中高生の7割以上が「スマホでの異性との出会い」にアリと回答!親が知らないスマホネイティブの恋愛事情

2019/03/25
佐藤 勇馬

物心がついた時からスマートフォンが身近にある中高生たち。幼いころからデジタル機器やインターネットに親しんでいる彼らは親以上にスマホを使いこなしています。今回、電気通信事業者協会の調査によって、「スマホネイティブ」ともいえる彼らの恋愛事情にもスマホが大きな影響を与えていることが明らかになりました。

スマホは「出会いツール」に?

調査は「スマホネイティブの恋愛事情」をテーマに、スマホを所有する13~18歳の中高生500名を対象に実施されました(調査期間:2019年2月25日~3月4日)。

まず最初に「スマホ」と「恋愛」の関係について質問したところ、「恋愛をするうえで、スマホは必要不可欠なアイテムだと思う」と答えた中高生は約8割(77%)という結果になりました。

さらに「恋愛においてスマホはどのような点で役に立つ/または必要になると思いますか?」と尋ねると、「交際相手との仲を深める」(69%)、「恋愛対象の相手と仲良くなる」(63%)に続いて、「恋愛対象になる相手と新しく出会う」(23%)と回答した人が約4人に1人となりました。「異性との仲を深める」だけでなく、スマホを「異性と出会う」ためのツールと認識している中高生は少なくないようです。

「SNSで知らない異性とコミュニケーション」が6割!

さらに「スマホを使って異性と出会うことは“アリ”だと思いますか?」と聞いたところ、「アリ/方法によってはアリ」と答えた中高生の合計は72%にのぼりました。スマホを通じた出会いに対して大きな抵抗を持たない中高生が多いことがわかります。

特にSNSを通じて異性と知り合うケースが多いようで、「スマホを使って、SNSで知らない異性とコミュニケーションをした経験がある」と答えた中高生は60%にのぼることが判明。また、SNS上でのコンタクトにとどまらず、「SNS上のコミュニケーションを通じて、相手に恋愛感情を持たれた(または自分が持った)ことがある」という人も約5人に1人(22%)、「SNSをきっかけとして、知らない異性と実際に会ったことがある」という人は約7人に1人(14%)となっています。

約7人に1人の中高生が閲覧経験あり

SNSだけにとどまらず、スマホを持ったことで「出会い系サイト・アプリの広告や情報を目にすることが増えた」という中高生も54%と半数以上に。

また、「出会い系サイト・アプリがどのようなサービスなのか興味がありますか?」という質問では、約4人に1人(23%)が「ある」と回答しているほか、「実際に出会い系サイトやアプリを閲覧してみたことがある」という中高生も約7人に1人(15%)にのぼりました。現在、法律により、18歳未満の出会い系サービスへの登録は固く禁じられていますが、興味本位でサイトやアプリを覗いてしまう中高生は少なくないようです。

親は把握していない可能性が大

「実際に出会い系サイトやアプリを閲覧してみたことがある」と回答した中高生に、「閲覧したことを誰かに話しましたか?」と聞いたところ、「友人・同級生」(27%)、「学校の先輩」(11%)などの回答は見られたものの、半数以上が「誰にも話していない」と回答。「親」と回答した中高生は4%にとどまり、親たちが知らぬ間に子どもが「出会い系サイト・アプリ」を閲覧している可能性が高いようです。

「スマホやSNSを通じた異性との出会いには危険があると思いますか?」という質問では、約9割(89%)が「そう思う」と回答。ネットを通じた出会いのリスクを理解しながらも、出会いへの興味が勝ってしまう中高生が少なくない状況が浮き彫りになりました。

現在はSNSを通じた出会いで子どもが事件に巻き込まれるケースや、騙されて裸の画像を送信させられる「自画撮り被害」、さらに裸の画像をネタに脅迫されて性被害を遭うなどのトラブルが増加しています。

専門家が子どもの被害を防ぐためのポイントを解説

こうした状況について、子どものSNS・スマホの利用実態に詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんは「最低限やっておきたいのが、子どもに適さない有害サイトやアプリを自動的にブロックする『フィルタリングサービス』です」と指摘しています。

続けて、高橋さんは「現在、携帯電話会社各社が『フィルタリングサービス』を提供していますので、これらを活用することで出会い系サイトなどへのアクセスを防ぐことができます。また使用するお子様の年齢によって、出会いにつながるSNSの利用を制限することも可能です。なお、18歳未満には『フィルタリングサービス』の設定が義務付けられていますので、必ず利用するようにしてください。さらに、iPhoneの場合は、ペアレンタルコントロールでSNSの利用を制限したり、アプリごとの利用制限をしたりすることもできます」と親世代にアドバイスしています。

しかし、SNSはスマホだけでなく、ゲーム機や契約が切れた中古スマホなどからも利用が可能。子どもが隠れて利用していた場合、被害に遭っても保護者に相談できず、被害が拡大してしまう危険性があります。

この問題について、高橋さんは「SNSについては、フィルタリングによる制限という方法もありますが、まずは親子でのルール決めが大切です」と解説。子どもにスマホを持たせる際には「ネット上では年齢や性別などを偽れること」「出会い系被害が多数起きていること」をしっかりと保護者から話し、「ネット上で知り合った人とは会わないこと」と約束しておくことが大事だと語っています。

さらに、いざという時には「親自身が必ず味方になること」とあわせて伝え、普段から何かあった時に子どもが相談しやすい関係性を築いておくことが重要だと高橋さんは指摘しています。

また、電気通信事業者協会は携帯電話事業者と連携し、家庭でのルール作り推進やフィルタリングの普及などの啓発活動を実施。親だけでなく、社会全体が責任を持ち、子どもが安心してインターネットに親しむことができる環境や仕組みをつくるための取り組みが広がりを見せています。

春休みの時期は特に子どもの被害が懸念されるだけに、今回の調査結果を基に親子で話し合ってみるのも有効な予防策となりそうです。

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佐藤 勇馬
この記事を書いた人

佐藤 勇馬

新宿・大久保在住のフリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にスカウトされて以来、芸能、事件、ネットの話題、サブカル、漫画、プロレスなど幅広い分野で記事や書籍を執筆。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など。 Twitter:ローリングクレイドル

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