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5月3日(現地時間)にフロリダ州マイアミで、世界最高峰のスケートボードコンテストのストリートリーグ(Street League Skateboarding以下SLS)2025年シーズン初戦が開催され、男子はアメリカのナイジャ・ヒューストン(30歳)が昨年のスーパークラウンに続いて連勝。
これでSLS勝利数27回(SLS初年度のスーパークラウンは開催されずにポイントで総合優勝を決めたのでそれを含めるとトロフィー数は28個、筆者調べ)と伸ばした。
準優勝は、ポルトガルのグスタボ・リベイロ(24歳)、3位にブラジルのフェリペ・グスタボ(34歳)となった。日本からは白井空良(23歳)、根附海龍(21歳)、池田大暉(18歳)が出場し、白井と根附が予選を突破して、決勝に進出。
白井は惜しくも4位、根附はシングルトリックを決めきることができず、6位となった。
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女子はブラジルのライッサ・レアウ(17歳)が昨年の東京大会、ブラジルのスーパークラウンに続いて3連勝!SLS通算優勝回数を13と伸ばした。準優勝は、オーストラリアのクロエ・コベル(15歳)。パリオリンピック金メダリスト、吉沢恋(15歳)が3位で表彰台入りを果たした。
日本勢は他にも、西矢椛(17歳)が4位、織田夢海(18歳)が5位、中山楓奈(19歳)が6位でフィニッシュ。上村葵(16歳)は予選敗退となった。
SLSは世界中から厳選され、招待を受けたトップスケーターのみが出場できる、世界最高峰の大会。年間通して行われる各大会でポイントを獲得し、ポイントランキングの上位者は最終戦となるスーパークラウンへの出場権を手にすることができる。
今大会、SLS日本人最多優勝者でオリンピック連覇の堀米雄斗は出場していない。
【SLS2025のルールと今後の予定】
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●SLSは45秒間自由にコース内を滑走するライン(五輪で言うところのラン)を2本と、コース内の自由な場所で1発技を行うシングルトリック(五輪で言うところのベストトリック)5本行い、最終的にラインとシングルトリック上位4本の合計得点で、順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。
※ ラインのスコアは最大でも1つのみのカウントとなり、オリンピックのように必ずカウントされるわけではないため(五輪はラン2本中、必ず1本が合計得点にカウントされる)ラインをミスしてもシングルトリックで逆転が可能。
※ 9点台の得点はナインクラブと呼ばれ、賞賛される。
●判定は「達成度」「難易度」「多様性」「独自性とスタイル」これらの要素を基準とした総合的な判断により行われ、5名の審査員が10点満点方式で採点。
1トライに対して、最高点と最低点を除いた3つの得点の平均点が算出される。
●男子は20人が、それぞれ5人ずつ4つのグループに分かれて、予選となるKNOCKOUT ROUND(ノックアウトラウンド)を行い、各グループの勝者と、グループ勝者を除いた全体のトップと2位(セカンドチャンス)が決勝に進出(合計6人)。
女子は10人が5人ずつ2つのグループに分かれて予選を行い、各グループ上位3人が決勝に進出(合計6人)。
●今後はアリーナ大会が10月11日にパリで、12月6日から7日にブラジルのサンパウロでスーパークラウンが予定されている他、テイクオーバーイベントが5月23日にサンタモニカでの開催が予定されている(テイクオーバーは全4戦で、残り3戦の詳細は未定)
※テイクオーバーは、実際にストリートに存在した歴史的なスポットを舞台にして開催され、ジャム形式で予選を行い、その後ベストトリックで決勝を行うとのこと。
※5月5日時点
【女子ノックアウト ラウンド】
SLS2025マイアミ大会男女予選の映像
(rumble:https://rumble.com/v6sh1sl-2025-sls-miami-womens-and-mens-knockout-rounds-and-finals.html)
女子のノックアウトラウンド。
