玉川学園上空に浮遊するUFO!?建設×アートの融合

2025/05/28
マガジンサミット編集部

学校法人玉川学園と西松建設株式会社は、クローラークレーン・イルミネーション「浮遊離脱する光跡」を、5月25日(日)18時30分~20時の時間帯に、玉川学園キャンパス内新体育施設「Sports Center SANITAS(サニタス)」建設現場にて行い、報道関係のみに限定公開された。

玉川大学学術研究所田中敬一特別研究員は、現在、西松建設が新体育施設「Sports Center SANITAS」の建設を進めているキャンパス内の建設現場を「アートの舞台」として表現することを企画。田中氏は、2013 年にも西松建設と連携し、建設用のタワークレーンを利用した光の演出を手掛けていて、西松建設と連携した取り組みとしては今回で2回目となる。

今回のクローラークレーン・イルミネーションのコンセプトは、「Sports Center SANITAS」が担う「次世代への新たな可能性を光のメディアで可視化すること」、そして、建設技術の進化を象徴する未来的なデザイン手法で、「建設業の魅力を若者に!」という働く喜びや可能性を発信していくことを目的としている。同プロジェクトの一部(動作検証時の支援など)には学生も参加している。

当日は、点灯制御する発光体を吊り下げ、クレーンを移動させて空中に光る物体が浮いている模様を演出した。浮遊している発光体をカメラで長時間露光で撮影することで、空中に有機的な造形イメージが描画される。また、玉川大学の学生、教職員が参加する写真コンテストも実施され、学生たちも撮影を行った。

クローラークレーン・イルミネーションが行われた当日の18時半頃、建設現場のクレーンから発光体が吊り上げられていった。報道陣は三か所から撮影を行い、まずは本部棟の屋上。空はまだ明るかったが、ピカピカとカラフルに光る発光体が空中に浮いているのは不思議な光景に映った。

発光体は高さ3メートル、横幅5メートルで、ウォールウォッシャー(LED灯体)33本と球体(データストロボ)9個を使用。骨組はスチール角パイプ溶接で構成されていて、総重量は約200kgほど。平面で見るとピラミッドに近い三角錐のような形状で、球体が底に複数個ついていることから、昔ながらのUFOの形状にも似ている。このプロジェクトを知らずに空を見上げてフラフラと空中を動く発光体を見つけたら、UFOだと疑われるような光景になっていた。

屋上からは発光体と同じ高さで見ることができ、発光体の方が下の位置に来ることもあった。そのほかの記念グラウンド、建設現場入り口からは真下や真横から見ることもでき、さまざまなアングルで撮影ができた。

カメラを人物を撮るような通常の設定でそのまま撮れば、角錐に近い形状のままに写るが、シャッター速度を極端に下げて露出時間を延ばすことで、宙を舞う幻想的な光の造形を写し出すことができる。発光体はカラフルに点滅していることもあり、瞬間ごとに異なる姿を見せる。

パフォーマンス終盤には、発光体が建設現場に降りてきて間近で見ることができた。隣に田中氏が立って解説やインタビューに答えていたが、発光体は吊るされているとはいえ、高さ3メートル、幅5メートルの存在感を存分に感じられた。

田中氏は本プロジェクトに込めた思いについて「この建物は2年後に完成しますが、完成した後に2年前にこういった光のイベントがあったことは記録がなければ想像がつかないと思うんですね。ここに大型重機のクレーンが2台もあったんだと。今晩の光の造形イベントによって、なんらかの形で記録に残るので、建物の完成後に思い返して、建物ができるプロセスでこういう光の造形を使った感動があったんだと、思い出すきっかけになればと思います」と語った。

2029年、玉川学園は創立100周年を迎える。この記念事業の一環として現在進めているのが、緑豊かなキャンパスの中心部に建設する新たな複合スポーツ施設「Sports Center SANITAS」の計画。現在、学園には「大体育館」と「記念体育館」の二つの体育館があり、新たに建設される「SANITAS」は、大体育館に代わる新しい体育施設として、アリーナ(体育館)や屋内温水プールのほか、ウェルネスデザインラボ(トレーニングルーム)、デンマーク体操専用室などを設ける予定となっている。

「SANITAS(サニタス)」はラテン語で「健康」を意味する。玉川学園の教育理念である「全人教育」では、学問(真)、道徳(善)、芸術(美)、宗教(聖)、健康(健)、生活(富)の六つの価値の創造を掲げている。その一つである「健」の教育の“実践の場”となる「SANITAS」は、幼稚部園児から大学院生までだけでなく、教職員や保護者、さらには卒業生をはじめ、地域にも開かれた施設になることが期待されている

この記事が気に入ったらいいね!しよう

マガジンサミット編集部
この記事を書いた人

マガジンサミット編集部

編集部のTwitterアカウントはこちら 【マガサミ編集部Twitter】 編集部のYoutubeアカウントはこちら 【マガサミYoutube】

マガジンサミット編集部が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop