オードリー春日さん(38歳)が東京大学受験を、ロンドンブーツ1号2号の田村淳(43歳)さんが青山学院大学受験を発表しました。エド・はるみさん(53歳)は慶應義塾大学大学院に在籍中と、芸人さんの間では勉強が小ブームであるかのようです。けれど40歳近くなってから大学に入学するメリットは、どこにあるのでしょうか。
40代の女子大生
実は私自身も、通信制ではありますが、43歳で大学に入学しました。一度他の大学を卒業しているので再び大学生になったわけです。理由は、文学部で一度学んでみたかった、というものでした。
通信制なので、入学試験に落ちることはあまりなく、首尾よく40代にして女子大生になれましたが、本当に大変でした。レポートと学科試験、この両方に合格しないと単位がもらえないのです。40過ぎて暗記しようとしても覚えるはしからどんどん忘れて、何度も不合格になり、心が折れかけました。なにしろ全部で40科目ほどこれを繰り返さなくてはならないのですから、つらすぎます。
学ぶヨロコビ
さらに、卒業するためには卒業論文を書かなくてはならず、これにも相当苦しみました。テーマを考えるのに1年くらい考えたほどです。それらはとても一人では乗り越えられませんでした。大学で知り合った同じ年齢層の学友と励まし合えたからこそ、ゴールに辿り着けたのです。
お友達とのやりとりは苦しい中でも楽しかったです。例えれば単独で冬山登山をしている時に、一緒に山頂を目指す人とすれ違った感じです。お互い励ますけど、結局は自力でがんばるしかないんですよね。この単独感。そして一人で達成できた時の快感はクセになりますね。登山をしなくても勉強でも、かなりの爽快さを味わえるのですから。
最大のメリット
実際体験してみると、40代で大学生をやり直すことは、決して無駄ではありませんでした。多くの文学作品を学ぶことができ、物書きとしての私の幅も広がったのではないかと実感しています。学んだことは決して無駄にはなっていません。
私のように自分の仕事に直結していることを学ぶ人もいれば、専門外だけれどずっとやってみたかったことを学ぶ人もいます。そのことで新しい人生が開ける場合もあるようです。
『週刊東洋経済』のLIFE SHIFT特集号では、40代近くから学び直したことによって転機を迎えた体験談が幾つも載っている。47歳でニューヨークに留学し、ジャズピアニストとなったミュージシャンの大江千里さんの話を読むと、夢を叶えるのに遅すぎることはない、と大いに励まされるはずだ。