もうそろそろ花見の季節、桜の季節でございます。そこで今回は、桜が待ち遠しい方、なかなか忙しくて花見に行けない方、そんな方々のために、自宅で桜を満喫できる絵本をご紹介させて頂きます。
ただし、ただの桜の絵本ではございません。桜の描写(写実的)が美しいだけではございません。ストーリーと絵の画面構成がゴイスーなのでございます。目に前に、今まさに咲き誇る桜を体感できる絵本でございます。
「もう いいかい」(作:中野 真典)
こちらは、二人の幼い女の子が神社の境内でかくれんぼをするお話。ただ、「もういいかい?」「まぁーだだよ」が繰り返されるだけなのですが…。
この流れの中で登場する桜がゴイスーに美しいのでございます。登場するまでの流れ、そして桜の構図が秀逸なのでございます。そこに自分がいて、まさにその桜を目の前で眺めているかのような錯覚を覚えてしまうのでございます。
作者の中野真典様は、大人からの評価、人気がすこぶる高いアート系絵本作家様でございます。絵本作家、画家の他、アニメーションの分野でもご活躍中、その独自の世界観から注目を集めていらっしゃいます。中野様の絵本は、この作品に限らず、突然画面がふわっと広がっていく感覚がたまりまセブンでございます。是非一度、ご体感くださいませ。
「そらはさくらいろ」(作・絵:村上 康成)
こちらも桜の美しさが体感できる絵本でございます。こちらも桜が登場するまでのストーリーと登場した際の画面構図、視点が秀逸でございます。ネタばれになるので詳しくは語れませんが、是非、ベッドの寝っ転がって読んで頂きたい絵本でございます。桜が登場するシーンは圧巻でございます。
ちなみに、村上様はボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受、ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌、日本絵本賞大賞、2012ドイツ児童文学賞にノミネートなど、国内外でたくさんの賞を受賞されております。どなたかにプレゼントする際には、こんな蘊蓄、プロフィールもご紹介頂ければと存じます。
大人が楽しめる桜絵本を2冊ご紹介させて頂きました。今年は絵本でもお花見をお楽しみくださいませ。
(文:N田N昌)