みなさまは、“ショーン・タン”という名前、聞いたことございますでしょうか。“しょこ・たん”ではございません。ショーン・タンでございます。
何年か前に、読書芸人カズレーザーさまが、「アメトーク!!」(テレ朝)で、「絵がとんでもねえ緻密」「全員が感動できる」と絶賛、話題になったので、お記憶の方もいらっしゃるかもしれません。
カズレーザーさまが絶賛した絵本「アライバル」は発売当時、世界中で話題に。文章が一切使われていない絵本で、とにかくイマジネーションを刺激。内容も移民を描いた作品で、世界中の大人たちの心を鷲掴みにしました。
ちなみに、ショーン・タンさまは、オーストラリア生まれの現代アーティストで、絵本作家、イラストレーター、舞台監督、映画のコンセプトアーティスト…とマルチに活躍されており、2011年には9年かけて映画化した作品「ロスト・シング」でアカデミー賞短編アニメーション賞も受賞されております。
そのショーン・タンさまが今、旬なのでございます。
ショーン・タンさまの大規模個展が、今年、全国で開催中でございます。大規模展が開催されていた横浜の「そごう横浜店」では、35周年のメインビジュアルにも採用されております。さらに、糸井重里さまも大ファンで、「ほぼ日手帳」でもショーン・タンさまの手帳が今年、ラインナップされております。
さらに、新作の「内なる町から来た話」が、今年、世界三大児童書賞のひとつ、ケイト・グリーナウェイ賞(2020年度)を受賞されております。
「内なる町から来た話」(作:ショーン・タン 訳:岸本 佐知子 出版社:河出書房新社)
この最新刊、「内なる町から来た話」がゴイスーにかっこいいのでございます。短編小説集であり、画集であり、絵本であり、様々な要素で楽しめる、これまでにない新しいスタイルのコンテンツなのでございます。
ちなみに、女優の南沢奈央さまは読売新聞のインタビューで、このように語っておられました。『これはだれかに贈りたくなる本。私も25ある話のうちまだ半分も読んでいないのに新たに本書を購入し、「とりあえず何も聞かずに開いてみて」と友人に渡した。読んでいる最中から、だれかに教えたいを越えて、だれかに贈りたくなる』。
そう、とにかく、かっこいいのございます。「こんなの見つけたよ」と教えたくなる本なのでございます。
まさに、今年のクリスマスプレゼントにオススメの一冊ではないかと。アートや文学好きの大人にプレゼントすると、喜ばれること、間違いナッシングでございます。
「会議室で重役がカエルに変わってしまった話」や「ビルの87階に住んでいるワニの話」、「人間を訴えたクマ」、「空を覆い尽くす蝶々」などなど、街に住む様々な生き物が主役の不思議な物語25編、お楽しみ頂けます。
社会派であり幻想的であり、さらに、そこに添えられている絵(絵が主役として楽しめます)がゴイスーに素晴らしい。まさに、大人のエンターテイメントでございます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)