これで鼻紙も減るかも?花粉症対策「舌下免疫療法」とは

2017/03/11
naokiyama

今年も花粉症のシーズンがやってきました。花粉症対策といえば、マスクや点鼻薬をはじめ、レーザー治療、L-92乳酸菌入りヨーグルト、そのほかにも酸素カプセルに入る、バナナを食べるなどさまざま…

 

出典:http://www.kobayashi.co.jp/brand/hananoa/

 

最近では小林製薬の鼻うがい『ハナノア』の電車内広告がシュール過ぎるとSNSで話題になりました。これだけの花粉症対策があれば、いったいどれが自分に合うんだろう…と迷うところですが、今回は数ある治療法のひとつ、「舌下免疫療法」についてご紹介したいと思います。

 

なぜ、「舌下免疫療法」なのか?

免疫療法とは、アレルギーの原因物質を体内に取り入れ、体を慣れさせる治療法のこと。「舌下免疫療法」は文字通り、舌の下の粘膜から微量の花粉エキスを摂取して免疫をつくり、症状を軽減させていく治療法です。

 

では、さまざまな花粉症対策のなかでも、なぜ「舌下免疫療法」なのか。それは、これまでの花粉症対策が「対症療法」だったのに対し、舌下免疫療法が「根本療法」だから。つまり、「人によっては」治る可能性を秘めているからです。

 

実際、この治療法で症状がやわらいだという有効率は80%程度とされ、薬がいらなくなったという人は20%程度という結果が示されています。完治までの割合が少なくても、効果が出る可能性が高いのもポイントといえるのです。

 

いったいどんな治療法?お金は?メリット・デメリットは?

 

では、具体的にどうやって治療をしていくのでしょうか?舌下免疫療法は、2014年保険適用されたばかりで、費用は月々2,0002,500円ほど。12歳以上からの適用となります。

 

初診は病院での投与となり、以降は自宅での投薬となります。基本的には1日1回、微量の「スギ」花粉エキスを舌の下部に投与し、2分ほど待ってから飲み込む。この「スギ」花粉エキスがポイントです。つまり、スギ花粉の人のみに限った治療法です。

 

さらに最低でも2年以上は続ける必要があり、なかなか根気のいる治療だとわかります。また、治療のタイミングにも制限があります。花粉が飛散する時期に治療できないという点です。というのも、アレルギーの摂取量が過剰になってしまうためで、治療するなら6~11月の間が理想とされています。ここまでを整理すると、以下のようになります。

 

舌下免疫療法

【対象者】12歳以上/スギ花粉アレルギー

【治療タイミング】6~11月

【費用】月々2,0002,500

 

花粉症の症状レベルに関係なく使える

アレルギー性鼻炎や花粉症についての治療指針などをまとめた「2016年版鼻アレルギー診療ガイドライン」では、花粉症の深度を「初期療法」「軽症」「中等症」「重症・最重症」と4段階に分けられており、「舌下免疫療法」はアレルゲン免疫療法としていずれのレベルでも選択できる治療として位置づけられています。

 

ということは、あとは治療するうえで、何を最優先するかです。

 

日本気象協会が発表した2017年の花粉飛散量予測によれば、昨年春に比べて、花粉の飛散量は九州・四国・近畿・東海地方で「非常に多め」、中国地方で「多め」、関東甲信・東北地方は「少なめ」だといいます。

 

残念ながら、今年の花粉症対策としては間に合いません。ですが、より効果の高い花粉症対策が存在する。これだけでも今年の春を乗り越えるひとつのモチベーションになるはずです。

 

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この記事を書いた人

naokiyama

元雑誌の編集担当。政治、経済等。

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