2016年10月、香港のテーマパークで飼育されている史上最高齢38歳のジャイアントパンダ「ジアジア」が死にました。こんなに長生きするのはまれで平均は20歳だといいます。そんなパンダですが密猟などが影響し野生の数は減少し、今では1850頭で絶滅の恐れがあるレッドリストに入っています。
生き物が絶滅するスピードは年々早まり、現在では年間4万種が絶滅しているそうです。そこで今回は、“絶滅してしてしまった動物”“絶滅したと思われていたけど再発見”された生き物を紹介します。
最初のペンギン?「オオウミガラス」
北大西洋や北極海に生息していた鳥。1840年代~50年代に絶滅したといわれています。その姿は白と黒で、我々が知るペンギンにそっくり。それもそのはず、最初にペンギンと呼ばれていたのはこっちの鳥だったそうです。ペンギン同様、飛べず、好奇心が旺盛で人間に対して恐怖心を見せず、むしろ興味を持って近寄っていったため労せず乱獲。1日1000羽捕獲されたという記録も。絶滅寸前となると悲劇はさらに続き、「希少だから」と博物館や収集家が高値を付けると、一攫千金を狙ったものが次々とこの鳥を捕らえ、やがて絶滅しました。
見た目が愛らしい「ドードー」
- 伝説の翼:ドードー(dodo) BIRDER(バーダー)
Fujisan.co.jpより
1507年、マスカリン諸島で発見された鳥、ドードー。七面鳥よりも大きな姿をしており、翼が退化していたため飛べない鳥でした。よたよた歩きで動きがのろかったため食料として乱獲されたり(不味かったらしい)、人間が持ち込んだブタや犬により雛や卵が捕食され、やがて絶滅。発見されてからわずか83年での出来事でした。警戒心が薄かったという記録がある一方、獰猛で襲い掛かってくるため人間は近寄りたくなかった鳥という記録もあるため、生態がいまいち分かっていません。
DNAで再生?「ピレネーアイベックス」
アルプス山脈に生息していたヤギの仲間。成長すると10kgになる立派な角や体全体が病気の特効薬になると珍重され狩猟の対象に。2000年に絶滅したと言われています。その後、最後の1頭だった雌からとったDNAでクローン再生に成功。しかし肺の異常で誕生から10分とたたないうちに死んでしまったそうです。
人間が原因では無いかも?「カモノハシガエル」
オーストラリアの固有種で、メスの方が4.5~5.4センチと大きいカエル。メスは産んだ卵を飲み込み胃の中で育て、孵化、変態させ、幼体を吐き出します。この際、メスは胃酸を抑える機能を持っていたため、人間は潰瘍治療に役立てようとしていました。しかし1981年以降に自然下で発見例がなく、絶滅したと考えられています。原因は、感染症とみられています。
滅茶苦茶ディスられる「ワライフクロウ」
ニュージーランドに生息していたフクロウ。当時は珍しいものでもなかったようですが、アナウサギ駆除のため持ち込まれたフェレットなどに卵を食い散らかされ、ペット用にも生け捕りにされ1914年に絶滅したとされています。ところで気になるのは名前の由来。甲高い笑い声のような鳴き声からというものや陰気な悲鳴、やかましい叫び声、野次るような声、雑音のような鳴き声など、なんともかわいそうな理由でその名がついたようです。
絶滅したと思われていたけど再発見
2010年、さかなクンらが絶滅したとみられていた「クニマス」を西湖で発見し話題になりましたが、この件のように再発見されるものも中にはいます。
・ブータンシボリアゲハ…ヒマラヤ山脈、標高2000メートルの山腹に生息していた蝶。1933年に発見されましたが、あまり生態の解明が進まないため秘蝶と呼ばれ、危急種とされていました。しかし2011年、日本の調査隊がこの蝶を78年ぶりに発見し話題となりました。
・バーバリライオン…アフリカ北部に生息していましたが、見世物のため乱獲され1922年に全滅したとされていました。ところがモロッコのムハンマド5世の私的動物園で32頭も飼育されていたことが判明。2012年、別の動物園で繁殖が行われ3頭が誕生したそうです。
さて、現在、ピレネーアイベックスのようにDNAから絶滅した動物を再生しようという研究が進んでいます。日本では2011年に「6年以内にマンモスを再生する」としているため2017年にはマンモスの赤ちゃんが見られるかもしれませんね。…ただ、そうやって誕生した動物は、本来親から教わる餌の食べ方や飛び方など誰から学習するのか? 考えさせられます…。