第1グループに日本から中山楓奈、西矢椛が出場。アメリカ勢はマライア・デュラン、赤間凛音に代わっての出場となったポエ・ピンソン。そしてブラジルのライッサ・レアウがここで登場。
このグループはライッサが圧倒的強さで、トップ通過。
続いて西矢、中山の3人が決勝に進出し、SLS好きの人なら予想通りといった展開。
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ちなみにこのグループ、FOD放送で日本の解説陣(瀬尻稜、池田幸太、池慧野巨)大注目だったのがポエ・ピンソン。
滑走中もヘッドフォンを外さないスタイルはパリオリンピックの時と変わらずで、今大会ではロングレールでの50-50グラインドからレイトショービットアウトやケーブマンボードスライドなど、彼女ならではのトリックを見せ、見る人を楽しませてくれた。
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第2グループ、日本から上村葵、吉沢恋、織田夢海が出場。アメリカからペイジ・ハイン。オーストラリアのクロエ・コベルがここで登場。
このグループはクロエがトップ通過。続いて織田、吉沢が決勝進出を果たした。
上村は最後までハンドレールでの超高難度トリック、バックサイドノーズブラントスライドに果敢に挑んだが残念ながらメイクできず、ここで敗退。これにより女子決勝進出者はライッサ、西矢、中山、クロエ、吉沢、織田の6名となった。
【過酷すぎるでしょ!男子ノックアウト ラウンド】
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男子のノックアウトラウンド。第1グループに池田大暉が登場。
他には急遽参戦となった今大会最年長出場となる、プエルトリコの39歳マニー・サンティアゴ。アメリカのブレイデン・ホーバンと、こちらも急遽参戦となったジェイク・イラーディ。そして2023年のスーパークラウン王者、ブラジルのジオバンニ・ビアンナが登場。
池田は1本目のラインで、フルメイクの滑りを見せ(7.8点)3番手でシングルトリックに進む。シングルトリック1本目、かなり落差のあるビッグギャップでハードフリップ(8.1点)、4本目にバックサイド360(8.5点)を決めるが、他は失敗してしまいシングルトリックを3本揃えることができず、予選敗退。
このグループを制したのはジオバンニ・ビアンナ。
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第2グループに根附海龍が登場。
他はブラジルのケルビン・ホフラー、フランスのヴィンセント・ミルー、コロンビアのジャンカルロス・ゴンザレス、アメリカのクリス・ジョスリンが出場。
根附はライン1本目、フルメイク(ミスなく滑りきること)を見せると9.1点を獲得。2本目ではさらに完成度を上げたラインで9.3点を獲得し、暫定トップでシングルトリックセクションに臨む。
シングルトリックではハンドレールで、ヒールフリップ フロントサイドブラントスライド フェイキー(8.8点)。
ハバレッジで、ヒールフリップバックサイドテールスライド フェイキー(8.1点)。
ビッグギャップで、バックサイドレイトビッグスピン(9.1点)を決め、このグループ1位で予選通過を決めた。
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第3グループに優勝候補の白井空良が登場。
他にはブラジルのフィリペ・モタとフェリペ・グスタボ。
アメリカのアレックス・ミドラー、ポルトガルのグスタボ・リベイロが出場。
白井はライン1本目、ラストトリックのキャバレリアル バックサイドテールスライドをミスしてしまう。
2本目では滑走中に靴紐がほどけてしまい、滑りにくそうに見えるシーンもあったが、それでも最後のトリックまでフルメイク(9.0点)して、サムライポーズ。
直後にグスタボ・リベイロが、バックサイドKグラインドからのノーリーフリップアウトや、ビガースピンフリップなどを見せるフルメイクの滑りで9.1点。
シングルトリック1本目。
白井はギャップtoトライアングルレッジで、アーリーウープからのフロントサイド180フェイキー5-0グラインド(通称ソラグラインド)で9.1点を獲得し、合計18.1点。
直後のグスタボ・リベイロもハンドレールで、フロントサイドノーズグラインドからノーリーフリップアウトを決め9.0点を獲得し、合計18.1点で白井に並ぶ。
