東京五輪スケートボード決定!数々の熱戦を見てきた広岡(ムラサキパーク東京)の考える使命とは

2016/08/08
放送作家 小嶋勝美

広岡耕一Facebookより

 

8月4日、スケートボード業界にとって歴史が変わったこの日。IOC総会においてスケートボードが正式にオリンピック競技として認められた。この日はサーフィンもオリンピック競技として認められ、ついにスノーボード・サーフィン・スケートボードの3Sがオリンピック競技となった日でもあった。

 

数々の熱戦が繰り広げられたムラサキパーク東京店長・広岡耕一さんインタビュー!

※オリンピックへの思いを語る、広岡店長

 

数々の全日本ファイナルが行われ、多くのAJSA認定プロスケーターを輩出し、84日の東京オリンピック・スケートボードの記者会見も行なれたムラサキパーク東京の店長、広岡耕一さんへオリンピックへの思いやスケートボードへの考えなどを語ってもらいました。

 

—記者会見はどんな気持ちで臨みましたか?

 

まずは内定してくれた事で両手を上げて喜びました。

それと同時に僕らがオリンピックに向けてスケートボードを“国民的スポーツにまで持っていかないとな!”と使命を感じた瞬間でもありました。

 

—スケートボードは日本でも“国民的スポーツ”になる素質を秘めてますか?

 

めっっちゃくちゃ秘めてますね。

いろんなスケートボードのカルチャーがあるので、単にスポーツという括りで言っていいのかわからないけど、僕は日本中が野球とかサッカーみたいに熱狂するスポーツになっていくという可能性が見えますね。

 

—オリンピック競技への決定でムラサキパーク東京の店長としてこれから構想している事はありますか?

 

僕はムラサキスポーツというお店は(他のスケートボード専門店より)お客さんに“入りやすい”という認識を持って頂いていると思っているので、まず最初にやりたいのは今まで興味がなくてスケートボードというものを知らなかった人に「コンコン」ってノックしてもらって競技人口の底辺を広げていきたいです。

 

—それがムラサキパーク東京の店長としての使命?

 

もちろんハイレベルな選手の育成も同時にやっていかないといけないんですけど、そればっかりではなく「カッコイイ」って思ってもらえる底辺の拡大をしていかないといけないと思っていて、それをする事によって“プロスケーターの価値が上がる”と思っています。

 

—日本ではプロスケーターの価値を高めるのは昔からの課題のように思えます

 

以前は「一部の人だけがやっている閉鎖的なスポーツ」という認識がありましたが、今ではメディアにも出てくるようになってきているのでチャンスと考えています。

 

例えば初心者はスイッチトリック(利き足と逆のスタンスでトリックを行う事)を見てもわからないじゃないですか。

でもスケートボードの価値がどんどん変わって「あ、これ逆のスタンスでやってるからすげーな」って思ってもらえるようにまでなったらいいなと思います。

 

例えば、ラグビーがフィーチャーされてテレビでもラグビーの説明とかするようになって純粋にラグビーに入っていく人って増えたと思うんですよ。

 

だからやっぱり底辺をもっと広げて競技を知ってもらって楽しく見てもらえたら…その先にはスケートボードが国民的スポーツになっている姿が見えます。そしたらプロスケーターの価値も絶対に上がるハズです!

 

—ムラサキパーク東京からプロになっていった若きライダーたちへメッセージはありますか?

 

プロになったことがスタートライン。

オリンピックを目指す人もいるし目指さない人もいるだろうけど、必ず自分のスタイルを持って活動してほしい。

 

そして目標をしっかり持って礼儀正しくファンの多いスケーターになって、上手いだけじゃなくどこに行っても通用するスケーターになって欲しい!

 

—(広岡さんは)元々はサーファーですよね? 今回サーフィンとスケートボードが同時にオリンピック競技になりましたが

 

今回でついにサーフィン・スケートボード・スノーボードの3Sがついにオリンピック競技になった訳じゃないですか。

そのやっぱり中間のオフトレとして出来るのもスケートボードだし、みんなには壁を持たずにやってほしいなって思います。

 

スケーターがサーフィンやったり、サーファーがスノーボードやったり横乗り全体が盛り上がっていくように仕掛けていきたいです。

 

—スケートボードに興味を持っているキッズに向けて

 

親御さんには子供の“やりたい”という気持ちを大切にしてあげて欲しいと思います。純粋にスケートボードを楽しめる環境を作ってあげてほしいと思うし、親御さんも一緒に始めてもらいたいなと思います。

 

例えば5才の小さな子供がスケートしていて親が腕組んで見ているんだったら、是非一緒に始めて欲しい。 そして同じ初心者としてスケートボードの難しさを子供と一緒に楽しんでほしいなって思います。子供とライバルになってもらって、同じ目線で見てみてほしい。

 

是非親子でパークに遊びに来てください!スタッフ総出でケアするんで(笑)

 

そしたらオリピックの見方も変わるし、パークに来てくれれば友達の輪も広がる。子供だけじゃなく中高年とか大人同士でも友達が出来るし、大人と子供が友達になれるのもスケートボードだから。スケートボード1本あれば最高のコミュニケーションが取れるから!

 

ムラサキパーク東京店長・広岡耕一 経歴

2013年 NSA(日本サーフィン連盟)東京4区カップショートボードオープンAクラス・優勝

2014年 ムラサキスポーツ全国店長スケートボード大会・準優勝

2015年 X973 JAPAN OPEN・ロングBクラス・優勝

      テレビ朝日「夜の巷を徘徊する」531日放送分出演

※他にも各種サーフィン大会やイベントなどでMCとしても活躍

 

乗りニケーション

今回、スケートボードがオリンピックに正式採用されて実際のスケーターからは賛否両論いろんな意見が飛び交うだろう。

 

しかし、オリンピック競技に決定した事で、スケートボードの価値は確実に高まるし、今までスケートボードに対してネガティブなイメージを持っていた人達の見方も少しは変わるだろう。

 

スケートボードはあくまでカルチャーだしアンダーグランドだからこそ生まれるカッコよさがあるのは確かだ。これからは、カルチャーとしてのスケートボードと競技としてのスケートボードがお互い良い関係で共存していける時代になってくると筆者は考えている。

 

そんな時に頼りになるのは、カルチャーとしてのスケートボードを育んできて、競技としてのスケートボードを発展させることに貢献してきた広岡さん達のような存在だろう。

 

「スケートボード1本あれば最高のコミュニケーションが取れるから!」

 

筆者も過去に広岡さんとムラサキパークで一緒にセッションさせてもらったことがある。

当時はあまり面識がなかったにも関わらず、最高の時間を過ごす事が出来た。

是非、皆さんもスケートボード1本持ってムラサキパーク東京の広岡さんに会いに行ってみてほしい。その言葉が嘘じゃないという事がすぐにわかるはずだから(持ってなくてもレンタルあります)

 

 

この記事が気に入ったらいいね!しよう

放送作家 小嶋勝美
この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

放送作家 小嶋勝美が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop