今年もいよいよ年末の季節となりましたが、同時に本格的な寒さもやってきます。「冷え」は健康にとっても大敵なので、何らかの対策をしたいところです。
医療・介護・予防医療を行う桜十字グループでは、日々の生活に役立つ情報を届ける「SAKURA LIFE TIPS」を配信。今回は「温活」をテーマに医師の德永理衣さんが監修した冷え対策の情報を届けています。
末端冷え性と内臓冷え
冷えの種類を分けると「末端冷え性」と「内臓冷え」があり、末端冷え性の原因は血行不良によるもの。寒さや運動不足、ストレスなどが血流を滞らせるため体の末端が冷えてしまいます。また、内臓冷えは体の内臓器官や腹部が冷えている状態。内臓自体が冷えて体全体の温度調整が困難となってしまいます。
冷えの原因は寒冷環境、循環不良、代謝低下、筋肉量の減少、ホルモンの影響、ストレスや不安など様々。 体温が1℃下がると免疫機能が30%程度低下するとも言われ、感染症にもなりやすくなり、倦怠感や疲労感も感じるようになってしまうと考えられています。
医師が教える冷え対策のポイント
德永医師は冷え対策として
① 温かい飲み物や食事を心がけ、冷たいものを避ける。
② 体を温める食材を積極的に摂取する。
という2つのポイントを紹介。
また、体の内側から対策することが重要だそうで、飲み物や食べ物を変えるだけで温活ができると語ります。「冷たい飲み物やカフェインを含む飲料、アルコールは控えるといいでしょう。カフェインは利尿作用があり血液循環が悪化する可能性があります。アルコールは血管拡張に伴い、熱放散が増加し体温が下がりやすくなります。」と教えてくれました。
医療法人桜十字 メディメッセ桜十字予防医療センター医師 德永理衣さん
德永医師が温活ルーティーンを紹介
上記のポイントをふまえ、徳永医師が温活ルーティーンの1例を作成。実践できそうなものは生活に取り入れてみてください。
■朝のルーティーン例
1. 起床時は温かい飲み物を
• 起きてすぐに白湯やショウガ入りのお湯を一杯飲むことで内臓を温め代謝をスムーズにスタートさせます。
2. ストレッチやラジオ体操
起床後に滞った血流を促し、体を温めるためにストレッチを実施。
おすすめストレッチ
・キャットカウポーズ:背中を丸めたり反らしたりして血流を促進。
・足首回し: 座った状態で足首をゆっくり回す(片足10回ずつ)。
3. 朝食は温かい食べ物を取り入れる
体を温めるため、スープやおかゆ、温野菜を取り入れる。
おすすめメニュー
・ショウガ入り鶏団子と根菜のスープ
・味噌汁:発酵食品の味噌と野菜で体を中から温めます。
・オートミール粥:温かく消化によい朝食として最適。
・ハーブティーやスパイスティー:シナモンやジンジャー入りの温かい 飲み物で代謝をアップ。
4. 防寒対策を行う
朝は体温が低く冷えを感じやすい時間帯のため、首元や足元を温める防寒対策を。
おすすめアイテム
・スカーフやマフラー
・厚手の靴下やレッグウォーマー
・暖かいインナー(ヒートテックなど)
■夜のルーティーン例
1. 帰宅後は足元を温める
足元の冷えは全身の冷えにつながるため、温めます。
• 38~40℃のお湯に10分間足を浸すだけで、全身の血流が改善。
• 湯たんぽを足先や腰回りに置いてリラックス。
2. 入浴にも一工夫
入浴は冷え性改善に効果的。工夫するとさらに温まりやすくなります。
おすすめの方法
・お湯の温度: 38~40℃(高温すぎると逆に疲労感を感じるため注意)。
・入浴剤は炭酸ガス入りやショウガエキス配合のものを使用。
・入浴時間は15~20分を目安に全身浴を行う。
・睡眠に入りたい90分前に入浴すると質の良い睡眠になると言われています。
3. ストレッチ
寝る前にストレッチで体をほぐすと血流を改善しながらリラックスでき、睡眠の質も向上します。
おすすめストレッチ
寝転んで膝抱え: 仰向けになり両膝を抱える。腰回りを温める効果も。
4. 就寝前の飲み物
カフェインを避けた温かい飲み物を飲んで布団に入ると快適に眠りやすくなります。
おすすめの飲み物
・ハーブティー(カモミール、ルイボス)
・ホットミルク
・ショウガ湯(蜂蜜を加えてもOK)
5. 寝室環境
寝具や室温を工夫して冷えを防ぎます。
・電気毛布を寝る前にオンにして布団を温め、寝る際にはオフ。
・ウールやフリース素材の布団カバーを使用。
・室温は18~22℃が目安。必要に応じて加湿器を使用して乾燥を防ぎます。
6. 保温アイテム
内臓を保温することも重要なので腹巻きがおすすめ。全身の温度感が上がるので足首を温めるレッグウォーマーも効果的です。
冷え性セルフチェック
德永医師が監修した冷え性セルフチェック表もあるので、自分の冷え性がどの程度かをチェックしてみてください。
基本的な冷え性の症状
1.手足の先が冷たく、温まりにくいと感じることがある。
2.夏でも冷房が効きすぎた場所では寒さを感じる。
3.朝起きたときに布団が冷たいと感じることがある。
4.体温が36℃以下の日が多い。
5.夕方になると足がむくみやすい。
生活習慣や食事
6.冷たい飲み物やアイスを好んで摂ることが多い。
7.湯船にあまり浸からず、シャワーのみで済ませることが多い。
8.運動不足を感じている。
9.食事で野菜が不足していると感じる。
10.ダイエットで食事量を極端に減らした経験がある。
血流や体質
11.肩こりや首のこりが慢性的にある。
12.寒さを感じるとお腹を壊しやすい。
13.貧血を指摘されたり、めまい症状を感じることがある。
14.眠りが浅く、朝起きても疲れが取れない。
15.ストレスを強く感じることが多い。
■判定結果
「はい」の数が5個以下
冷え性の傾向は軽度です。ただし、季節の変わり目や体調に注意して、温活を意識しましょう。
「はい」の数が6〜10個
冷え性の可能性があります。日常生活や食事で体を温める工夫を取り入れることをおすすめします。
「はい」の数が11個以上
冷え性がかなり進行している可能性があります。セルフケアだけでなく、医師や専門家に相談して、体質改善を目指す具体的な方法を検討してください。
寒さが厳しくなってくるこれからの季節。冷え性の方は今回の温活ルーティーンや冷え性対策を参考に、寒さに負けないように過ごしていきましょう。