シングルトリック2本目。
白井はハバレッジで、アーリーウープからのバックサイド180フェイキー5-0グラインドを狙うがミス。
するとグスタボ・リベイロは、ハンドレールで360キックフリップノーズブラントスライドを決め8.9点を獲得し、白井を突き放す。
シングルトリック3本目。
白井は2本目にミスした、バックサイド180フェイキー5-0とサムライポーズを決め、驚異の9.6点を獲得し、暫定首位に。
直後のグスタボ・リベイロは、ハンドレールでフロントサイドノーズブラントスライドからノーリーヒールフリップアウトを決めるが、着地で少しプリモ(デッキを縦にキャッチすること)気味だったため、スケッチー(完璧ではないこと)判定で8.7点。
これには会場からもブーイングが起こったが、今年のSLSは少しでもスケッチーなメイクには厳しく得点をつけている印象だった。
しかしそれだけ、男子のトリックが極限まで来ており、10点満点での採点が難しくなって来ているのだろうなとも感じる一幕だった。
シングルトリック4本目。
暫定2位の白井はハバレッジで、ノーリービッグスピン バックサイドテールスライドを決め、8.8点を獲得し再び暫定首位に。
続くグスタボ・リベイロはハバレッジで、バックサイドKグラインドからのノーリーバリアルヒールフリップをミス。
5本目は2人ともミスし、このグループは白井がトップ通過を果たした。
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第4グループに昨年のスーパークラウン王者、ナイジャ・ヒューストンが登場。他にアメリカのダショーン・ジョーダン、マイアミが地元のジェイミー・フォイ、そしてシェーン・オニールに代わっての出場となった、デイビッド・レイズ。
そしてカナダの38歳、ライアン・デセンゾが出場。
ライン1本目ではナイジャが後半まで素晴らしい滑りを見せるが、ラストトリック直前にカメラマンに進路を邪魔され、ギリッギリ最後のトリックがカウントされないアクシデントが(7.9点)。これには王者も苦笑いでジャッジに抗議するシーンも(ニコニコ顔が逆にちょっと怖かった)。
ライン2本目では、これまたラストトリック直前にランニングプッシュをミスしてしまうという不運なアクシデント(8.0点)。
シングルトリック1本目。
ナイジャはトリックをミス、もう1本も外せない展開に追い込まれる。
シングルトリック2本目。
ナイジャ、ギャップtoトライアングルレッジで、ノーリーバックサイドノーズブラントスライドを決め、9.0点。
シングルトリック3本目。
ナイジャ、ハバレッジでスイッチヒールフリップ フロントサイド5-0グラインド180アウトを決め、9.1点。
シングルトリック4本目。
ナイジャ、ビッグギャップでスイッチフロントサイドヒールフリップを決め9.1点を獲得し、ここで首位に立つ。
シングルトリック5本目。
ナイジャはすでに予選通過が決定した場面だったが、ビッグギャップでノーリーインワードヒールフリップを決め9.3点を獲得。
さすがとしか言いようがない強心臓の、シングルトリック4本連続ナインクラブ達成で、このグループトップ通過を果たした。
これにより予選通過者は、ジオバンニ・ビアンナ、根附海龍、白井空良、ナイジャ・ヒューストン。
セカンドチャンス通過者は、グスタボ・リベイロ、フェリペ・グスタボ、以上の6人となった。
【SLSの女王が3連覇/女子決勝】
SLS2025マイアミ大会男女決勝の映像
女子決勝は、中山楓奈、織田夢海、西矢椛、吉沢恋の日本勢4人と、クロエ・コベル、ライッサ・レアウで争われた。
ちなみにSLSは昨年行われたスポットイベントのAPEXシリーズを除くと、2022年からは、ライッサかクロエしか優勝していない。
※女子は2018年度のスーパークラウン(開催は2019年1月)で西村碧莉が優勝して以来、日本勢ではいまだ優勝者はいない(APEXシリーズを除く)。
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【ライン1本目】
第1滑走者の中山。
ハンドレールでのフロントサイドフィーブルグラインドや、バンプでバックサイドヒールフリップ、ハバレッジで彼女の代名詞となるフロントサイドKグラインドなどフルメイクの滑りを見せ、5.8点を獲得。
第2滑走者の織田。
