日本では、いま空前のラグビーブーム。
忘新年会や結婚式では余興に困り五郎丸選手コスプレをした人が続出したでしょうし、小学生男子はあのポーズで友人にカンチョウをしまくっていることでしょう。
ラグビーのように、スターの出現で突然ブームになるかもしれないスポーツはたくさんあります。
今回はその中でちょっと気になるマイナースポーツを御紹介。
ティータイムもあるスポーツ『クリケット』
名前を聞いた事はあるけどよくわからない。そんな印象のイギリス発祥『クリケット』。実は球技としての競技人口がサッカーに次いで世界人口第2位なんです!どんなスポーツかと言いますと……
11人ずつ2チームで戦う野球に似たスポーツ。
円形グラウンドの真ん中に位置する縦長のピッチの両端に、3本ずつ刺さった杭があり、攻撃側の投手は、それを狙ってボールを投げ杭を壊します。守備側の打者はそれを壊されないようバットで打ち返します。
そして、攻撃側が返球で杭を壊してアウトにする前に、2人の打者が2箇所の杭の間を走って得点を稼ぐというもの。
クリケットのワールドカップも開催され21975年に第1回大会が行われて以来、015年で11回目を数えます。2015年大会には14チームが参加し、なんと視聴者は20億人以上。年収が数億円のスター選手もたくさんいるそうです。
日本では明治維新後に導入され、横浜スタジアムは元々はクリケット場だったとのこと。紳士・淑女のスポーツとも呼ばれ、なんと、試合が長い場合はティータイムやランチタイムをとって優雅に社交を楽しんだりもします。
体育会系のノリが苦手でスポーツ嫌いだという人も、クリケットなら好きになれるかもしれません。
意外すぎる組み合わせ!『チェスボクシング』
知力と体力の両方が必要な「チェスボクシング」。
2003年に立ち上がった、その名の通りチェスとボクシングが融合したクレイジーなスポーツで、世界大会まで開催されています。
チェス(6ラウンド)とボクシング(5ラウンド)を交互に繰り返して勝敗が決定。また、チェスの持ち時間を超過するか、ボクシングでのノックアウト、チェスでのチェックメイトなどによって試合が終了することになっています。
リング上でチェスをする画だけでも面白いし、体力を消耗し疲弊ながらも必死に頭を働かせてチェスをする選手の様子は見応えがあるので、スポーツに知力も求めるという方にはオススメです。
ちなみに、2009年に朝日放送『探偵!ナイトスクープ』で行われた先崎学棋士と井岡弘樹選手の将棋ボクシングも大変面白く、名作でした。
とにかくグルグルまわる『ラート』
平行につながった2つの鉄の輪っかに入って両手両足を伸ばし、とにかくグルグル回る『ラート』というスポーツもあります。
ラートは1925年にドイツで子どもの遊び道具として生まれ、スポーツとして発展したものです。そのため、小さな子どもから老人まで誰もが楽しむことが可能。(競技者が限られるチェスボクシングとは真逆といえますね。)
また、回転した喜びや達成感が自信になったり、逆さまになって開放感を抱けることから、精神障がいを抱える人にも向いているとされており、約20カ国の障がい者用施設で導入されています。
直転5~1級、斜転5~1級という日本ラート協会が認定する資格もあり、1995年からは毎年全日本大会も開催。やってみないと得意かどうかわからないスポーツなので、ぜひ試しに挑戦してみてはいかがでしょうか。
意外と向いていて世界大会に出場、ということになるかもしれませんよ。
イジって真似する変なスポーツの定番『カバディ』
最後は、その存在を知った子どもがとにかく選手の真似をしたくなるスポーツの定番『カバディ』。
「カバディ、カバディ、カバディ…」と連呼するこの競技は、マイナースポーツとして知名度がメジャー級、という不思議なスポーツですよね。
カバディは攻守7人ずつの戦い。攻撃側の攻撃者1人が守備側のコートに入り、一息で「カバディ」を連呼しながら守備側の選手にタッチして自分のコートに戻って、タッチできた人数が得点になります。タッチされた人はコート外へ出なければいけません。
守備側は攻撃者を捕まえて相手コートに戻れないようにするのですが、皆で攻撃者を捕まえにいっても、逃げられたら大量得点になってしまうのでなかなか難しい攻防戦となります。
また、攻撃者を捕まえる時のかなり激しいやり取りも見どころです。
“武器を持たず直接に獣を捕獲する狩りの手法”から派生したと言われる、カバディ。
スポーツに野生的な魅力を求める方は、ぜひ一度観戦してみてください。
これらは現在はマイナースポーツですが、いつか何かがきっかけでブームが訪れ、第二のラグビーになる可能性はじゅうぶんにあると思います。
いつか来るその時に、周りへ「自分は前から好きだったし」とか「いつか人気出ると思ってたんだよね~」等と言えるよう、今からチェックしておいてはいかがでしょうか!
< 取材・文 / 大石依里香 >