老舗がDXを投入して起こす企業文化の大変革とは

2021/03/10
マガジンサミット編集部

今回お話しを伺ったのは、ITやデジタルによる見識によって老舗企業の経営を革新、日本の素晴らしい伝統や技術を守るサポートを推進している株式会社JQ 伊藤 駿介氏。そして一緒にDX導入に取り組んでいる茨城県鹿嶋市で老舗和菓子店を営む株式会社丸三老舗 代表取締役 笹沼和彦氏。そんなお二人から実際に老舗にDXを導入・推進している現状や企業文化の大変革の試みについて聞いた。

近年、老舗企業は後継者不足などの煽りを受け、倒産や廃業の危機に立たされている。伊藤氏の実家もその一つで成田山表参道にある老舗煎餅屋の櫻屋本店。実家を含め老舗を救いたいという想いから伊藤氏が株式会社JQ内でDXの導入による地方再生を推進するプロジェクト「老舗DX」事業を立ち上げた。創業約200年の歴史を持つ丸三老舗で先代を継いだ笹沼氏もこのプロジェクトを知り、自分の店を守るためDXを投入することを決断。伊藤氏がサポートに入ることになった。

老舗へのDX導入という大変革には多くの課題や大変さが伴うと伊藤氏は言う。というのも老舗ということもありデジタルが苦手な年配の従業員がいたり、昔ながらの手法や価値観が根付いていたりするためだ。例えば今だに手書きの伝票を使う、レジのポスからデータ分析せずに勘に頼る、EC販売が整っていない等、現場にデジタル技術を活用して変革を起こすことは根本を大きく変えなければならない。週間を変える難しさが伴うのだ。ただ、そのような昔ながらの手法が残る老舗に上手くデジタルを取り入れられれば、その苦労以上に効率化や企業の変化などの大きなメリットになると伊藤氏は語る。なぜなら伊藤氏は丸三老舗のDX導入以前に実家である櫻屋本店でITやデジタル導入による事業再生を経験。YouTubeを利用した簡易業務マニュアルの作成やECサイトの立ち上げを行うなど老舗における課題をDX導入で実際に解決、事業再生を行い、その成長を見ているのだ。

現在「老舗DX」事業として一緒に取り組んでいる丸三老舗の笹沼氏にも実態を聞くと、数十年単位で続く作業に新しいことを取り入れるのには、積極的に取り組めないなどネガティブになる従業員もいると言う。ただ、そこに代表自ら指導に入るのではなく、外部で専門分野の伊藤氏が入ることでデジタル化をする中で足りない部分が洗い出され、客観的な意見が入る。そして会社が真剣に、この取り組みを行っていることへの理解に繋がり、従業員の指揮も上がると語る。スマフォに慣れてない従業員やデジタルアレルギーなどもあり一朝一夕で定着するとは思っていない。将来につながることだと伝え、続けることでの慣れが大切だと二人とも今の現状を話してくれた。

今後オープン予定の都内新店舗については最初からデジタル技術を積極的に入れ、スマフォで予約後、ピックアップでき生菓子のロス防止にも繋がるシステムづくりもしたいと笹沼氏は語る。このようにDX導入で老舗に新しい風が吹くのだ。

現在の「老舗DX」に対して周りの反応を伊藤氏に聞くと、古き良き伝統を守るという老舗が新しいものを取り入れるそのギャップが面白いと興味を持たれていると言う。老舗は価値があるのにその価値が発揮できずになくなってしまうのが今の課題。しかしDXを導入し老舗の良さを残しつつ現代に即した形に昇華させていくことで、老舗ブランドを守れるかもしれないという期待が生まれていると伊藤氏は話す。

そんな期待も高まる老舗へのDX導入だが、先駆者として今後、同じような取り組みを行いたい企業に向けてのアドバイスとして伊藤氏は次のよう言う。「変革」を最初に目標においてしまうとハードルが高くて挫折しやすい。そのためデジタルを受け入れられる環境や文化づくりが一番大切だと。笹沼氏も次のように語る。長い時代をみると転換期に変化を上手に取り入れた老舗が残ってきた。この「老舗DX」導入での企業文化の大変革は根底を変えていく大変さが伴うものの、老舗ブランドを残す取り組みでもあると。

この「老舗DX」による大変革はまだ始まったばかりだが、老舗の今後の存続に期待が持てそうだ。

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