ノーリーキックフリップのバンクイン、バンプでスイッチキックフリップ、ギャップtoトライアングルレッジでフロントサイド5-0グラインド、ハンドレールでフロントフィーブルなどを決めるフルメイクの滑りを見せ、6.2点を獲得。
第3滑走者の西矢。
ハンドレールでサラダグラインド、バンプtoレッジでバックサイドスミスグラインドを決めるが、トライアングルレッジでフロントサイド50-50グラインドをミス(3.1点)。
第4滑走者の吉沢。
ハンドレールでフロントフィーブル、ダウンレールでフロントサイドブラントスライド、ハバレッジでバックサイドノーズスライドなど、フルメイクの滑りを見せ6.2点を獲得。
織田と得点並んで暫定首位に。
第5滑走者のライッサ。
序盤にミスがあり、早々に滑りを中断。
最終滑走者のクロエ。
ハンドレールでノーズグラインド、ハバレッジでバックサイドスミスグラインド、バンプで360フリップなどを決めるが、最後のステアでのヒールフリップをミス。
それでも6.8点を獲得し、暫定トップに。
【ライン2本目】
中山は1本目より難易度を上げた滑りに挑むが、ハンドレールでのフロントサイドブラントスライドをミスしてしまい、1本目の得点を伸ばせず。
織田も序盤にミスがあり、得点を伸ばせずに終わる。
西矢は1本目にミスのあったトライアングルレッジを攻略すると、最後までしっかり滑りきり6.3点を獲得し、暫定2位に。
吉沢は中盤で360フリップをミス。
ライッサはハバレッジを、フロントサイドノーズグラインド、バンプtoレッジでノーリーバックサイドKグラインド、バンプでヒールフリップ。
ハンドレールでフロントサイドブラントスライド、レールでバックサイドテールスライドなどフルメイクの滑りを見せ、7.5点を獲得して暫定首位に。
クロエは途中、キンクレールでフロントサイド50-50グラインドから、フロントサイドボードスライドの掛け替え。
1本目でミスした、ラストトリックのヒールフリップもしっかり決め、7.9点を獲得しライッサを抜いて首位に立つ。
ラインセクション終了時点で、首位はクロエ、2位がライッサ、3位が西矢、4位が織田、5位が吉沢、6位中山の順でシングルトリックへ進む。
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【シングルトリック1本目】
※()内は合計得点
ここで滑走順が変わり、ラインセクションで順位が低かった選手からとなる。
中山、ハンドレールでフロントサイドKグラインドを狙うがミス(5.8)。
吉沢、ハンドレールでキックフリップ フロントサイドボードスライドを決め7.6点(13.8点)
織田、ハンドレールでキックフリップ フロントサイドボードスライドを決めるが、着地が少しブレてしまい7.3点(13.5)
西矢、ハバレッジでバックサイドKグラインドからノーリーヒールフリップアウトを決め9.0点(15.3)
ライッサ、ハンドレールでキックフリップ フロントサイドボードスライドを決め7.6点(15.1)
クロエ、ビッグギャップでキックフリップを決め8.6点(16.5)を獲得し首位。
【シングルトリック2本目】
中山、ハンドレールでフロントサイドブラントスライドを狙うがミス(5.8)。
吉沢、ハンドレールでビッグスピン フロントサイドボードスライド ショービットアウトを狙うがミス(13.8点)
織田、ハンドレールでキックフリップ フロントサイドフィーブルグラインドを狙うがミス(13.5)
西矢、ここでニュートリックとなる、ハンドレールでのスイッチフロントサイド270ボードスライドを狙うがミス(15.3)
ライッサ、ハンドレールでフロントサイドブラントスライド ショービットアウトを決め8.4点(23.5)暫定首位に。
暫定2位のクロエ、レッジでバックサイドKグラインドからノーリーフリップアウトを狙うがミス(16.5)。
【シングルトリック3本目】
中山、ハンドレールで再びフロントサイドブラントスライドを狙うがミス(5.8)。
吉沢、ハンドレールで再びビッグスピン フロントサイドボードスライド ショービットアウトを狙うがミス(13.8点)
織田、ハンドレールで再びキックフリップ フロントサイドフィーブルグラインドを狙うがミス(13.5)
暫定3位の西矢、ハンドレールで再びスイッチフロントサイド270ボードスライドを狙うがミス(15.3)
首位のライッサ、ハンドレールでキックフリップ バックサイドリップスライドを決め8.6点(32.1)で後続を突き放す。
