奈良ゆかりの偉人に学ぶ!新しい研修プログラム「Life Trip NARA」を徹底レポート

2018/03/22
Shoichi Sato

歴史の授業で、日本のターニングポイントとなる出来事が起きた年は語呂合わせで覚えたと思います。ムシゴメ(645年)炊いて祝う大化の改新。イイクニ(1192年)つくろう鎌倉幕府。

そして、平城京遷都は「ナント(710年)綺麗な平城京」です。この時代は、仏教や唐の影響を強く受けた天平文化が栄えた頃ですね。さて、平城京遷都から1300年を過ぎた現代。かつての首都、奈良では「次の1300年」に向けたプロジェクトが始動しています。

公益社団法人奈良市観光協会は3月13日と14日の2日間、企業研修プログラム「Life Trip NARA」を実施しました。これは同プログラムを受ける人が、奈良にゆかりのある偉人「藤原不比等」、「行基」、「吉備真備」のいずれかになりきって“人生100年時代”を豊かに生きるためのヒントを見出すもの。

今回は都内のIT企業、キャスレーコンサルティング株式会社(東京都渋谷区)の新卒内定者を含む若手社員11人が奈良の観鹿荘に集まりました。

なりきり一番人気は「行基」。東大寺大仏建立の責任者として有名な行基ですが、民衆に仏教を広めるだけでなく橋などのインフラ整備も手がけ、人々が暮らしやすい社会をつくるために奔走しました。行基を選んだキャスレー若手社員は5人。「20年勉強して一人で事業を展開する行動力がすごい」、「行基のようなボランティア精神を学びたい」と言った声がありました。

それぞれのグループに分かれ、まずはその偉人の人となりやモチベーションを予想。ポストイットに自身の考えを書き込み、ボードに貼っていきます。偉人の気持ちになりきって書いた意見を読み上げ、ディスカッションを行うグループワークです。

遣唐使として唐を訪れ、様々な文化を持ち帰った吉備真備グループは「唐に行って社会がもっとシステマチックになると推測した」、「自分の体験を基にウェルビーイングを体現したかった」など、現代に置き換えた形で意見を交換していました。

ゆかりの地を訪れるフィールドワークと個別発表

偉人の気持ちを共有した後は、なりきった偉人のゆかりの地を訪れるフィールドワークです。それぞれ偉人の似顔絵がプリントされた「なりきりブルゾン」を羽織って出発。吉備真備グループは、遣唐使船のレプリカがある平城宮跡歴史公園に向かいました。

ガイドスタッフから「トラブルがなければ、九州から出発して約1週間で唐に着く」など船の説明を受けた吉備真備グループ。入社1年目の社員は「吉備真備は色んなことに挑戦していた。私も大学では生物学を学び、畑違いのIT企業に就職したので、親近感がある」と話していました。

フィールドワークから戻った参加者らは、研修初日のまとめ「フィールドワークで探し出した“未来へのイシューにどう取り組むかを考えるヒント”」について話し合います。

4代の天皇に仕え、藤原氏繁栄の基礎を築いた藤原不比等を選んだグループ。大きな影響力を持った稀代の政治家に対し「世界共通の統治システムをつくりたかったのではないか」と推測していましたが、フィールドワークで推測通りの結論が出たことを語っていました。

続いて偉人になりきって自己紹介。「19年ぶりに日本に帰ってきて、ホッとした(吉備真備)」、「現代の大仏を見ることができ、やっとかと言う感じ(行基)」、「天皇のサポートはキツい。思ったより人は動かない(藤原不比等)」など、それぞれの視点からタイムスリッププレゼンを展開していました。

研修2日目は東大寺大仏殿を拝観。その後、日本最古の寺院の一つとされ、聖徳太子が建立したと伝わる大安寺で瞑想を体験します。坐禅の組み方などを住職から聞き、本格的な瞑想を行いました。

研修プログラムもいよいよ大詰め。現代が抱えるイシューに対して選択した偉人ならどのように取り組むかを発表します。

「空家問題」について藤原不比等グループは「律令国家2.0を作成する」、「ホームレスに提供する」、「人口の多い国から人を招き入れる」といった解決法を提示していました。行基グループは水不足問題に着目。「日本のろ過技術を世界に発信する」、「企業に仏教教育を取り入れる」などのアイディアが出ました。

2日間着用していた「なりきりブルゾン」を脱ぎ、最後は自分自身の考えを発表します。吉備真備になりきっていた社員は「組織軸は幸せになれないのでは。副業を肯定し、人や社会に正しいことをしていきたい。可能なら新制度を確立したい」と、将来の希望を口にしました。

また、藤原不比等から学んだ社員は「天皇の定義から考え直さなければならない。そのためには日本のマイスターになり、新しい価値観を提供していく」と述べました。

2日間で過去と未来にタイムスリップして、自分を見つめ直したキャスレー社員。とても興味深いアイディアがいくつも生まれており、普段の生活や自身が抱える仕事を考える上で、とても有意義な時間になったと思います。

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Shoichi Sato
この記事を書いた人

Shoichi Sato

地域ミニコミ紙の編集記者、広告代理店を経てフリーライターとして活動中。趣味は山登りなど、スポーツ全般の元高校球児。未確認生物や宇宙、戦国時代 などが好きなロマン追求型。座右の銘は「気は遣うものではなく、配るもの」。 ブログ:s1-thats-WRITE

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