ゲームエンジンを本格利用した国内初の体験型スマートフォンアプリ「ハイパー江戸博」の第2弾として「ハイパー江戸博 明治銀座編」を、東京都江戸東京博物館が4月26日にリリースした。リリースに合わせて、同日には報道関係者に向けた制作発表会が開催された。
「ハイパー江戸博」は、江戸東京博物館が長期休館の間も、継続的に江戸・東京の暮らしや文化、歴史を学べるコンテンツとなっている。博物館が有する豊富な知識と資料に、ゲーム会社が得意とする参加性が融合。第1弾「江戸両国編」は累計約5万ダウンロードを達成した。
第2弾「明治銀座編」は、江戸から東京へ変わる明治初年から始まり、舞台は銀座四丁目の交差点となっている。電気やガス、電車や車といった近代社会のはじまりから、華やかな生活文化であるファッションや食、夏目漱石や永井荷風といった文豪も登場する。
2022年4月にリリースされた第1弾「江戸両国編」は、江戸時代の両国を舞台に制作。そして第2弾「明治銀座編」は、文明開化にきらめく明治時代の東京銀座が舞台となっている。いずれの空間およびキャラクターも、3Dモデリングで緻密に作られており、アーカイブとしての価値のみならず、博物館主導ならではのモデルデータの利活用がなされている。本アプリの舞台となる明治時代の銀座は、江戸東京博物館が所有する銀座煉瓦街の模型をもとに3D空間で再現されているため、45年間つづく明治銀座の建物群が変容する様をCGで楽しむことができる。
「明治銀座編」では、操作するキャラクターが前作の1人から3人に拡大。ユーザーは、それぞれの時代ごとに登場するキャラクターを操作し、明治の銀座を散策していくことになる。江戸らしさが残る明治元年から現代へと近づく明治40年代まで、変わりゆく街や人を観察することができる。4つの時代を生きる男の子と女の子の成長をとおして、ある家族の物語が描かれる。
アプリの体験を表す3つのキーワードは、東京のはじまりを「さがす・みつける・あつめる」というもの。銀座煉瓦街模型をモデルにしたマップを自由に歩き回ることができ、4つの時代ごとの街並みや人々の変化も表現されている。RPGにあるいわゆる“クエスト”のように、「〇〇をさがそう」という指示に従い、この頃に生まれた最初のポストと言われている「書状集箱(しょじょうあつめばこ)」などの明治時代ならではのスポットやもの、文化をさがす、みつける、あつめる流れになっている。
集めたものは、解説文とともに当時の浮世絵や書籍、広告などの画像を眺めることができる。中には、江戸東京博物館の展示品をもとに3Dモデルにしたものもあり、写真機などの道具を使用している様子をアニメーションで見ることや、ARでスマートフォンのカメラを通して現実世界の映像に融合させることもできる。