暫定2位のクロエ、レッジで再びバックサイドKグラインドからノーリーフリップアウトにトライ、見事成功し7.5点を獲得(24.0)。
【シングルトリック4本目】
暫定6位の中山、ビッグギャップでヒールフリップを狙うがミス(5.8)。
暫定4位の吉沢、ハンドレールで再びビッグスピン フロントサイドボードスライド ショービットアウトにトライし、完璧にメイク8.9点(22.7点)暫定3位に浮上。
暫定5織田、ハンドレールで三たびキックフリップ フロントサイドフィーブルグラインドを狙うがミス(13.5)。
暫定4位の西矢、ハンドレールで三たびスイッチフロントサイド270ボードスライドを狙うがミス(15.3)
暫定首位のライッサ、ハンドレールでキックフリップ フロントサイドブラントスライドを狙うがミス(32.1)。
暫定2位のクロエ、ステアでスイッチキックフリップに挑むが、着地で惜しくも失敗(24.0)。
【シングルトリック5本目】
※ここで滑走順が変わり、順位が一番低い選手からとなる。
暫定6位の中山、再びビッグギャップでヒールフリップを狙うが、着地で惜しくも板が折れる(5.8)。
暫定5織田、最後までキックフリップ フロントサイドフィーブルグラインドに挑んだが決めきれず(13.5)。
暫定4位の西矢、こちらも最後までスイッチフロントサイド270ボードスライドにこだわったが、決めることができずに終わる(15.3)。
暫定3位の吉沢、ハンドレールでフロントサイドハリケーングラインドを狙うが失敗(22.7点)。
暫定2位のクロエ、8.2点を獲得すれば首位に立つ場面で、再びステアでスイッチキックフリップに挑むがまたもや着地で失敗(24.0)。
この時点でライッサの優勝が確定。
ウイニングランとなったライッサは、ハンドレールでキックフリップ フロントサイドブラントスライドを狙うが着地で失敗(32.1)。
終わってみればシングルトリック3本揃えられたのは、ライッサのみという意外な展開で女子決勝は幕を閉じた。
【2大会連続キング降臨/男子決勝】
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男子決勝はフェリペ・グスタボ、グスタボ・リベイロ、根附海龍、白井空良、ジオバンニ・ビアンナ、前回大会(スーパークラウン2024)王者ナイジャ・ヒューストンで争われた。
【ライン1本目】
フェリペ、フルメイクの滑りを見せることができず6.6点。
グスタボ、こちらもフルメイクの滑りができず7.1点。
根附、レッジでフロントサイドテールスライド ヒールフリップアウト(着地で少しブレる)、ハバレッジでヒールフリップ バックサイドスミスグラインド、ハンドレールでヒールフリップ バックサイドリップスライドなどを決める、フルメイクの滑りで8.9点。
ジオバンニ、ハンドレールでハーフキャブバックサイドスミスグラインド、トライアングルレッジでフロントサイドKグラインド、ダウンレールでヒールフリップフロントサイドボードスライド、ハバレッジでキャバレリアル ノーズスライドなどフルメイクの滑りで9.0点を獲得。
ナイジャ、ハンドレールでスイッチフロントサイドリップスライド、バンプtoレッジでバックサイド180ノーズグラインド、ハバレッジでスイッチフロントサイドノーズグラインド、バンプでハーフキャブキックフリップとノーリーバックサイドヒールフリップ。
最後はビッグギャップで、スイッチフロントサイド キックフリップを決めると9.3点を獲得。
白井、ハンドレールでシュガーケーングラインド、バンプでフロントサイドビッグスピン、ギャップtoトライアングルレッジで、フロントサイド180フェイキーバックサイド50-50グラインド、ハバレッジでキャバレリアル バックサイドテールスライドなどを決めるが、途中キンクレールでのバックサイド5-0グラインドがバランスを崩し、50-50グラインドになってしまい、得点は9.0止まり(それでもナインクラブだが)。
【ライン2本目】
フェリペ、1本目に続きフルメイクの滑りを見せることができず1.7点。
グスタボ、ハンドレールでキックフリップ フロントサイドボードスライド、ハバレッジでキックフリップ バックサイドノーズスライド、レールでバックサイドKグラインドからノーリーフリップアウト、最後はハンドレールでビガースピンフリップ フロントサイドボードスライドを完璧に決め、9.1点を獲得。
