鎧塚俊彦さん監修。農業からはじめるパティシエ育成コース!レコールバンタンに新設

2017/07/26
マガジンサミット編集部

「食」のデザインスクール Lecole Vantan(レコールバンタン)は、20184月より「Toshi Yoroizuka」のオーナーシェフ・鎧塚俊彦氏が監修する『グラン パティシエコース produced by Toshi Yoroizuka』(以下、グラン パティシエコース)を新しく開講する記者発表会をおこないました。

 

 

記者発表会では、開講に先駆けて鎧塚シェフとゲストの有森裕子氏が登壇しプロフェショナルな人材育成をテーマにトークセッションをおこなうとともに、会場内ではシェフ自らが製作するスイーツを試食できる計らいもあり、「Toshi Yoroizuka」統括シェフの吉田氏と、トークセッション会場である、ホテル インターコンチネンタル東京ベイ エグゼグティブシェフパティシエ・徳永純司氏らが腕をふるいました。

 

「本物」のパティシエを目指すために

鎧塚シェフが監修を務めるグラン パティシエコースは、20184月からの開講を予定しており、世界に通用するパティシエの人材育成を目的とし、2.5年生制のカリキュラムを実地します。

 

受講生は「Toshi Yoroizuka」のレシピをベースに、鎧塚シェフ等による一流の技術を教室実習や店舗実習にて学ぶとともに、店舗開業に必要なマーケテイングなどのビジネス力やデザイン力を養います。

 

 

また、鎧塚シェフの理念である「人としての軸がしっかりしている人は必ず本物を作れる人間になる」に基づき、素材の大切さを知るために、神奈川県小田原市早川の『一夜城 ヨロイヅカ・ファーム』での農園実習をはじめ、店舗実習・海外実習もふくめ「本物」の菓子職人を育成するカリキュラムを充実させているのが特徴です。

 

ヒューマンスキルを磨いて欲しい

鎧塚シェフは「パティシエとして農業からはじめて、自ら素材を育てお菓子作りを学んでほしい。農家の方からは、農業だけでなく人として学べることがたくさんある」と話し、作物を育て収穫する作業をとおして菓子作りの技術だけでなく、生産者とのつながりや菓子作りの精神を感じで欲しいとしています。

 

また、カリキュラムには食の世界を越えた多様な分野のプロフェッショナルやトップクリエイターがサポーターとして集結。トークセッションのゲストでもある、バルセロナ五輪女子マラソン銀メダリストの有森裕子氏をはじめ、『ラ・ベットラ』のオーナーシェフ・落合務氏やアソビシステム株式会社代表取締役社長の中川悠介氏、作曲家の三枝成彰氏など、菓子作りに必要なクリエイティビティや、心の構え、頭の構え、体の構えなどのヒューマンスキルを学ぶ特別授業を用意されているそうです。

 

教育ではなく“共育”

トークセッションにて、一流のパティシエになるために何が大切か?という質問をされると、鎧塚シェフは「29年間、菓子職人を続けているが、日本人が誇る職人力を大切に守り次世代に繋げてゆきたい。また同時に、時代にあわせて変えてゆかなければならないことも、たくさんある」と答え、有森氏は「最悪なときこそ、その状況で自分の最高(ベスト)を出せるか。スポーツに限らず、どんな世界でも“やりぬく力”が大切ではないか」と、どのような環境でもチカラを発揮できる順応性が求められると話しました。

 

「有(あり)さんは天才ではない普通の人だった。それがオリンピックで素晴らしい成績を残された。その過程で、どれだけ苦労されて努力されてきたのか…そういうことを生徒さんに伝えたい」と、誰もが夢を叶えるチャンスと、達成するためのチカラを信じて切磋琢磨してほしいとコメントしました。

 

また、世界的な成功を収めたパティシエとして、どのようなことを教えたいか? という問いかけに鎧塚シェフは「毎日、格闘しながら生きています。確かに格闘する場所や舞台がグローバルにはなってきているかもれませんが、まだまだ自分は未熟です。一方的に教えるなどということではなく、私も学びたい」と答えると有森氏は「教育ではなく“共育”ではないのか。生徒さんと一緒になって何かを生み出すこと、それが新しい発見と進歩につながる」と鎧塚シェフの考えに賛同しました。

 

 

株式会社バンタンの石川 広己代表取締役社長は、「現在までに約19万人が卒後し、バンタンでは、さまざまな教育や人材育成に携わっているが、大切なのは学生の未来を信じることだと思う。皆さんの情熱に応えてゆきたい。夢はあきらめないでほしい」と、機会(チャンス)を掴んでぜひ、世界に通用するパティシエになってほしいとコメントしました。

 

 

2.5年制を採用した理由を尋ねられると、鎧塚シェフは「伝えたいことがありすぎて2年では足りなかったのが一つ。もう一つはパティシエは夢のある仕事だが、やはり現場は厳しい。春に卒業し、実際、夏の時期に店で修行すると、その辛さに辞めてしまう生徒も少なくなく、12月からバレンタインにかけての繁忙期には人手不足になる。従来のカリキュラムよりも、より、しっかり研修して現場に出てもらいたいとバンタンさんにお願いした」と、離職率を食い止めるためにもケアをしっかりおこないたい意向を示しました。

 

試食させていただいたスイーツ。繊細な甘さと美しさが際立つ一品。仕事中なのに思わず「幸せ」を感じてしまいました。

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