今年も潮干狩りシーズンが始まりました。採ってきたアサリを、パスタやパエリア。味噌汁やクラムチャウダーなどにして味わうのも楽しみです。
ところが近年、アサリの減少により潮干狩りを解禁できない浜もあります。異常気象や、アサリを餌とする天敵の増殖。そして乱獲など、アサリを取り巻く環境が悪化しているためです。
アサリに限らず、そういったなかで“天然もの”はますます希少に。なかなか手にできない高価な物というのが現状です。江戸川や八景島など、東京近郊で希少な“天然もの”が手に入る場所をご紹介します。
江戸川で獲れる『アナジャコ』
アナジャコ…あまり聞いたことのない名前かも知れませんが、江戸川放水路市川大橋辺りの岸などで採れるエビの仲間です。シャコのように見えることからアナジャコといい、北は北海道から南は九州までの、太平洋側地域や瀬戸内海など全国で採れます。
筆をアナジャコの穴に突っ込むだけ
砂を掘って穴を見つけたら筆を挿し、アナシャコが筆を敵と勘違い出てきたところを捕まえます。捕獲するのが、簡単そうでいて意外と難しく、クセになる面白さだそうです。
身は柔らかく旨味が強いと言われている江戸川で獲れる「アナジャコ」は3時間くらい食塩水で泥抜きしてから、天ぷらや味噌汁にして食べるのが美味しいそうです!
八景島で獲れる『マテガイ』
5cmほど適当に掘ると、細長い穴が少し斜め方向に出てくるのでその穴に塩を入れると、マテガイが“にゅる”っと出てくる!それをつまんで、砂の中から引っ張り出す…これが難しそうですが。
横浜市金沢区野島町に所在する野島貝塚は、市域において現存する最古の貝塚。昔からこのあたりでは貝をとって食べていることは当たり前だったらしいのです。
このマテガイは砂を洗い流せば直ぐに調理できるらしく、バター焼きや酢味噌和えなどが美味いと言われています!
秩父で採れる『天然わさび』
海もいいですが、山は“天然もの”の宝庫です。春になればウド、コゴミ、タラ、フキノトウ…いっせいに芽吹きます。そのなかでも清流と豊な土壌が無ければ育たないのがワサビ。
秩父の山水は、武甲山の石灰層に育まれた湧水でミネラル分豊富。美味しいワサビができるのだそうです。石と石の隙間に根が入り込んでいる秩父の天然わさびは、無理に引っ張ると根が折れてしまうので、採るときには最新の注意が必要だとか。
くれぐれも乱獲に注意を!
自生しているワサビは生命力が強い分、成長が遅く根の長さが10cmになるまでに15年~20年もかかってしまいます。大切な天然ワサビが絶えてしまわぬよう、むやみに根っこから引き抜くのはご法度です。
ワサビの葉の部分は塩もみして熱湯をかけ、お浸しにすると絶品。茎は三杯酢を入れて漬け込み、冷蔵庫で2~3日寝かせて食べると美味しいそうです!
皆さんの近くにも美味しい“天然もの”が眠っているかも知れませんよ。“天然もの”を手にする際には、“採っても良いモノか?”“食べても良いモノか?”を確認することもお忘れなく!!