根附、レッジでフロントサイドテールスライド ヒールフリップアウト(またもや着地で少しブレる)、最後はハンドレールでヒールフリップ バックサイドテールスライド フェイキーを決めるフルメイクの滑りで9.2点を獲得。
ジオバンニ、レールでフロントサイドフィーブルグラインド ワンフットという珍しい技を見せるが、途中でミスがあり得点を伸ばせず。
ナイジャ、途中でミスがあり、こちらも得点はそのまま。
白井、1本目でミスのあったキンクレールでの、バックサイド5-0グラインドをしっかり修正するも、ラストトリックのキャバレリアル バックサイドテールスライド(おそらくビッグスピンアウトを狙ったか?)をミスしてしまい、こちらも得点は変わらず。
ナイジャ9.3点、根附9.2点、グスタボ9.1点、白井とジオバンニが9.0点という超大接戦でシングルトリックに進む。
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【シングルトリック1本目】
※()内は合計得点
ここで滑走順が変わり、ラインセクションで順位が低かった選手からとなる。
フェリペ、ハバレッジでスイッチキックフリップ バックサイドノーズグラインドをミス(6.6)。
白井、ギャップtoトライアングルレッジでアーリーウープからの、フロントサイド180フェイキー5-0グラインド(ソラグラインド)をミス(9.0)。
ジオバンニ、ハンドレールでキャバレリアル フロントサイドブラントスライドを決め9.0点(18.0)。
グスタボ、ハンドレールでフロントサイドノーズグラインド ノーリーフリップアウトを決め9.0点(18.1)。
根附、ハンドレールでノーリーインワードヒールフリップ ボードスライドを狙うがミス(9.2)。
ナイジャ、ギャップtoトライアングルレッジで、ノーリーバックサイドノーズブラントスライドを決め9.0点(18.3)。
※このトリックでナイジャ通算100回目のナインクラブらしい。
【シングルトリック2本目】
フェリペ、ハバレッジでスイッチキックフリップ バックサイドノーズグラインドを決め9.0点(15.6)。
白井、再びギャップtoトライアングルレッジでアーリーウープからのフロントサイド180フェイキー5-0グラインド(ソラグラインド)を狙うがミス(9.0)。
ジオバンニ、ハンドレールでフロントサイドハーフキャブ バックサイドスミスグラインドを狙うがミス(18.0)。
グスタボ、ハンドレールでフロントサイドノーズブラントスライド ノーリーヒールフリップアウトを決め9.1点(27.2)。
根附、ハンドレールでノーリーインワードヒールフリップ ボードスライドを決め9.0点(18.2)。
ナイジャ、ハバレッジでスイッチヒールフリップ バックサイドKグラインドを決め9.2点(27.5)。
【シングルトリック3本目】
フェリペ、ハバレッジでスイッチキックフリップ バックサイドテールスライドを決め9.1点(24.7)で暫定3位に。
白井、ギャップtoトライアングルレッジでアーリーウープからのフロントサイド180フェイキー5-0グラインド(ソラグラインド)を決め9.1(18.1)。
ジオバンニ、再びハンドレールでフロントサイドハーフキャブ バックサイドスミスグラインドを狙うが、惜しくも着地でミス(18.0)。
グスタボ、ハンドレールで360フリップ フロントサイドノーズブラントスライドを決め9.0点、ここで早くもナインクラブを4つ揃えて暫定首位に(36.2)。
根附、ハバレッジでヒールフリップ バックサイドテールスライド ビッグスピンアウトを狙うがミス(18.2)。
ナイジャ、ビッグギャップでスイッチフロントサイドヒールフリップを決め9.1点、こちらもここでナインクラブ4つ揃えて、再び暫定首位に(36.6)。
【シングルトリック4本目】
暫定3位のフェリペ、ハバレッジでスイッチキックフリップ フロントサイドテールスライドを決め9.1点(33.8)。
暫定5位の白井、ハバレッジでアーリーウープからのバックサイド180 フェイキー5-0グラインドを決め9.6点、暫定4位に浮上する(27.7)。
暫定6位のジオバンニ、ハンドレールでフロントサイドハーフキャブ バックサイドスミスグラインドを決め9.2点、暫定5位に浮上(27.2)。
