新店舗を開店するにあたり、意外に後回しになるのがレジの準備だという。しかし、レジは販売店舗の要であり、今では売り上げや在庫を管理するだけのものではない。
株式会社リクルートライフスタイルが主催する「Airレジ カンファレス 2018」が1月30日に渋谷ヒカリエにて開催され、無料POSレジアプリ「Airレジ」をはじめとしたAirシリーズにおける業務支援サービスの実績進捗報告や、2018年の春から開始予定の新サービスについて発表された。
会場にはAirシリーズを体験できる「1日限定ストア」や、全サービスを実際に触って試せるタッチ&トライコーナーなども展開。各サービスがどのように店舗経営に利用できるのか、実際の使用感を体感できるコンテンツに店舗経営関係者等が列をなした。
新しく発表されたサービス
「Airレジ」は、レジ業務をスマートフォンやタブレットで行える無料POSレジアプリだ。2013年11月にサービス提供を開始してから咋年の時点でアカウント数が31.8万件を超えているという。
また、全国の「ビックカメラ」内に開設されている「Airレジ サービスカウンター」での相談数はこの1年で1.6倍、成約数は1.9倍に伸びており、国内においてPOSレジアプリを牽引している存在だ。
今回発表されたAirシリーズの新サービスは、シフト管理をする「Airシフト」、注文・配膳業務をスムーズにする「Airレジ ハンディ」、店の経営をアシストする「Airメイト」の3つ。
「Airシフト」は、グループ会社の株式会社リクルートジョブズ提供の「シフトボード」と連携することで、シフト調整から給与計算までを一括管理できる。シフト更新を自動でリマインドし、集まった予定を自動で調整する機械学習を備えているという。
「Airレジ ハンディ」は、スマホやタブレット画面でテーブル管理ができ、配膳状況などが一目でわかるアプリ。注文内容を再入力することなく、そのまま「Airレジ」で会計ができる。同社の「レストランボード」と連携することで、ネット予約と電話予約を一元管理できる他、顧客情報や商品(メニュー)情報をスタッフ内で共有可能だ。
「Airメイト」では、『じゃらん』『ホットペッパーグルメ』などと連携。リクルート社が長年にわたり独自に蓄積してきた飲食店や、ユーザーニーズなどの情報をビッグデータ化し、運営状況の改善に役立てることができる。
リクルートがもつ営業力を活用
発表会では、これら3つの新サービスを試験活用している「株式会社ダイニングファクトリー」の取締役 青山剛氏が登壇し、開発担当者とのトークセッションを行ないながら実際の使用感などを話した。
青山氏は「予約率やキャンセル率などが簡単に分るようになり、売り上げ損失の理由を客観的に分析できる。調理場は料理の人気の良し悪しを感覚より数値で理解できて、現場の人間の分析能力も向上した」と話した。
約2年半で廃業にいたった飲食店の数は124,834件にのぼる※。同社では、POSレジ設置の費用や維持費の削減だけでなく、人手不足や営業における手間やコストを省くためにAirシリーズを、ぜひ活用してほしいとしている。※参考:経済産業省「平成26年 経済センサス-基礎調査 事務所に関する集計」(2016年確報)
また、同シリーズの「モバイル決済 for Airレジ」では、LINE Pay、ビットコインの他、中国最大規模の決済プラットホーム「アリペイ」とも提携しアジア圏からの旅行者の利用拡大を狙う。JR東日本グループの「アトレ」や銀座最大の商業施設「GINZA SIX」※での導入も決定している。※一部店舗を除く
今後Airシリーズは、全国に広がるリクルート社の営業接点と連携を進めてゆく予定。情報誌やWEBサイトを運営する同グループならではの独自のサービスと発展に期待がもてそうだ。