街中で就職活動中の学生たちを見かけるようになりました。リクルートスーツに身を包んだ彼らを見ると、昔の自分を見ているようで、心の中で「頑張れ!」という声をかけたくなります。もし、彼らと直接膝を突き合わして、話せる機会があったとしたら、どんなアドバイスを送るでしょうか。
そこで、今回は社会の荒波にもまれ、就活についてそれなりに失敗も成功した社会人として、就活生に伝えたい後悔しないためのアドバイスをまとめてみました。
まさかの1%未満!?大手狙いの就活が危ない理由
まず多くの学生に伝えたいのが、「大手狙いの就活は辞めよう」ということです。
なぜなら、中小企業と大手企業の割合は、99.7%(421万社):0.3%(1.2万社)と、ほとんどが中小企業という事実があるからです。それゆえ、大手だけに狙いをつけて就活をしてしまうと、結果、望むような内定が得られなくなる可能性があるのです。
さらに言えば、今の時代、大手企業だから安心ということもなくなりました。東芝の不正会計問題や電通の過労死問題など、ちょっとしたリスクで、大手の優位性が崩れ、瓦解してしまう恐れもあります。
まずは視野を広げ、どんな企業なのか、HPを見たり、その企業の公式SNSを探してみるのは当然。新聞や専門誌など、第三者の意見や情報をしっかりと調べ「知ること」から始めてみましょう。
やっぱり給料や福利厚生はとことんこだわれ!
就活生の多くは、「中小企業=給料が低く、福利厚生が充実していない」というイメージを持っているでしょう。たしかにすべての中小企業でこれらの満足度が高い、ということは少ないかもしれません。ですが、中小企業の中には、大手と同じくらいの待遇を提示するところも珍しくありません。ニッチな市場に目をつけて、大手ではマネできない方法で、業績を上げているところもあります。
それゆえ中小企業だから「仕方ない……」とあきらめず、最低限ココだけは譲れない、というところを決めて就職活動をすると、中小企業の絞り込みの目安になるかもしれません。給料も初任給こそ低くても、昇給率や平均年収では高い場合もあります。きちんと比較をしながら、自分のこだわりを持つようにしましょう。
ウソや誇張はあとで入社後の信用失墜にも。
就職活動をしていると、集団面接で「部活で全国大会に行きました」「TOEIC800点台です」という“猛者”と出くわします。ですが、こうしたライバルたちに触発されて、自分の長所を誇張する必要はありません。極端なアピールは入社後の自分自身の首を絞めます。英語がしゃべれるからと採用したのに、ふたを開けたら、英語でのコミュニケーションは数回程度。期待していたのに、ガッカリしたという声を聞いたこともあります。
ライバルのアピールに振り回されない!
アピールするときは自分が確実にできる範囲のことを伝える。たとえ誇張したとしても、ウソにならない範囲で伝える。採用側から見れば、どんなにすごいスキルを持っていたとしても、まだまだ社会人経験のない学生です。
スキルや特技をPRするよりは、世の中的にも、メンタルを心配する人が多くなっているので、精神面の強さをアピールして、「お、この子は元気がいいな」「へこたれても前向きに頑張ってくれるかな」と評価してもらったほうがいいでしょう。
決して楽しいことばかりではないかもしれませんが、ぜひとも就活生には前向きな気持ちで乗り越えてほしいものです。