暫定2位のグスタボ、ハンドレールで360フリップ フロントサイドノーズブラントスライド 270ショービットアウトを狙うがミス(36.2)。
暫定6位の根附、再びハバレッジでヒールフリップ バックサイドテールスライド ビッグスピンアウトを狙うがミス(18.2)。
ナイジャ、ビッグギャップでノーリーバックサイドキックフリップを狙うがミス(36.6)。
【シングルトリック5本目】
※ここで滑走順が変わり、順位が一番低い選手からとなる。
根附、最後もヒールフリップ バックサイドテールスライド ビッグスピンアウトを狙うが残念ながら決めきれず(18.2)。
ジオバンニ、ハバレッジでおそらくキャバレリアル フェイキーノーズグラインドを狙うがミス(27.2)。
白井、首位に立つには9.0点が必要な場面、ハバレッジでノーリービッグスピン バックサイドテールスライドは掛からず、残念ながら失敗(27.7)。
フェリペ、ハバレッジでスイッチキックフリップ フロントサイドノーズスライドを決め9.3点、順位を2位に上げる(36.5)。
グスタボ、トップに立つには9.5点が必要な場面、ハンドレールで360フリップ フロントサイドノーズブラントスライド 270ショービットアウトを見事に決め9.5点を獲得!ナイジャを0.1点差でかわして暫定首位に(36.7)
ナイジャ、再びトップに立つには9.2点が必要な場面で、ノーリーバックサイドキックフリップを決め9.2点を獲得!(36.8)。
グスタボに0.1点差をつけ、最後の最後に逆転優勝を決めた。
終わってみれば2位との差は0.1点差、3位との差もわずか0.3点差という大接戦。
余談だが、ナイジャの最終スコア36.8点は、昨年のスーパークラウンを制した時と全く同じ得点でもある。
【SLSマイアミ放送後記】

FODプレミアム日本語解説映像はこちら https://fod.fujitv.co.jp/title/80df/80df110002/
実は筆者のわたくし、恐れながらフジテレビの動画配信サービスFODにて今大会の進行・実況を仰せつかりまして、リアルタイムで予選から決勝まで、マイアミとの時差13時間という深夜の中、お送りさせていただきました(もちろん本来の放送作家としての仕事である、台本のお手伝いや資料作りなどもしつつ)。
解説には、オリンピックの名解説でおなじみの瀬尻稜君、日本一のポップ力を持つ池田幸太君、去年のX ゲームズ千葉大会優勝の池慧野巨君という豪華なメンツでしたが、序盤の女子予選はこの4人が集まって会話すること自体が初めてで、みんな探り探り。
目玉解説者の稜君もスーパースローテンションスタートだったが、決勝になり(日本時間午前6時半から)選手たちが次々と決めるビッグトリックで、次第にみんなのテンションもぐんぐん上がっていき、最後の男子決勝ではみんな放送に乗っかっていることを半分忘れて大興奮!
何も計算されていない、目くるめくドラマチックな展開に4人とも純粋に一人のスケーターとしてSLSを楽しんでいました。
あの時、解説者の3人が感じていたことを、見ている人たちに届けられていたのなら本望です。
最高に楽しませて頂きました。
5月13日の深夜25時25分から、地上波(フジテレビ)でも決勝の総集編が放送される予定(関東ローカル)ということなので、そちらもぜひ!
スケーター4人がワチャワチャしてるなぁくらいの、暖かい目で見ていただければと思います。
【SLS2025マイアミ女子リザルト】
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1位 ライッサ・レアウ(ブラジル)–32.1
2位 クロエ・コベル(オーストラリア)–24.0
3位 吉沢 恋(日本)–22.7
4位 西矢 椛(日本)–15.3
5位 織田 夢海(日本)–13.5
6位 中山 楓奈(日本)–5.8
【SLS2025マイアミ男子リザルト】
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1位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)–36.8
2位 グスタボ・リベイロ(ポルトガル)–36.7
3位 フェリペ・グスタボ(ブラジル)–36.5
4位 白井 空良(日本)–27.7
5位 ジオバンニ・ビアンナ(ブラジル)–27.2
6位 根附 海龍(日本)–18.2
文 小嶋勝美
スケートボード放送作家のスケーター