『サイレントラブ』山田涼介と浜辺美波が語る、2024年の抱負とは?

2024/01/12
石井隼人

声を捨てた青年と夢が途絶えかけた音大生。そんな2人がかけがえのない愛を見つけていく、世界でいちばん静かなラブストーリー『サイレントラブ』(1月26日公開)。その完成披露試写会が1月10日に都内映画館で実施され、山田涼介、浜辺美波、野村周平、古田新太、そして内田英治監督が出席した。

本作のタイトルが印字されたオレンジバルーンを手にした観客たちから拍手喝采を浴びながら、客席通路を通ってステージにラインナップした面々。声を出さない青年・沢田蒼役の山田は「いよいよ皆さんに観ていただく日が来たんだなという風に思っております」と初披露を前に緊張気味。不慮の事故で目が不自由になった音大生・甚内美夏役の浜辺も「撮影から1年半という事で遠い昔のような感覚ですが、皆さんと共に思い出しながら色々とお話をしたいです」と晴れやかな声色だった。

山田は内田監督との初タッグを振り返り「内田監督からは“死んだ魚のような目をして生きてほしい”と言われました」とまさかの指示を明かしながら「でもその言葉を初日に自分の中にふっと落とし込めた瞬間があって、そこから沢田蒼として生きることが出来たのではないかと思っています」と手応え。すると内田監督も「撮影中は存在を消されていて、どこにいるんだ?とよく探した。でも近くにいた」と山田の成り切りぶりを思い出し、当の山田は「ここにいるよ…となっていました」とニヤリとしていた。

山田にとって自身初のラブストーリー映画への挑戦だが「手話で伝えるという設定のラブストーリーはこれまであったけれど、そういうものを一切省いて体温でお互いの気持ちを感じたり、二人のやり取りの中で人差し指がポイントで、人差し指で合図をしたり、これまであまり見たことのないラブストーリーです。脚本も魅力的で、浜辺さんとラブストーリーをやる関係値も含めて今の自分に必要な作品なのではないかという特別な思いが沸き上がりました」と心境を打ち明けていた。

3か月のピアノ練習に加え、盲学校見学を経て本作に臨んだ浜辺は「後天的に目が見えづらくなる役だったので、どのような見え方をするのかとか白杖の使い方を教わったり、基礎を作り上げたりしてから撮影に臨みました」と回想し「どのくらい距離が近いと体温を感じるのかわからず不安でしたが、(山田や野村と)近い距離でいるとどっちがどっちかわかるくらい違うものがあって、台本の説得力に納得がいきました。目線を落としながら演じていたので、感性が研ぎ澄まされていたと思います」と実感を得ていた。

美夏の通う音大の非常勤講師・北村悠真役の野村は、本作の音楽を担当した久石譲の大ファン。「久石さんが音楽をやってくれるということでこの仕事を引き受けたくらい」と冗談めかしながら「そんな音楽に関われるのは今後の僕にとってもいい経験になると思った。この作品に関われただけでも幸せ」と嬉しそう。美夏の通う音大の校務員で蒼の先輩・柞田一平役の古田は、山田との共演を聞かれると「ドラマでも一緒にいたからもういいや!と思って喋らなかった。というか内田監督から『ふざけないでね』と言われたので」とサイレント状態で再共演したようだった。

オリジナルストーリーで脚本も手掛けた内田監督。「情報過多な世界なので静かな作品を作りたかった。ピアノをベースにした映画を10年くらい前からやりたかったので、今回チャンスに恵まれた」と述べて「(浜辺と野村は)常にピアノを練習されていたので、心が痛くなって申し訳なかった」と2人の熱心ぶりに感動。これに4か月のピアノ特訓を経て本作に挑んだ野村は「ピアノが弾けるようになった自分に対する自己満足があって、現場では“俺たち練習したんだぞ”とみんなに見せたかった」と笑うと、浜辺も「ピアノの前に行くとすぐに連弾しちゃったりして」とピアノ演奏を楽しんだ様子だった。

そんな中、内田監督の独特な演出の話題に。「目の奥10センチで美夏を見て」との指示を受けたという山田は「目の奥10センチは裏ですよ…と思いながら。自分にその言葉を落とし込むまでに時間のかかる表現をされるけれど、こういうことなのかな?と考えるのも楽しかった。今まで出会ったことのないような監督さんでした」と回想。浜辺も「監督は言葉数の少ない方で表情もなかなか読み取れない。どういう意味で言っているのかな?と常に疑問が頭を巡っているので、その意味では凄く頭を使う機会になりました」と独特な内田メソッドにハマっていた。

現場の雰囲気自体も“サイレント”だったそうで「静かな現場で、約1ヵ月の撮影期間中に浜辺さんと話した記憶がない。2人とも意識的に役を引きずっていたわけではなく、現場の雰囲気が全体的にそうだった」と山田が思い出すと、浜辺も「待ち時間も2人で違う方向を向いたりして、同じ方向を向いてもお互いに別のことを考えているだろうなと。会話はほぼなかった。私たち2人の時はボーッとした空気でした」と頷いていた。

新春にちなんで2024年の抱負を発表。山田は「僕はやりたいようにやりたいことをやって生きていく人間なので、あまり先のことを決めるのは得意ではない」と言いながら「目の前にあるのは『サイレントラブ』という映画が沢山の方に届いてくれれば…」と座長としてヒット祈願。浜辺は「今年は帰省したい。あとはホテルを取って行楽シーズンをずらして旅行したい。せっかくなので今年中には」と述べていた。

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石井隼人
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石井隼人

映画好きエンタメ系フリーライター。「来るもの拒まず平身低頭崖っぷち」を座右の銘に、映画・音楽・芸能・テレビ番組などジャンル選ばず取材の日々。ありがたいことに映画作品のパンフレット執筆、オフィシャルライター&カメラマンを拝命されたり、舞台挨拶の司会をしたり…何でもやります!

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