十一章』『約束の日 安倍晋三試論』など多数。

『作家の値うち 令和の超(スーパー)ブックガイド』「はじめに」より

「私が本書で目指したのはごく簡単なことだ。素人レベルの作家や仕事と、プロのそれを、まずは弁別すること。一流作家の価値を細かく論じるとか、創作理論や美学を基準にして作家を序列化することではなく、通の読者として面白いと感じられる作品を面白いとはっきり認定すること。それに尽きる。だまされたと思って、私が高得点をつけた小説を三冊、五冊、読んでみてごらんなさい。読者が期待を裏切られることは、そうはなかろうと、私は自負する。」

同書コラム 5「文学は衰退したのか」より

「何よりも呆れるのは、私から見て、そもそも小説としての水準に達していない作品が軒並み権威ある賞を受賞していることである。(略)作家、編集者らは、近過去の文学作品をきちんと読んでいるのだろうか?(略)たった半世紀前の、高峰を継ごうという自負は、今の文壇若手や出版社、編集者には、もう誰にもないのだろうか?谷崎潤一郎、泉鏡花、川端康成、三島由紀夫らの名前を冠した賞を安物扱いして、関係者らには罪の意識は本当にないのだろうか?」

同書の採点基準

90 点以上:世界文学の水準に達している作品

80 点以上:近代文学史に銘記されるべき作品

70 点以上:現代の文学として優れた作品

60 点以上:読んでも損はしない作品

50 点以上:小説として成立している作品

49 点以上:通読が困難な作品

39 点以下:人に読ませる水準に達していない作品

29 点以下:公刊すべきではない水準の作品

採点例

同書で取り上げる作家 100 人

【エンターテイメント(50 人)】

朝井まかて/朝井リョウ/浅田次郎/安部龍太郎/有川ひろ/有栖川有栖/池井戸潤/伊坂幸太郎/石田衣良/伊集院静/上橋菜穂子/冲方丁/大沢在昌/荻原浩/奥田英朗/小野不由美/恩田陸/角田光代/北方謙三/北村薫/京極夏彦/桐野夏生/小池真理子/佐々木譲/佐藤亜紀/重松清/篠田節子/島田荘司/島本理生/白石一文/住野よる/髙村薫/辻村深月/天童荒太/中島京子/西加奈子/乃南アサ/馳星周/原田マハ/東野圭吾/東山彰良/姫野カオルコ/百田尚樹/三浦しをん/湊かなえ/宮城谷昌光/宮部みゆき/森見登美彦/山本一力/横山秀夫

【純文学(50 人)】

青山七恵/阿部和重/池澤夏樹/石原慎太郎/絲山秋子/今村夏子/江國香織/大江健三郎/小川洋子/奥泉光/鹿島田真希/カズオ・イシグロ/金井美恵子/金原ひとみ/川上弘美/川上未映子/佐伯一麦/島田雅彦/笙野頼子/髙樹のぶ子/高橋源一郎/田中慎弥/多和田葉子/辻仁成/辻原登/筒井康隆/中沢けい/長嶋有/中村文則/西村賢太/羽田圭介/平野啓一郎/古井由吉/保坂和志/堀江敏幸/又吉直樹/町田康/松浦寿輝/松浦理英子/水村美苗/宮本輝/村上春樹/村上龍/村田沙耶香/本谷有希子/山田詠美/柳美里/吉田修一/リービ英雄/綿矢りさ

 

「最近の小説はつまらないなぁ」と思っている人におすすめの一冊。この本を読めば本当に面白いと思える一冊に出会えるかもしれません。Kindleでは電子版も配信中です。

Kindle版:https://www.amazon.co.jp/dp/4864108595/

この記事が気に入ったらいいね!しよう

マガジンサミット編集部
この記事を書いた人

マガジンサミット編集部

編集部のTwitterアカウントはこちら 【マガサミ編集部Twitter】 編集部のYoutubeアカウントはこちら 【マガサミYoutube】

マガジンサミット編集部が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop